軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

閑話 再確認

春休み、計画的に課題を片付ける。

といっても、ほかの長期休暇に比べて課題の量が少ないので、それもすぐに終わって手持無沙汰となる。

「……暇だな」

「そうですねぇ、お茶でも入れましょうか」

「悪いなセレス」

屋敷には電気製品がほとんどない。それこそスマホぐらいだろうか。

10年馴染んでいなかったスマホを触るよりも本に手が伸びる。

「最近は色々ありましたから、ゆっくりするのも良いのでは?」

「それはそうだが、急に来られてもな」

アリシアは唯と共に出掛け、渚沙は両親の元にいる。

完全に二人きりである。考えてみれば最近このような時間はあまりなかったように思える。

ほっと一息つき、セレスが淹れてくれたお茶を飲む。

「セレス」

「はい?」

俺はセレスに向けて何も言わず両手を広げる。

意図を察してくれたセレスは俺の膝に座ってくれる。

「ひゃっ」

俺は座ったセレスを抱き寄せ、その肩に顔を埋める。

思いっきり息を吸うとセレスの香りが肺を満たす。安心する。

「どうしたんですか?カズヤさん」

「いや、何んとなくこうしたくて。……嫌か?」

「いえ、ちっとも。私もこうしたい気分でしたから」

そういってセレスは俺に体重を預けてくれる。

互いの体に溶け合うように、熱を交換する。

「最近こうした時間もとれていませんでしたから、嬉しいです」

「俺もだ」

「愛しています」

「どうした急に」

「いろいろありましたから、今一度示しておく必要があるかなぁと思いまして」

本当にセレスは俺の欲しい言葉を言ってくれる。

「だったら俺も。愛しているよ」

そんな時間がゆったりと流れる、昼過ぎであった。