作品タイトル不明
3-15
話の内容濃すぎ。一介の元服前の子供が知って良い話じゃない。
とりあえずは吉田さんを救えて良かった。投獄されてたけど無罪放免、江戸に向かってるらしい。バカが思い付きで政治をすんな!会ったことないから知らんけど。本当にバカかどうかも知らんけど。何かしらの忖度があったかもしれないし。大体井伊家って大元は浜松の方だろ?それがいつの間にか彦根城からの「ひこにゃん」。200年以上も延々と地位を守られてる。きっとろくなもんじゃない。うん、桜田門外ノ変は止めない。知らない。雪の時期ってドラマでは描かれてる。でも日は知らない。雪も演出かもしれないし。「予言者」なんて言われたら、余計に動き辛くなるに決まってる。江川さんも後任が決まり次第、佐野さんは佐賀から向かってるらしい。電話、メールがあれば長崎まで船タクシーで迎えに行けるのに、待ってる時間がもどかしい。
そんなことよりもだ、予想してたけど考えていたよりも数段ひどい爆弾置いていかれた。過去10年分の幕府の財政状況をまとめたらしい。他人事だけど、よくまぁこんなめんどくさいことやり遂げたね。凄いわ。そして幕府の収益構造を教えてもらって、よりビックリ。てっきり各藩から「あがり」を得ているのかと思ったら全然なのね。天領地からの年貢、直轄地からの採掘、貨幣製造の差額、大都市の地代、商人を免許制にするための加盟金みたいなもん、あとは御用金という名の特別徴収を商人や藩から。
なるほどね。藩からのあがりがないからこそ、藩の財政が富むことに対する危機感。富から反旗を翻すことを無くすために、金を使わす参勤交代か。で、藩は藩で独自税制を、というわけね。まだまだ平成の当たり前がこびりついてるな。まさか幕府も独立採算制を敷いてるとは思っても無かった。その結果が年間予算の半分以上の借金なんだけど。しかも年利6%くらいで複利。72の法則知らんのかな?バブル期の住宅ローン金利と同じだぞ。
で、メインの収益が天候に左右される米。天候不順ならすぐに財政危機に陥る。それで付け焼き刃的に、改革という名の財政見直しが行われたわけか。「今日寒天食っちゃった」ってフレーズだけは覚えてる。享保、寛永、天保の順番を覚えさせられた時の記憶。祖母に背負われてた時の「テンポー」は「天保」だったわけか。相変わらず気付くのが遅すぎる。どれが誰とかは完全に忘れ去ってるけど。でもこれ、正直制度疲労だよ。人生60年時代に作った年金制度が、人生80年時代になって破綻しかけてるのと変わらない。対処療法じゃ追いつけないよ。
改革って言ったって、どうせその中身はおそらくだけど、どうやって歳入を増やすか、もしくは歳出を減らすかって程度のことなんだろう。そして急激な方針転換は軋轢を生む。
こんなこと考えるのめんどくせーー。数独解いたり和算の輸出考える方がワクワクする。おれが天才だったら、ここの人らみたいに一心不乱に勉強してるのに。しがらみがなければ逃亡したいくらいめんどくさい。
これを渡してきた勝様の真意も分かりかねる。立て直したいなのか、どう思う?なのか、潰す必要がある!なのか。それにプラスして、保身の問題もある。
誰だって自分の身が可愛い。俺だって何度も亡命考えるくらい自分が大事だ。それに加えて地位もあればどうだ。国際的に見れば間違ってる国家運営だってあからさまに分かってても、地位があるからこそ国を裏切らない、クーデターも考えない社会主義国家の独裁政権の高官みたいなもんだろう。残念ながら勝様に対し、全幅の信頼を置けない。あの人、ナルシストだし。
明治維新をただの歴史の出来事でなくリアルに感じることによって思ったのは、やっぱり人間なんだってこと。テロを起こした側からすると、成功以外に生き残る道は存在してない。失敗の先に生き残る術はない。戦後日本とは命の重さが軽すぎる。奇しくも救えた吉田さんのように。ノリで殺されかけ、ノリで助かった。
幕府の負けパターンが揃ってたんだ。覚悟ゼロ×意思統一ゼロ×当事者意識ゼロ×財政マイナス。更に慢心もマイナス要因としてあっただろう。ってとこまで考えて気付いた。今まで俺のやって来たこと、攘夷派の勝ち筋消してないか?
長崎への武器輸出をオランダに禁じた。言語的優位性は、間違いなくオランダがまだ強い。だからこそオランダは日本には大してビビってはない。でも、他国にはビビってる。おそらく世界での序列。こちらの要望ではなく他国の目を気にして、出し抜こうとはしてない様子。武器が手に入らなければ、坂本龍馬は薩長同盟を結べない。攘夷を先導する薩長同盟がなくなる?
また現実逃避してしまった。そりゃしたくもなるよ。最後の言葉、子供に託すものじゃないもん。
「明後日の晩、無理を言ってご老中を我が家にお招きした。そこに同席しろ」