軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

134 弟子たちとの情報交換

ロゼッタに気づくと、ローズは食事を中断して大喜びで姉に抱きつきに行く。

ひとしきり再会を喜び合ったあとローズから話を聞いたロゼッタは頭を下げた。

「ウィルもサリアも、ローズと一緒に泊まってくれてありがとうね」

「いやいや、気にしないでくれ。託児所でのサリアの様子を知れたから俺も良かったよ」

「さりあもたのしかった!」

「それでもありがとうね」

何度も何度もお礼を言われた。

そこまでしっかりお礼を言われると逆に恐縮してしまう。

その後、ロゼッタも一緒に朝ご飯を食べていくことになった。

朝ご飯をこぼしたサリアの口を拭きながら、俺はロゼッタに尋ねる。

「ロゼッタ。あれからどうだった?」

昨日、俺とレジーナは、一緒にルーベウムに乗ってゼノビアの元へと急いだ。

ディオンも、俺たちと比べて少し遅くなったが、ドゥラに乗って王都へと急いで帰ってきた。

そしてロゼッタは、アルティとティーナと一緒にそのままワイバーンに乗って帰ってきたのだ。

「こっちは平和なものだったよ。ウィルは大変だったんじゃない?」

「まあな。結構大変だった。今日もこれから総長室でミーティングだ」

「そっかー。あたしは、今日一日休みだよ。お師さまが疲れただろうって」

お師さま、つまりロゼッタの師匠は勇者レジーナである。

託児所に来る前にあいさつに行ったのだろう。

「アルティたちも、今日はお休みなのか?」

「そうだね。体を休めるのも大切だって。訓練も禁止なんだ」

ここ数日、ロゼッタたちはかなり激しく体を動かしている。

ドゥラとの試合に、子竜たちとの遊び。

ワイバーンの背に乗っての移動も体力を使う。

疲労がたまっていてもおかしくはない。

「ウィルが総長室に行っている間、あたしがサリアちゃんとルンルンみてようか?」

「いいのか?」

「うん、もちろんだよ。サリアちゃんはどうかな? おねーちゃんと一緒に遊ぶ?」

「あそぶー」

サリアが嬉しそうに返事をする。

俺はロゼッタにサリアとルンルンのことをお願いすることにした。

俺も総長室での用事が終わったら、サリアたちとすぐに合流したいものである。

朝ご飯を食べ終わると、俺はルンルン以外の神獣たちと一緒に総長室へと向かう。

ちなみに人神の神霊フィーは、朝ご飯をものすごい勢いで食べると、またすぐに眠った。

昨日の魔人との戦いで、フィーからは魔力をかなり融通してもらった。

だから、フィーは疲れ切っているのだろう。

「お疲れさま。ゆっくり眠っていいよ」

「くぅー」

俺はフィーを自分の懐の中に入れて、優しく撫でておく。

フィーはシロやフルフル、ルーベウムと比べても、一番消耗していそうな感じがする。

なるべく長い間、食っちゃ寝させてあげたいものだ。

総長室に到着すると、俺の弟子たちは四人とも揃っていた。

ゼノビアがまっすぐに俺のもとへと駆け寄って来た。

「師匠、朝早くからありがとうございます」

「ゼノビアもお疲れさま。帰って来たばかりだろう?」

「いえいえ、私は全然大丈夫です! 若いので!」

「そ、そうか」

ゼノビアはエルフなので外見年齢と肉体年齢は若い。

だが年齢自体は百三十歳ぐらいだ。若くはない。

俺は少し考えて、年齢には突っ込まないことにした。

俺はいつも座っている長椅子へと向かう。

先に座っていたミルトの隣にゼノビアが座ったので、俺はミルトの正面に座る。

すると、すぐにディオンがお茶とお茶菓子を出してくれた。

「ありがとう。ディオン」

「いえいえ。気にしないでください」

そういって、ディオンは俺の横に座る。素早くシロがお菓子を咥えるとディオンの頭の上に登っていった。

そしてディオンの頭の上でお菓子をむしゃむしゃ食べる。

朝ご飯を食べたばかりだというのに、まだシロはお菓子を食べたいらしい。

「シロ。お菓子のくずがディオンにかかってるぞ」

「めえ?」

「師匠、私は構いませんよ」

そういって、ディオンは楽しそうに微笑んだ。

そのとき、俺は後ろからわきの下に手を入れて持ち上げられる。

俺を抱え上げたのはレジーナだ。

「師匠が来る前に、一応おれたちの間での情報共有はしておいたよ」

そういいながら、自然な動作で俺を後ろから抱きかかえて、レジーナは椅子に座る。

「そうか、情報共有済みか。それなら話が早いな」

「そうだねー」

レジーナは、ひざの上に乗せた俺の口へと、お菓子を運んでくる。

「師匠、おいしい?」

「お? おお……。ありがとう」

朝ご飯を食べたばかりなので、お腹はすいていない。だが、せっかくなので食べた。

味はすごくおいしかった。

「いっぱい食べて、大きく育つんだよ~」

俺に対する態度が、昨日より幼い子供に対するものに変わっている。

レジーナはそういう気分なのだろう。

仕方がないので、レジーナの手からお菓子を食べさせて貰う。

自分の師匠が幼児扱いされているのを見ても、ディオンは動じない。

頭にシロを乗せたま、真面目な表情で語り始めた。

「まず整理させていただきますね」

「頼む」

「今回の襲撃は、テイネブリス教団によるものです」

「まあ、そうだろうな」

ディオンは、ほぼ確定情報だったことも、省略せずに丁寧に説明してくれるようだ。

こういう時はその方が助かる。

「はい。そして、敵戦力ですが合計で、獣の眷族一匹と魔人十六匹」

「……多いな」

そう聞くと、かなりの数だ。

テイネブリス教団の本気を感じられる。

「しかも魔人十六匹のうち四匹は獣の眷族に変化しました」

「変化したという意味では、魔人十二匹と眷族五匹と数えた方がいいかもね!」

レジーナは俺の口にお菓子を運びながら言う。

そして、ミルトが魔人のコアを、魔法の鞄から取り出して机の上に置いた。

そのコアは俺が倒した魔人のコアだ。

「師匠。注目すべきは、このコアです」

そう言ったミルトの眉間には深いしわが寄っていた。