作品タイトル不明
この料理を気に入ったのは私だけじゃなかったよ!!
揚げカツと言う料理をお替りまでして堪能して食後のお茶を飲んでいるとこの店の主人・・・ふくよかなおば様がニコニコしながらキッチンから出て来た。
「いい食べっぷりだったねぇ」
「初めて食べる料理でとても美味しかったからつい」
私の言葉を聞き嬉しそうに目を細めて微笑むふくよかなおば様・・・リンドアさんは自分の作る料理を褒められて嬉しそう。
「帝都でも食べた事のない料理だったけどクッテラーナだけでしか食べられないの?」
私の質問にリンドアさんが何故か照れたような顔になり視線を逸らし、それを見た髭もじゃがニヤリと笑う。
「揚げカツはリンドアが考えたんだがその美味さに瞬く間にクッテラーナに広がってこの街の名物になったのだ」
「え?普通に凄いじゃん!!」
自分の考えた料理が広まり街の名物になるとか本当に凄いんだけど!!
「別にすごくはないだろう?作り方も単純だし」
視線を逸らし顔を真っ赤にしながらもそう言ってくるリンドアさんを見ながら私だけじゃなくてここに居る仲間全員が思った事だと思う・・・・・照れながら話すリンドアさんって可愛い!!って!!
「単純ってただ肉を油で揚げるだけであんなに美味しくなるの?」
私の問いにリンドアさんは真剣な顔で首を左右に振り口を開く。
「その前に解いた卵をくぐらせて硬いパンを削って出来た粉をまぶしてから揚げるのよ、そうすれば外側がサクサクして噛みしめると肉汁が溢れる揚げカツが出来る」
単純と言うけどこの料理を作り上げるまでに色んな事を試したと思うんだけどその事がどれだけ大変で凄い事かは私もわかるつもりだ・・・だって【魔術】の研究も同じような物だからね!!
「これは調査が終ったらもう一度食べに来てもいいね」
私がディアナを見ながらそう言うとディアナも頷く。
「私もその提案はいいと思うわ、この揚げカツ・・・でしたか?何度でも食べたいわ」
良かった!この料理を気に入ったのは私だけじゃなかったよ!!
「まあ気に入ってくれてよかった、連れて来た甲斐があるってもんだ」
揚げカツを気に入った私達を見て髭もじゃがニコニコしながらそう口にしたのでレラがニコリと微笑む。
「本当に美味しかったわ、これでさっきの件の事は問題なしって事で」
うんうん!こんなに美味しい店を紹介してもらえればお礼になるよね!!
「そう言ってくれると嬉しいぜ、あ!食事代は俺が出すから気にするな」
へ?おごりって事?と思っているとレラが首を左右に振る。
「お代は自分で出すわよ?」
その言葉に髭もじゃがニヤリとしながら口を開く。
「俺が出すと言っても後で経理に請求するから大丈夫だ、なにせクッテラーナの民を助けた恩人たちの食事代だ、喜んで出してくれるさ」
あ!なるほどね!ならおごってもらってもいいのかな?と思いレラを見てみるとレラも納得したように頷いていた。
「そう言う事ならごちそうになるわ」
髭もじゃが『うむ』と言ったあとにリンドアさんにお代を払いそのまま外に出る。
「それじゃあここで、クッテラーナを楽しんでくれ」
「ありがとう」
私達が其々に髭もじゃにお礼を言うと髭もじゃは嬉しそうに頷き人波に紛れるように歩いて行った。