作品タイトル不明
第151話 対策
「えー!?ストーカー!?」
夜、夕食の前に全員が揃ったタイミングでそのことを告げた。
「お兄たち、大丈夫なの?」
「今のところはなんとも、写真を撮られているだけです」
正直話不埒な視線を感じたら動けるように普段からしておくべきであった。
そういう後悔が後々募る。俺も平和ボケしたようだ。
「カズヤさん、そんなに気を立てないでくださいな」
「セレス……」
「渚沙が怖がってしまいますよ?」
渚沙の方を見ると、各々神妙な表情を浮かべている中、一人だけキョトンとした表情を浮かべている。
まんまるな瞳がジッとこちらを捉えて離さない。
大丈夫だよと伝えるために渚沙の頭を撫でると、和かに目を細める。
「ということなので、お三方もお気をつけて、相手はこの家もしているかもしれません」
「まあ、それだけ写真を撮っているとなると家を知っていても頷ける。けど、直接何かしてくるわけでもなく学校に写真を送るなんて、酔狂なやつも居たもんだな」
「まあ、ストーカーの行動なんてわかんないけどね」
相手がわからない以上こちらに取れる手段は警戒しかない。
「とりあえず各々気をつけてほしい。唯は俺たちと登下校を一緒に、母さんも買い物に行く時は俺たちの誰かを連れてってくれ。父さんは……職場まで車だからあれだけど、十分気をつけてくれ」
皆一様に頷く。
ああそうだ、ケインにも状況を伝えないとな。電話で彼に連絡を試みる。
ものの数コールで彼はでてくれた。
『隊長が電話をかけてくるだなんて、珍しいですね。どうかされたのですか?』
「ちょっと事件が起きてしまってな」
『何事ですか!』
事のあらましをケインに説明する。
『なんと……そのようなことが』
「だからケインには母さんや渚沙を任せる機会が増えるかもしれない。すまないな」
『何をおっしゃいますか、どういたしましょうか』
ケインの言うことはこちらからアクションを取るかと言うこと。
要は、魔術を用いた身辺警護や調査だ。
「警護は母さんたちだけでいい。調査だけ頼めるか? 前も言ったが、お前にはこちらの世界での生活があるのだから――」
『無理のない範囲で、ですよね?わかっています。何か情報をつかみ次第また連絡させて頂きます』
「悪いな、頼む」
頼れるヒトが近くにいて本当によかった。
そう思いながらこうしてまた夜は過ぎていく。