作品タイトル不明
閑話 皇帝の策
帝国の象徴ともいえるアクセリア城の一室にこの国の首脳陣が集まり真剣な顔で俺に視線を向けていてる。
「それでこの招集は何事ですか陛下?」
俺の妻・・・・リリアがそう訊ねてきたので俺は真剣な顔で口を開く。
「先程魔導師殿の実力を見せてもらって来た」
俺がそう言うとリリアが納得したような顔になり口を塞ぐ。
「それで今回集まってもらったのは幾つのかの事を決めてしまおうと思ってな」
俺がそう言うと参加している全員が首を傾げる。
「まずは・・・そうだな・・・この報告書の事に関してだ」
参加者全員の席に置いてある資料を手に取りそう言うと全員が事前に読んでいたであろう資料に目をやる。
「この報告書にある組織・・・キルアスキルに関してだ」
そう・・・俺が手に取った資料はユリアン率いる遺跡調査隊が齎したキルアスキルに関する報告書だ。
「この報告書にある【サモンズゲート】と言う【魔法】もそうだがこの盗賊に【魔法】を教えた者がキルアスキルに存在する事が書かれているであろう?」
俺の言葉を聞き騎士団を纏めるディアックが口を開く。
「前々から捜査はしているのですが結果が出ておらず申し訳ございません」
その言葉に俺は首を左右に振り話を続ける。
「別に責めているのではない、今回フローリアの【魔法】を見てキルアスキルに関する事の考えを改めねばと思ったのだ」
確かに今の時点でフローリアや報告書に上がって来ている盗賊とキルアスキルに存在している魔導師しか使えないかもしれない・・・・が!【魔法】を教える事が出来る人物が犯罪組織に居る以上最悪の事を考えねばならない。
「今後キルアスキルの危険度は最大・・・国に脅威を与えるものとし調査せよ、それに関する費用はいくらかかろうが構わん、良いな?」
参加者全員が頷くのを見て話を続ける。
「それと今まで遺跡で見つかり保管してある物を再調査してくれ、もしかしたらニーズヘッグのように『使える』物があるかもしれん」
フローリアの説明ではニーズヘッグは術者の負担軽減と威力強化の役割を持っていると言っていた。
ならば今まで見つかっている『遺物』と呼ばれる遺跡で見つかった物にも何かしらの性能がありそれが使えるかもしれないのだ、調べない手はない。
「それに関して我々が調べるという事でいいでしょうか陛下?」
面白そうと隠す気も無いのか目を輝かせてそう聞いてくるオリアニアに俺は頷き話を続ける。
「頼む、だかほどほどにしておけよ?」
「勿論です」
本当にわかってるのか?とは口にはせずに頷き話を続ける。
「そして最後に・・・我が国の魔導師殿に関してだ」
俺の言葉にリリアとオリアニアが首を傾げる。
「陛下?フローリアが何かをしたのですか?」
リリアがそう声を掛けて来たので俺は首を左右に振る。
「何もしておらん・・・・が、今回の【魔法】を見て思う所があってな」
その言葉に全員が不思議そうな顔で俺の言葉を待つ。
「もしあの力がこの国に向けられたら・・・と思い首輪を付けておいた方が良いと思ったのだ」
首輪・・・つまりはこの国に手を出さないように何かしらの誓約・・・もしくは婚姻を結ばせこの国に敵対しないようにさせる・・・・・・・単純だが効果はあると思う。
これまでフローリアとは何度も話をしその人となりは理解して、フローリア嬢が帝国に牙を向けるとは考えにくいが確実とは言えない・・・だからこその保険ともいえる。