作品タイトル不明
第205話 六ヶ月検診
お花見から数日、俺たちは小児科にやってきていた。
別にどこか悪いわけじゃない。渚沙の6か月検診だ。
この検診は任意の様だが、やるに越したことはないだろうと受けに来たのである。
「それじゃあ、渚沙くんの6か月検診始めていきますね~」
この検診では身長体重以外に、ハンカチテストや寝返り、お座りなどをチェックする。
「身長と体重、胸囲に頭囲。問題ありませんね」
ずっと見ているので、あまり体感として分かりづらいが、こうして数値にしてみると、しっかりと成長しているのだなと実感する。
続いてやるのはハンカチテスト。
名前の通り、ハンカチを顔に被せて、それを自分で取れるかを確かめる。
これで、手の運動発達や認知・反射の発達状況を見ることができるらしい。
「ちょっとごめんね~」
先生がハンカチを渚沙の顔に被せると、すぐに渚沙はそれを取ってしまう。
「おお~凄いね! 早い早い!」
急にハンカチを被せさせられて嫌だったのか、若干不機嫌な顔をする渚沙。
「う~」
「ごめんなさいね。渚沙」
そういってセレスが抱っこすると、渚沙は満足そうに笑う。
続いては寝返り。
家では最早普通にやってのけているそれは難なくクリア。
むしろ渚沙は自慢げに二回三回と披露した。
そしてお座り。
両手前についた状態でも、短時間座っていられるかを確認するテスト。
こちらも家で普通にできているので、難なくクリアかと思われたが……
「あぶ~あはは!」
座ってそのままごろんと転がる遊びにはまってしまい、なかなかテストにならない。
「すみません、家では出来ているんですけど……」
「大丈夫です。よくあることですから」
渚沙が満足するまでその遊びをした後、ちゃんとテストを行い、無事通過。
「渚沙くんはまだ歯は生えてないみたいだね」
「どのぐらいで生えるものなのですか?」
「まあ、7か月くらいかな。もうすぐだと思うよ」
気になったことを聞きながら、検査は進む。
聴覚、視覚ともに異常なく、健康に成長しているとのこと。
ほっと一息つく。
「次受けるなら、10か月検診だね」
「はい、またお世話になります」
「いつでも待ってるよ」
あまり来ないほうがいい場所なんだがねと笑う先生。
そんな先生に礼を言って診察室を出る。
待合室で会計を待っていると、聞きなじみのある声が聞こえた。
「あれ?和也とセレスティーナさん?」