軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第216話 新たな出会い

始業式が終わり、また教室。

今日は始業式だけなので、これで学校は終了。クラスの皆はこの後をどう過ごそうか相談し合っている。

俺たちは昨日遊んだこともあり、今日は解散することになった。

「セレス」

「はい」

セレスを呼び、一緒に帰宅しようとした時、妙に視線を感じる。

驚き羨望、嫉妬様々な感情が渦巻いている。

察するにセレスと俺の関係性を知らない生徒たちがセレスを狙っていて、ああいう視線を向けてきたのだろう。

「人気者だな」

「私にはカズヤさんがいるので無駄なことなのですが……何だか申し訳なく感じてしまいますね」

新しい教科書が詰まって重くなっている鞄を持ち、教室を出る。

「このくらい、大丈夫ですのに」

「見栄を張らせてくれよ。それに、牽制にもなるし」

「……そういうことでしたら」

校門をくぐった辺りだろうか、男子生徒に声を掛けられる。

少しオーバーサイズの制服に新品の輝きを見せるローファー。一年生だろう。

「あの、セレスティーナさんですよね?」

「……はい、私がセレスティーナですが、何かありましたか?」

「その……入学式の時の挨拶、素敵でした。目を惹いて、真に届く言葉で」

「それは、ありがとうございます」

男子生徒は緊張した面持ちで告げる。

「ひ……一目惚れしました! 僕と付き合ってください!」

昨今珍しい真っ直ぐな告白。けれど、セレスは申し訳なさそうに言う。

「想いを寄せてくれたこと、嬉しく思います。けれど、私にはもう 良き人(夫) がいますので、その想いには答えることができません」

セレスがキッパリと断ると、男子生徒は肩を落とした。

「……そうですか。すみません。急にこんなことを言って」

「いいえ、自分の想いをしっかり口にできるのはとても良いことですよ」

「ありがとうございます。失礼します!」

男子生徒は足早にその場を去る。

それを見送った後、セレスは俺に対し謝った。

「すみません。カズヤさん」

「どうして謝るんだ? セレスが悪いことなんて何もないじゃないか」

「目の前で妻が口説かれるのはいい気がしないでしょう?」

「それはまあ、そうだが。セレスはきちんと断ってくれるから、安心しているよ」

「当たり前じゃないですか、私にはカズヤさんしかいませんもの」

そう言ったセレスはするりと俺の腕に絡める。

「帰りましょう。二人が待ってます」

「そうだな」

俺たちはそうして家路を辿る。

うん、今日も平和だ。