軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

135.探し始める。

アルギリスを探すため、記憶装置のある空間に来た。

この場所なら、何かあったとしても周りに被害が及ぶことは無い。

アルギリスの力は未だに不明な点が多い。

ただし分かっている事が1つある。

それは、世界を越えるという事だ。

空間に入ると、明るい日差しと色とりどりの花が目に入った。

最初の頃に比べると、この空間も随分と変わったよな。

最初は、駅前の本屋を真似て作ったっけ。

それを少しずつ変えていき、今の建物はレンガ造りだ。

建物の周りは色とりどりの花が咲く庭になり、少し離れた場所には湖もある。

その湖までの道を桜並木に変えたのは、少し前だ。

想像した通りの出来に、かなり満足している。

建物の中に入ると、大きな記憶装置が目に入る。

今も起動しているため、僅かにウィーンという音が聞こえた。

次に気になるのは、以前だったら綺麗に並んだ本棚だったかもしれない。

でも今は、必要な数の本棚しかなく、2番目に場所を取っているのは休憩場所だろう。

大きな窓からは、湖と庭が見え。

大きめのソファは体が包まれるようで、ゆっくりくつろぐことが出来る。

まさに、理想を詰め込んだ場所だ。

「さてやるか」

今日は、記憶を確認に来たわけでも、休憩に来たわけでもない。

神国のどこかにいる、アルギリスを探しだすためだ。

一応、神国と同じように魔界も見通せるのか確認する必要があるだろう。

まぁ、おそらく出来るだろう。

そう確信を持てているのが、不思議なところだ。

休憩スペースにあるソファに深く腰を掛けて、背もたれに体重をかける。

目を閉じて、サブリーダーを思い出しながら何処にいるのか考える。

数秒後、見た事が無い家の前に立ち、指示を出しているサブリーダーの姿が思い浮かんだ。

「パネルに転写」

浮かんだ映像を、パネルに映し出すように魔法を発動。

目の前の空中に、パネルが現れ。

そこにサブリーダーが映し出された。

「今は、魔族達の家を作っている最中だと言っていたよな」

パネルに映し出されたサブリーダーの周りには、アリ達と魔族達の姿があった。

その奥に、岩で出来た家が見えた。

結構な数の家が既に完成しているようだ。

「それにしても、サブリーダー達は何をしているんだ?」

サブリーダーと魔族だろうか?

紙を覗き込んで話し込んでいる。

周りのアリ達も、その様子を見ながら周りとコンタクトを取っているようだ。

「あの紙には、何が書かれているんだろう?」

ん~、この角度からだと内容は読めないな。

見えないとなると、見たくなる。

「まぁ、ちょっとぐらいなら……」

覗くのは少しだけ後ろめたいが、見るだけだから……きっと大丈夫のはずだ。

空中に浮かぶパネルに手を伸ばし、見えている角度を変える。

「あれ? そっちに向いて欲しいわけじゃないんだが」

思ったように動かす事が出来ず、慣れるまでに少し時間がかかる。

それでも何とか自由に動かせるようになったので、サブリーダーが持つ紙の内容を確認出来るように調整する。

「えっと……魔界王城周辺の道路の計画書?」

どうやら家の次は、オウ魔界王が住む城の周辺に道路を造るようだ。

「あっ。別の紙になった。えっと、魔界王城周辺の商店街計画書?」

どうやらサブリーダーは、魔界を発展させたいみたいだな。

2つの計画を実行するとなると、当分は魔界に掛かり切りになるだろう。

まぁ、元気ならそれでいいか。

パネルの映像を、少し遠くからのものに変えると大きな木が見えた。

あれが、オウ魔界王が話していた魔界で見つかった種から育った木だな。

確かに、かなり大きな木だな。

「よしっ、魔界は問題なく見る事が出来る、と。……オウ魔界王も確認出来るのかな?」

世界の王を、こっそり覗くのは駄目だよな。

でも……ちょっと気になる。

ん~、チラッとだけだから。

空中に浮かぶパネルに手を触れ、オウ魔界王の姿を思い浮かべる。

パネルの中の映像が少し歪むと、オウ魔界王が映し出された。

「出来た! あっ!」

が、すぐに映像は途切れパネルも消えてしまった。

「やっぱり世界の王を、無断で見るのは無理だったか」

まぁ、当然の結果だな。

「オウ魔界王は無理だったけど魔界は問題なく見られると。これで、今日の目的は1つ完了。次は、アルギリスだな」

アルギリスの力が閉じ込められている魔石を、ポケットから3個取り出す。

3個の魔石を手の中で転がすと、結界で覆う。

結界内で、それぞれの魔石から少しだけ力を取り出す。

目を閉じ、取り出した力をゆっくりと自分の中に取り込んでいく。

「これがアルギリスの持つ力か」

知っているようで、知らない力が3つ。

一番強いのは呪力に近い力のようだ。

「この力を探せばいいんだよな」

感じた力を持つアルギリスの姿を思い浮かべて……。

「駄目だろう。俺は、アルギリスの姿を知らないんだから」

それに奴は既に死んでいる。

生前の姿が分かっても、意味が無い。

「分かっている力から、探すしかないか」

でも力を探すとなると、神国に俺の力を流す必要がある。

この方法は、呪界以外では使いたくないんだよな。

「俺の力が、どう神国に影響するか全く分からないからな」

呪界だけでなく魔界も神国も、強い力に影響を受けやすい事が分かっている。

そして俺の力は、創造神や魔界王より強い。

この場合、必ず俺の力は神国と魔界に影響を及ぼしてしまう。

でも、他に探す方法は思いつかないし。

よしっ。

影響があったとしても、今一番大切なのはアルギリスを探す事だ。

影響については、問題が出てから考えよう。

「成功するとも限らないしな。まずはやってみよう」

神国全体に俺の力がゆっくり広がっていくイメージを作ってから、実際に力を神国に流していく。

「神国は広いんだな。ははっ……これは、考えていたより大変だ」

神達が星を沢山作ったため、調べる星が多いし。

神や神族が認識していない闇は、想像よりあちこちにあるし。

これは、……終わりが見えない。

「そうだ! 神国の隅から調べていこう」

闇雲に力を広げて調べるより、端から順番に調べていく方がいいだろう。

神国の隅を想像すると、パネルが暗闇を映し出した。

「これが神国の隅?」

パネルに映しだされている暗闇をみていると、何かが見えた。

「暗闇の中に……星か?」

あぁ、この暗闇は結界だ。

星に住む何者かが、星を隠すために暗闇を使っているのか。

落ち神とその仲間から隠れている神や神族がいると聞いていたけど、この星に住む者もそれなのかな?

「アルギリスの事が解決したら、隠れている者達がいる星の移動を始めたいな」

創造神から許可をもらったのに、今は出来ないからな。

「はぁ。一日でも早くアルギリスを見つけよう」

まずは、その存在を捉えないとな。