作品タイトル不明
第152話 父娘の企み
あの一件から数日、犯行は特になく、調査も進展がない状況が続いていた。
一応登下校の間などは視線などを敏感に感じ取っているが、それらしいものは未だない。
そんな俺たちは今、別の問題に直面していた。
「どうしましょう……」
「どうしような……」
学校の昼休み、セレスが女子組と昼食を取っている合間に俺たち父娘は集まり唸っている。
その理由とは、セレスの誕生日。3日後に迫った今日、先の一件のせいも相まって準備が進んでいないのが現状だった。
「私の時にはサプライズパーティーを行っていただいたので、何か催したいのですが……」
「ストーカーのせいで大きな動きは出来ないからなぁ」
貴族では無くなった今、大々的に何かを催すのは難しい。
それに、前回アリシアの誕生日パーティーの際に、セレスはそこまでの規模を望まないと言っていた。
それを不意にするわけにもいかないので今回は慎ましやかに執り行うつもりだ。
かといって父さんや母さん、唯にこのことを伝えない訳にもいかず、期せずしてそれなりの規模になりそうなのはご愛敬だろう。
「取り敢えず、ケーキは用意するだろ?プレゼントは……」
「あたりは付けていますが、実際にみてこない事には……」
「そうだよな」
前回とは違い、サプライズという訳にはいかないことから、ある種堂々としていればいい。
けれど、渚沙もいることを考えれば自由に使える時間は少ない。
「よし、今日帰ったらプレゼントを見に行くか」
「よいのですか?外出は出来る限り抑えるべきでは……」
「セレスも分かっているだろうし……それに、たまには父娘の時間を作らなきゃな」
「お父様……嬉しいです!」
本当であれば学校が終わり次第向かいたいところだが、例の件がある。いくらセレスが強かろうが、女の子。しっかりと自宅まで送り届けなければ男が廃るというものだ。
セレスも察してくれたのか、笑顔で送り出してくれた。
さあ、久しぶりの父娘の時間だ。