軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

11.それは無理。

道を選んで4回目。

魔石から感じる俺の魔力はだいたい40%で、60%が他の者の魔力のようだ。

まだ俺の方が少ないのに、どんどん分かりづらくなってきた。

俺の魔力は、それほど自己主張が激しいのか?

「主の力はとても澄んでいて綺麗なので、他の者の魔力を覆い隠してしまうんです」

そうなんだ。

特に気にした事は無いけど、この場所ではとても迷惑だな。

「最後です」

よっしゃぁ。

「えっ? 道が10本?」

随分と多いな。

まぁ今までのように、俺の魔力の中に他の魔力を探せばいいから大丈夫だろう。

「はい。これは我々一つ目の最高傑作です」

えっ、最高傑作?

魔石に魔力を混ぜる事が?

……まぁ、魔石を調べれば分かるだろう。

まずは一番右……俺の魔力だけだな。

もう少し詳細に……これは俺の魔力だけだ。

あれ?

もしかして正解を見つけたのか?

でも、リーダーの言葉が気になる。

「最高傑作なんだよな?」

「はい」

他の魔石も調べるか。

右から2番目……あれ?

これも俺の魔力だけだ?

どういう事だ?

右から3番目は?

これもだ……全部を調べよう。

「おかしい。全ての魔石から、俺の魔力しか感じられない」

リーダーが嘘を吐くわけがないから、絶対に魔石には他の魔力が混ざっているはずだ。

それなのにどうして、それを感じる事が出来ないんだ?

そういえば、俺の魔力は「他の者の魔力を覆い隠してしまう」と言っていた。

それって、俺の魔力の割合が多くなったら、完全に隠してしまうという事か?

「リーダー。この10個の魔石に入っている魔力の割合は?」

「主の魔力が99%で、他の者の魔力が1%です。主の魔力が99%だと、1%の魔力を消滅させてしまうので消滅しない1%の魔力を探すのが大変でした。ちなみに1%の魔力は龍達の魔力です」

リーダーたちは、正解させる気が全くないんだな。

俺の魔力が40%でも、凄く分かりづらくなっていたのに99%なんて無理だろう。

でも、ここで負けるのは悔しいな。

龍達の魔力なら馴染みがあるから、なんとか探せないかな?

「もう一度、今度は龍の魔力を探すか」

魔石に向けて魔力を流し、龍の魔力を探す。

左の魔石は……駄目だな。

龍の魔力なんて、全く感じられない。

次、左から2個目…………。

「リーダー、降参。無理だ、分からない」

「主もですか? この問題を正解した者は、まだ誰もいないんです」

そうだろうな。

例え正解者が出たとしても、それは勘だと思うぞ。

「不正解だったら、どうなるんだ?」

あれ?

不正解になったんだから、ここで引き返せるのでは?

「無料奉仕です」

あははっ、無理か。

「無料奉仕は、何をするんだ?」

「主に畑仕事です。通常は手伝ってくれたご褒美に、夕飯のおかずは倍になります」

そうなんだ。

知らなかった。

「ですが不正解の罰で無料奉仕なので、ご褒美は出ません」

「なるほど」

おかずの量が変わるだけなら、それほど大きな罰では無いんだな。

「では、次へ行きましょう。正解は、右から4本目の道だったようです」

リーダーが持っている板に触れると、1本だけ道が残りあとは闇の中に消えた。

「この道だったのか。そうだリーダー、俺も畑仕事を手伝えばいいのか?」

久しぶりの畑仕事だ!

「主の魔力は植物の成長に関わってしまうので駄目です。主は、無料奉仕は必要ありません」

駄目か。

でも、俺も魔力の制御が出来るようになったから畑仕事中は魔力が出ないように出来るのに、なぜか手伝わせてくれないんだよな。

「次の階は落とし穴です」

落とし穴という事は、罠にかかるか不正解を出すと落ちるのか。

「こちらに」

あれ?

また一段高くなっている円がある。

これが次の階へ行くための、移動装置か。

リーダーと一緒に円の中に入ると、スッと景色が変わる。

えっ?

