作品タイトル不明
閑話 皇后の提案
私は陛下の話を聞いて深い溜息をつく。
「陛下・・・・それはいけません」
私がそう言うと陛下が真剣な顔で私を見て来たので私は話を続ける。
「あの子はこの国に力を向ける事は無いでしょう、それは陛下もお分かりのはずです」
私がそう言うと陛下が真剣な顔で頷く。
「わかってはいる・・・・が、確実にとは言えぬ・・・俺はこの国を守る者として『もしも』にも備えねばならん」
まあその言持ちは判ります、そんな貴方だから私は支えるのです。
「ですが政略結婚なんて話を進めたらあの子はこの国を出て行ってしまいます、それは帝国にとってとても大きな損失となりましょう」
断言しても良いがあの子は権力にもお金にも靡く事は絶対にない、そして嫌な事を無理強いさせようとすればあの子はこの国を見限って他の国へと行ってしまうだろう。
私の言葉を聞き陛下が溜息をついた後に口を開く。
「ではどうしろと?俺個人としてフローリアを疑う事は無いが、もしもの事が起きた時に何もしてなかったでは無能としか言えぬ」
私はその言葉に微笑む。
「いいではありませんか、その時は私も一緒に無能と呼ばれますわ、それにフローリアにはセレーヌが鈴をつけているので何かあればわかりますわ」
ディアナやあの子のお世話係としてアグリに一緒に行ったルルナと言う女性が何かあれば知らせてくれるはずだ。
「ふむ・・・・・・」
私の言葉に考え込む陛下を見て私は話を続ける。
「ではこの城に保管してある『遺物』を全て渡たす・・・というのはいかがでしょうか?きっと政略結婚より効果的だと思いますわ」
あの子は言い方は悪いが『研究馬鹿』と言っても過言では無いので研究対象を渡せば国に対して変な気は起こさない筈だ。
「そんな!!なんてご無体な事を仰るのですかリリア様!!!」
私の提案に陛下が考え込み『遺物』の再調査を楽しみにしているオリアニアが悲しそうにそう言って来たので私はオリアニアに微笑みかける。
「この提案が一番陛下の不安を払拭できる提案だと思うわ、それに貴女は再調査に参加できる時間があまりとれないでしょう?」
「それは・・・・」
言い淀むオリアニアに私は微笑む。
「貴女が時間があれば『無詠唱』を取得できるように頑張っているのを私が知らないと思った?余り頑張りすぎて倒れられるのは国としても困るから暫くは『無詠唱』の習得に専念なさいな」
本当にオリアニアは頑張り屋なんだから。
「わかりました」
まさか私が『無詠唱』習得の為に研究しているのを把握していると思ってなかったようで驚きながらも納得してくれた。
「その提案を採用する」
思考の海に沈んでいた陛下がそう言って来たので私も頷く。
「ですが今渡すのはよした方が良いでしょう、遺跡調査に出向くのですから荷物にしかなりませんし」
さらなる提案に陛下も頷く。
「ですのでフローリアに出発前に『調査から戻ったら褒美として渡したいものがあるから楽しみにしておけ』とでもお伝えください」
こうすればフローリアも更に張り切って調査してくれるだろう。
「なるほどなぁ・・・その案で行こう、それとリリア」
「何でしょうか陛下?」
すっきり顔の陛下が私を見てニヤッとしながら私を呼んだので首を傾げ陛下を見ると陛下がニヤニヤしながら話を続ける。
「フローリアを食事に誘ったぞ」
あらあら!!
「それはとても楽しみね」
さて今度はどんな話が聞けるのかしら?