軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3-10

side 佐久間象山

なんと失礼な!三顧の礼を知らんのか!!断りお願いし断りお願いし、最後きちんと京都まで来て頭を下げる。そこまでが一連の流れだ。そこからの「そんなに請われるなら仕方ない」だろうが。そんなことも分からんのか。悔しいが一応念のため「本当に良いのか?」と聞いてやったのに「必要ない。京都で励め」だと?こんな屈辱を受けたまま、京都にのこのこ居られるわけがない。勝の後ろにいるのは誰だ?またあの小僧か?箕作か?内田か?誰でも良い。頭下げさせてやる。

だがあのめんどくさい契約、あれはまだ生きてるのか?もう知らん。勝の元へ行くだけだ。小僧に会う目的ではない。知らぬ存ぜぬで押し通そう。いやいや、アイツは執念深いヤツだ。念のため持って行こう。はぁ、佐久間象山の名をなかなか再興出来んな。どうしてこうなった?

明日、ようやく面談がかなった岩倉何某と会ったら、松代へ一旦寄って湯の花掬って、江戸へ向かうとしよう。公家ってのは本当に時間ばかり掛けやがって。

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地震のゴタゴタで江戸を去ってった人のリストを勝様に渡した。ヘッドハント候補。地元の藩で燻らせておくのは勿体ない。調所の方がきちんとした能力の使い方ができるはず。家の都合かなんかで動けないなら仕方ないけど。特に欲しいのは3人。長岡の河井さん、佐賀の佐野さん、幕府からの指示で現在は下田の出島の管理をさせられてる江川さん。特に江川さんなんか、やってることただの通関士。天才には天才にしか出来ないことをやらせるべきなんだ。勿体ない。普通の人の尺度で考えることこそ、天才の無駄遣い。

なんか天才たちに囲まれて感覚がバグってきたけど、天才が雑に扱われることがどんどん許せなくなってきてる。生まれで義務が勝手に発生してるのに、権利がないことが許せない。平成から令和では「義務を果たさず権利だけ主張するバカ」が多い印象だったけど、ゆとり世代、Z世代の価値観に困惑することはあったけど、やっぱり何事もバランスが大事だよ。きっと守旧派が抱え込んでる、雑に扱われてる天才たちがまだ埋もれてるんだろうな。それに、あくまでも洋書調所は表向き「蘭学の」天才しか集められない。国数英理社の5科目で考えた時に、英語で数学、英語で理科を学んでる。一点突破型の天才は拾えない。実に勿体ない。こんなこと考える俺は何様だって感じだけどね。あえて考えないようにしてるけど。

横須賀は基地と学校。どういう構造のスペースが機能するか分からない。特に学校は。だから3パターン用意した。調所式の車座、大学の講義室形式、もう1つはわざと大きさの違うバラバラの机を発注。でも組み合わせるとひとまとめになるようにしてみてって依頼したら、わざわざ絵師の所に行って素案を出してくれた。

面白い。まるでパズル。騙し絵みたいな浮世絵も存在するんだから、絵師からすればこんなオーダーお茶の子さいさいなのかも。作り方を聞いたら、曲線が絡む物は一枚板からの切り出しではなく、何枚も使って組み合わせるってことだったから、端材が多く出るってことでやめといたけど。個人的には大小の勾玉組み合わせると大きな円になるなんて美しくて好きだけど、やめといた。端材は無駄。最終的には2パターン。正六角形のパターンと台形のパターン。

画一的な方が効率は良い。でもそれはあくまでも対象が、世の大半を占める普通の人の場合だと思う。天才には刺激を与えた方が絶対に良い。天才への刺激のために、優秀な人には犠牲になってもらおう。逆に基地は画一的な作りにしちゃえば良い。今回優秀な人を集めることによって、一定数いたであろう取りこぼしてた天才を掬える可能性が出てきたのは、地味にデカい。優秀なふりをすることを覚えた天才。これを拾える。箕作様や友さん、杉先生なんかは、どちらかと言えばこのタイプ。以前の選別だと、破天荒、型破りタイプだけ。多少社会性を身に付けちゃった天才が落ちてた可能性は否めない。杉先生と橋本さんには是非ともそれを見極めて拾い上げて欲しい。

人が増えるってだけでワクワクが止まらない。予想もしてない化学反応をもっともっと起こして欲しい。反射炉も完成が近い。いつの間にか輻射熱の計算も終わってた。さすが友さん。あとは職人たちが計算通りに加工するだけ。反射炉と海軍学校、どちらが早く完成するかな。そろそろ錆びた鉄屑集めの仕組みを考え始めないと。まずは咸臨丸を溶かすのは決定だけど。勝様は反対してるけど、思い出だけのためだけにあんな錆び錆び軍艦置いとくことこそ無駄の極み。限りある資源とスペースは有効活用しなければ。

勝様が何から叶えてくれるのか。それ次第で色々流れが変わりそうだ。あまりにも動かないなら、アメリカ行きたければ自分で勝手に行けって脅せば効き目あるだろうし。