作品タイトル不明
閑話 ユリシーズ2
「で?勝てそうか真司」
俺と晃以外にいない部屋で晃がそう言って来たので俺は口を開く。
「判らん、もしかしたらやばいかも知れん、一応逃げる用意だけはしておいてくれ」
俺がそう言うと晃が溜息をつく。
「せっかく7年掛けて育てた組織なんだけどな」
晃の言葉に俺も苦笑する。
「まあな俺とお前がこの世界に来た時に面白がって勢いで作った組織がまさか此処まで大きくなるとは思ってなかった、まあ今回キルアスキルが潰されても俺とお前がいれば新しい組織は出来るさ」
そう言うと晃がニヤリとしながら頷く。
「が!その前に一応足掻いてみようぜ?せっかく貴族って言う立場があるんだから使わなきゃ損だろ?」
「だな!暇つぶしには丁度いいから楽しもうぜ」
俺と晃はこれから何をする・・・そしてヤバくなった時にどうするかを決めた後に大軍相手の策を実行する事にした。
初手として使者を送って時間を稼ぐつもりだったのだが使者が敵軍に向かって行ってすぐに予想もしなかった事が起きた。
「大変です!!」
そう言って慌てて入って来た衛兵が真っ青な顔で信じられないような事を言い始めた。
「入場門が吹き飛ばされました!!」
何を言って来たのかが理解できずに固まり・・・言おうとは思っていなかったのに自然と口から言葉が出た。
「は?」
何を言っているのだコイツは?あの門が吹き飛ばされた?
「それと!!ユリシーズを守る防壁が5ヶ所破壊され敵が侵入し始めています!!もうすでに街の中は戦場となっています!!!」
は?あの防壁を破壊?敵が侵入し始めてる?俺達は籠城戦に持ち込むはずだったのに?はっ!
「ナンバーズや衛兵達は何をしている?」
その言葉に知らせに来た衛兵は真っ青な顔のまま口を開く。
「すでに戦っています!晃様も数を減らしてくると言って戦っておられます」
アイツも行ったか、だがこれではユリシーズが落ちるのは時間の問題になる・・・・仕方ない!
「俺も出る!愚か者たちに思い知らせてやる!!」
俺の言葉に衛兵は感動したように見て来るが誰が戦うか!!館を出て戦う振りをして逃げてやる!!命あっての物種だ!晃を探して一緒に逃げる!!
「お前は仲間の元へ戻り力を合わせて防衛せよ!!」
「はっ!」
俺の言葉に敬礼をしてから衛兵が走ってでていった。
それを見送った後に俺は執務室にある隠し金庫に向かいしまっている金や宝石をかき集めて【アイテムボックス】に放り込み忘れ物は無い事を確認し館を出た。
「ん?」
館を出てすぐに大きな黒ヒョウと少し大きめの犬を引き連れた15歳位の子供と女騎士と鉢合わせした。