作品タイトル不明
ならもっと喜んでもらおう!!
3年前は【無詠唱】を完全にモノにしたくて【アンダーグラウンド】に6か月潜ってその後にギルドに倒した魔物を売ったんだよね。
確かにあの時もギルド全体が大騒ぎしてたような・・・・・・気がする!!
両頬を左右に引っ張られながらあの時の事を思い出していたらセスナさんが笑顔のまま口を開く。
「あの時はギルド員全員が休暇返上と残業で対応して・・・本当に戦場だったわ・・・まさかまた戦場に駆り出される事になるとは思わなかったわ」
あれ?笑顔のままなんだけど眼の光が消えてるよセスナさん?
「まあでもほら今回もグランドドラゴンもあるからギルドとしても嬉しいんじゃないかな・・・と思うんだ」
「「は?」」
おお!強面マスターとセスナさんがハモった!!同じ職場で働いてるから息ピッタリになるのかな?
「今回潜った時に襲い掛かって来たから倒したんだよ、あ!その他に高く売れそうな魔物もたくさんあるよ?でもそんなに大変なら後にしようか?」
私がそう言うと強面マスターが怖い顔を顰めながら口を開く。
「そんな訳にはいかないのを知ってるだろう?【アンダーグラウンド】は当たりのダンジョン・・・あそこに出てくる魔物の素材は全て一級品なんだよ、今お前が大量に持ち込んだとここに居る全員が知るって事は商人の耳にも入るって事だ」
まあそうなるよね。
「今回はグランドドラゴンも持って来たんだろう?滅多に入らない物を持って来たんだ商人達は目の色を変えて買い付けに来るぞ?それを後回しにするとか商人に喧嘩を売っているようなものだろうさ」
そういう考えもあるのかな?まあ私はただ倒した魔物をギルドに持ち込んでるだけだから関係ないけど!!と思っていると強面マスターが私を見ながら口を開く。
「解体場で全部出せ、あそこに収まりきらなければ保存室に放り込んでおくように・・・それとギルド員全員これから忙しくなることを覚悟しておけ」
それを聞いた受付嬢達が机に突っ伏した。
私達はそのまま解体場に向かい見知った顔が見えたので口を開く。
「リックさん久しぶり」
そう声を掛けると魔物を解体していたリックさんが手を止めて視線をこっちに向けて口を開く。
「なんだ帰って来たのか嬢ちゃん」
リックさんは私の事を知り合ってからずっと『嬢ちゃん』と呼んでくれてるんだよね、他の皆も【首狩り姫】じゃなくて【嬢ちゃん】呼んでくれないかな?そのほうが可愛いし!!ってそんな事の為にここに来た訳じゃなかった!!
「リックさん今日は【アンダーグラウンド】で狩って来た魔物を持って来たんだよ」
ここに来た理由を話すとリックさんは嬉しそうな顔になり口を開く。
「そりゃ嬉しいな!嬢ちゃんがもってくる奴は全部状態がいいから俺達は楽に解体できるからな!で?何を持って来た?」
魔物を持って来て喜んでもらえるなら嬉しいね!ならもっと喜んでもらおう!!
「グランドドラゴンとかかな?」
まあ他にもいっぱいあるんだけどね!!と思いながらそう言うとリックさんが更に嬉しそうな顔になり口を開く。
「グランドドラゴンか!!それは腕がなるってもんだ!!」
おお!喜んでもらえたようで何より!!
「その他にも色んな魔物を持って来たよ!」
私がそう言うとリックさんが笑顔のまま口を開く。
「ほう!さすが嬢ちゃんだな!でどんな魔物を持って来た?」
「狩りすぎて覚えてない」
「は?」
解体場で私とリックさんは見つめ合ったまま固まった。