作品タイトル不明
第168話 新しい風?
渚沙が快調になったことで、久しぶりに二人揃っての学校。教室に入るといつもの二人が声をかけてくれた。
「よう! どうしたんだ? ここ最近二人とも見てなかったけど」
「おはよう。ちょっとうちの子が熱出しちゃってな」
「え! 大丈夫だったの? 渚沙くんの方だよね」
「ええ、幸いすぐに熱が引いてくれたので大事には至りませんでした。昨日には回復して楽しく過ごしてましたよ」
「そっか、それは良かった〜」
こうして家族のことも気にかけてくれる友人がいることに喜びを感じながら雑談をする。
私にとってこうした雑談はほぼ一週間ぶり。何気なく感じるがそれがまた楽しい。
「そういえば聞いた? 生徒会長が変わるって」
「そうなのですか?」
「なんでも生徒会会長が引っ越しか何かでどこか行っちゃうんだってさ」
「次の生徒会選挙まであと半年はあるぞ? どうするんだ?」
「それまで副会長が代理を務めるみたい。今日全校集会があるって」
そんな話をしていると全校集会への呼び声がかかる。
体育館に集まり待っていると全校集会が始まる。
副校長先生からの話しをそこそこに生徒会長代理となる生徒会副会長が登壇して挨拶をする。
「初めに申し上げましょう! この学校の風紀は乱れている!」
……なんか毛色が変わってきたぞ?
「バイトや恋愛、元来学生というのは勉強に専念するべきなのです!」
そう宣言する生徒会副会長。
「カズヤさん、この世界の生徒会ってここまで言うのですか?」
小声でセレスがそう聞いてくる。
「いや、いくら生徒会長といえどそこまではできないはずだ」
ですよね、と頷くセレス。
ざわざわとする生徒たちに続けて生徒会副会長は告げる。
「なのでここに!全校恋愛禁止を発布いたします!」
騒めきを超えてどよめきが起こる体育館。
「なんの権利があってそんなことを言ってるんだ!」
「そうだそうだ!」
もちろん反対の声が聞こえてくる。
「反対の声が聞こえてくるのは重々承知の上です。しかし、この決定には副校長からの賛同をいただいております」
「横暴だ!」
「本来であればバイトも禁止にしたいところですが、社会として急に辞めると言うことは迷惑がかかってしまいますので、段階を踏もうと考えています。本日を持ってバイトを新規に始めることを禁止します。現状バイトをしている生徒に関しては辞める手続きに移っていただきます。再びとなりますが、学生とは勉強が本分です。勉学に励んでこその学生なのです! それでは話は以上です」
非難轟々と言える体育館の最中、生徒会副会長は颯爽と退場していく。
全く、どうなることやら……