作品タイトル不明
第182話 サティ教国の騎士
「駆けつけることが遅くなり、申し訳ございません」
「いや、気にしてないさ」
先ほどの一件から数分後、ケインがやってきてくれた。彼もまた同じく、巨大な魔力のうねりを感じて駆けつけてくれたのだ。
「サティ教国の騎士たちが再び世界平定のために力を貸してくれないかと言ってきたんだ」
「なんと……! 隊長の送還に意欲的であった国が何を今更!」
「……随分と虫の良い話ですね」
「まあ、それは終わったことだから良いんだ。それに戻らないと答えたらすぐに帰ってくれたし」
「それもまた変な話ですね。あの国がそんなにすんなりと引き下がるだなんて」
「何か思惑があるのかもしれませんが、当分星の巡りも悪く、異世界召喚なんて術は行使できないでしょう」
一つ疑問に思うことがある。
なぜ数多ある世界の中で俺たち地球がある世界にたどり着いたのだろうか。
「どうしてこの世界に辿り着けたと思う?」
「そうですね、私の時は隊長から頂いた羽飾りを触媒にして辿り着きましたが……もしかしたら、その時の魔術陣が使われているのかもしれません。……! とんだ不始末を、申し訳ございません」
「いや、気にしなくていい。だが、あまり安易に世界を跨ぐ魔術は行使されるべきではない。どうにか対処しなければな」
そんな話をしながら、念の為しばらく待機していたが、特段何も起こらず、その日は解散となった。
◇
翌日の夜。空を見上げると、3つの月。まだイースガルドと繋がっている証拠だ。
俺たちは念の為武装をして待機する。
物々しい雰囲気に動揺しているかと思ったが、なぜか唯が興奮気味になっている様子からどうやら心配は要らなそうだ。
月たちが天に昇った頃。また大きな魔力のうねりを感じた。
昨日のよりも大きく、また禍々しい。
光が治ってみれば庭いっぱいに騎士たちが並ぶ。意匠はやはりサティ教国のものだ。
「サティ教国の騎士とお見受けする! 何用があってこの異世界の地に参った次第か! 先日の言伝は聞いていないのか?」
そういうと、騎士たちはシャラリと剣を抜き、槍を構え言った。
「我らは異界に渡った神敵カズヤを打ち滅ぼすために渡った使徒! さあ我らが神にカズヤの首を捧げよ!」