「ここでは結界が全て解除され……ていませんね。さすが主です。我々が用意した解除魔法が弾き飛ばされたみたいです」

結界が解除って……広大な空間なのに立っている場所以外に大地が無い。

無い代わりに、大地より少し下にはマグマみたいに見える物がふつふつと煮えたぎっているんだけど!

いやいや、ここで結界を解除したら駄目でしょう。

それと落とし穴の階だと言っていたはずだけど、これのどこが落とし穴なんだ?

「この場所は少しずつ上昇していきます。その間に、四方から攻撃があるので全て叩き落としてください」

ん?

この場所が上昇?

上を見ると、丸い穴が空いている場所が見えた。

「もしかしてここは、落とし穴の中なのか?」

「はい」

違う。

落とし穴って、中から参加するものではないと思う。

いつ落ちるか分からないと、ドキドキするものだよな。

いや、落ちる先がマグマ?

落とし穴ってこんなにハードなゲームだったか?

「では、始めます」

「えっ!」

あぁ、止める間のなく動き出してしまった。

「これ、子供達も挑戦したのか?」

「子供達の時は、マグマを大地の下に移動させました」

「そうか。良かった」

それにしても、やっぱりあの真っ赤な物はマグマなんだ。

攻撃を受けると、落ちたりするよな?

「皆の場合は、結界は解除されているんだよな? あのマグマにその状態で落ちたら大変な事にならないか?」

「はい、大怪我では済まないでしょう。なのでマグマに触れる直前に結界が復活します。マグマの真上に解除を無効化する魔法が施されています」

結界が復活するようになっているのか。

と言っても、落ちた時の恐怖心は凄いだろうな。

「あまり、恐怖心を煽らないようにな」

頑張って作っている場所みたいだから、邪魔はしたくない。

だけど、やり過ぎなのは止めないとな。

「怖いという者には子供達と同じ対応をする予定ですが、挑戦した者はかなり楽しんでいますよ。このスリルが忘れられないと、何度も挑戦する者も出ています。もっとスリルが欲しいと言われるので、解除を無効化する魔法がどんどんマグマに近付いてしまって大変でした」

「……そうか」

無駄な心配だったのか?

「あっ、来ます」

えっ?

「うわっ」

バシッ。

そういえば攻撃を受けるんだっけ?

「今の攻撃って」

「空気弾です。通常の状態だと見えないので、空気弾に色を付けました」

「空気弾か。結構、勢いよく飛んでくるんだな。体が後ろに押されたよ」

俺には結界がある。

だから、落下したとしてもマグマに触れる可能性はない。

いや、マグマに近付けば結界は復活するみたいだから、その心配はないみたいだけど。

でも、マグマに向かって落ちるのは、怖い。

それに、そっと下を覗き込む。

最初の頃より、かなりマグマとの距離が開いている。

という事は、この大地がかなり上空にあるという事だ。

俺は、紐無しのバンジージャンプを楽しむ趣味は無い。

バシッ。

バシッ。

バシッ。

バシッ。

バシッ。

「攻撃が多いな」

楽しむ趣味は無いが、強制的に参加させられそうだ。

「えっ、そうですか? 初級のレベル1なんですが」

えっ、これで初級のレベル1?

「レベルはどこまであるんだ?」

「はい。初級は1から5。中級も1から5です。上級は1から10となります。上級になると、攻撃に魔法が加わります。魔法の攻撃は、魔法で対応します」

バシッ。

バシッ。

うわっ。

攻撃の力が、増しているみたいだ。

スピードも速くなっているな。

「そうなんだ。初級でも、少しずつ攻撃力が上がるんだな」

「はい。ずっと同じだと楽しめませんから」

そんな楽しみはいらないんだけどね。

バシッ。

バシッ。

「やばっ」

勢いが良いから、叩き落としても体が後ろに押された。

これどこまで攻撃力があがるんだ?

「あと少しか」

見上げ、丸い穴の位置を確かめる。

「そろそろ最後です」

「あぁ、良かった」

バチン。

こっわ~。

身体がちょっと浮いたから!

でも、ぎりぎり持ちこたえた。

「終わった」

上空に見えていた丸い穴から、顔が出て体が出る。

「ふぅ、疲れた」

「お疲れ様です。では次へ行きましょう」

休憩が欲しいな。