軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第203話 お花見そのいち

「お花見に行きませんか?」

朝、朝食を食べている時。ふと、アリシアがそんな提案をしてきた。

コーヒーを口にしながら、俺はそういえばそろそろ桜が見頃だったなと回想する。

「いいですね、お花見」

「いいんじゃないか?」

そう答えると、アリシアはパッと喜びを顔にする。

「ありがとうございます! お父様、お母様」

「お義母様たちもお誘いしますか?」

「せっかくですので、皆さんと一緒に楽しみたいです!」

「招待は二人に任せるよ」

お弁当の中身をどうしようか等々、楽しげに話す二人を尻目に、俺もまた口角を上げるのだった。

日は移り、お花見の日。

ちょうど、満開時期が重なったこともあり、周囲にはそれなりに人がいる。

河川敷に腰を掛け、皆が揃うのを待つ。

「よっ」

「遼か」

「私もいるよ〜」

「葛西さんも」

ニカっと笑う遼と葛西さん。今回はお花見ということで人が多い方が盛り上がる。そう言った計らいで二人も呼んだのだ。

「まさかアリシアちゃんからお誘いを頂くとは思ってなかったよ」

「こうした催しをアリシアから言い出すのはそういえば初めてだな」

「なんでもお友達から聞いたそうですよ」

「セレス」

「お二人とも今日は来てくださりありがとうございます」

「いえいえ、こちとら暇な学生ですから」

そう言って笑い合う。

話を聞くに中等部の学友からお花見をしたと聞き、やってみたくなったそうな。

あちらの世界にもお花見はあった。だが、その内実はいつも通りの政治の場。腹の探り合いで花どころではない。

「みんな揃ったし、そろそろ始めるか」

「そうですね!」

「ほら、グラス」

「ありがとうございます……ってお父様?」

「せっかく初めての主催だ。音頭も……な?」

「ええー!ええっと……」

少しワタワタとしつつも、アリシアは改めてグラスを持つ。

「ほ、本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。今日はこの満開の桜たちを楽しみましょう! 乾杯!」

「「乾杯」」

天高く太陽が上り、心地よい春の陽気。

楽しい日はまだ続く。