作品タイトル不明
第217話 困ったこと
新たな学年が始まって数日。私、セレスティーナはちょっと困ったことがある。
「セレスティーナさん!」
「……はい、どうかされましたか?」
異性から声を掛けられることが増えたことだ。
別に、話しかけないでくれと言うつもりはない。
ただ、恋愛感情から話掛けられることが少し迷惑……いや困っているのだ。
「その、去年からずっと気になっていて……良かったら友達になってほしいなって」
こう言われてしまうとちょっと困ってしまう。
恋愛感情があることは明白、だけど友達と言われてしまえば変に断りづらい。
「……いいですよ、よろしくお願いしますね」
「やった、ありがとう」
嬉しそうに去っていく男子生徒と入れ替えに、葛西さんがやってくる。
「セレスティーナさんも大変だね、ああいうのばっかでさ」
私は曖昧な笑みを返すと、察したような表情を浮かべてくれる葛西さん。
「和也くんとの関係がもっと明るみになればああいうの収まると思うから、もう少しの辛抱だと思うよ」
「……だと、いいのですが」
「和也くんの側にいたら? 少しは寄ってこないんじゃない?」
「カズヤさんも今は新たな人間関係を構築中なので、今一緒にいるのは得策ではないと思いまして」
「あー、それもそっか」
ふと、カズヤさんの方を見る。あちらは男子生徒数人と談笑しているようだ。
「そういえば聞いたよ? 新入生から告白されたって」
「ど、どこからお聞きになったのですか?」
「校門であんなに盛大に告白劇をされたんじゃあ、噂にもなりましょうよ」
「勇気を出して告白していただいたのは嬉しいのですが、私にはカズヤさんしかいないのでお断りさせていただきました」
「結果は分かり切ってるからいいんだけどさ。一年生の間でセレスティーナさん人気らしいよ」
「入学数日の方達の情報をどこで仕入れたのですか?」
「それはヒミツだよ!」
そう言って笑う葛西さん。
「だから、暫くは和也くんの近くにいた方がいいかもよ?」
「……考えておきます」
「セレスティーナさんの良いところだけど、あんまり奥ゆかしすぎるのも良くないよ? もっと我を出さなきゃ」
「私、そう言うのは苦手なんですよ」
「真正面から甘える! 強請る! これで落ちない男はいないよ!」
話の方向性が変わってしまっているが、それは気にしない。
私たちは、先生がくるまで、談笑するのであった。