軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

111.主が中心。

ー一つ目リーダー視点ー

いきなり襲って来た力に、主の力が押されています。

主は大丈夫でしょうか?

空を見上げると、主の結界が次々と割れていくのが見えます。

それに少し恐怖を感じます。

いえ、今はそんな感情に振り回されている時ではないですね。

しっかりとしなければ。

今は少しでも主の結界が強くなるように、結界に私の持っている力を送る時です。

「もっと、力が欲しいですね」

しばらく続いた攻撃が、不意に止みました。

終わったのでしょうか?

まだ不安が残りますが、主の大切な仲間達の様子を確認しなければなりません。

良かった。

皆、無事のようです。

主は、仲間達を絶対に守ると自身に誓っています。

ならば、私も絶対に主の大切な者を守ります。

「また来た!」

同じ一つ目からの声に、仲間達に結界を張ります。

全員を守る事は出来ませんが、周りにいる仲間ぐらいなら守ってみせます。

主を悲しませるような事は、絶対に起こさせません!

「龍達が!」

誰の声だったのかは分かりません。

ただ、その言葉を聞き視線を向けた瞬間、息を飲みました。

落ちていく龍達から、核が消滅しようとしていたからです

核が消えてしまったら、もう助けられません!

「なんでこんな事に、なっているのですか?」

結界の外、ちらりと見えたアイオン神とフィオ神に叫びます。

攻撃してきた者の力を見る限り、神です。

途中から神力とは異なる力が多く混ざって来ましたが、神で間違いありありません。

それなら、あの2柱が止めるべきでしょう。

なのになぜ、今も攻撃が止まらないんですか?

早く、止めて下さい!

主の最後の結界にヒビが入ったのが見えてしまった。

遠くにいる主を確実に見つけるために、目に身体強化を何重にも掛けたお陰です。

最後の結界が壊れたらどうなるのでしょう?

いえ、主を助けるためには、どう動けばいいのでしょう?

力が欲しいです。

「えっ?」

主の力が、世界を包み込むのを感じて周りを見回します。

「この力は何でしょうか?」

結界とは違うようです。

ただただ優しい力が、世界を守っているのを感じます。

攻撃から世界が守られたと感じるのに、もの凄い不安に襲われます。

まるで、大切な何かが手から滑り落ちてしまうような。

なんでしょうか、この感覚は。

「主は、どこにいるのでしょう?」

攻撃を受けた時は、家にいました。

今も家にいる可能性が高いですね。

向かいましょう。

急いで家に向かいます。

どんどん不安感が増していくのは、どうしてでしょうか?

「主?」

どうして、家に近付いているのに主の力が弱くなっていくんでしょう?

どうして、主の気配がどんどん薄れていくんでしょう?

どうして?

どうして?

どうして?

「…………」

何を見ているのか、理解したくないです。

主の周りにいる者達が、私に何か叫んでいます。

でも、声が聞こえません。

理解したくないです。

見たくないです。

「ああぁ……うそです。ありえないです」

どうして、どうして。

「あいつのせいで………………あの神の」

あいつ、許さない。

ころしてやる!

苦しめて、苦しめて、絶望を味わわせてから殺してやる。

なんだろう?

何かにどんどん覆われていくような気がします。

でも、それを拒否しません。

だって、何か大きな力を感じましたから。

この力があれば、あれを苦しめる事が出来るでしょう。

主のいない世界など、いり――。

「リーダー! 駄目だ。主は守って欲しいと言っているんだよ!」

……守るのですか?

だって、主がいないんです。

「主は、まだ生きてる! 死んでない! ちゃんと見て!」

光殿の声に、ハッとして主を見ます。

「本当ですか?」

主の周りにいる仲間達が、力を主に注いでいるのが分かります。

「主の核は、消えた。でも、主は死ななかった。本当は核が消えた瞬間に死ぬらしいけど、まだ死んでない! 息をしているんだ! それなのに、リーダーが諦めたら駄目だろ!」

光殿の言葉に、ぐっと両手を握り締める。

そうですね。

私が諦めては駄目です。

でも、私の中の力はほとんど残っていません。

どうしたらいいのでしょう。

どうしたら……あっ!

さっき感じたあの力です。

あの力を主に使えたら、主は助かるかもしれません。

「少し時間を下さい。さっき、何かに飲み込まれた時に、巨大な力を感じたのです。あの力が、主の助けになるかもしれません」

「巨大な力?」

太陽殿の言葉に頷くと、さっき感じた力を思い出しながら探索魔法を発動します。

主と一緒に魔法の練習をしました。

だから、魔法が想像力で変わる事を知っています。

常識すら壊すので、ちょっと扱い方に気を付けないと駄目なのです。

「見つけました!」

お願いします。

主の為に力を下さい。

あれ?

のろくろちゃんから感じる物と、同じ物を感じます。

もしかして繋がっている先は、呪い達でしょうか?

よく分かりませんが、今は繋がった先がどこだったとしても関係ありません。

お願い。力を分けて下さい。

どうしましょう。

繋がる事は出来ましたが、魔力が限界です。

声を届ける事が出来ません。

あっ!

光殿、太陽殿、桜殿、紅葉殿。

子供達の声が、彼らに届きました。

ありがとうございます。

何かが来ます。

凄い力を秘めている塊です。

これは何でしょうか?

クウヒ殿、使っていいそうです。

良かった、伝わりました。

もしかして、核の替わりになる物でしょうか?

ウサ殿のお礼に笑い声が聞こえます。

良かった。

また不穏な力を感じます。

あの神は、まだ諦めていないのですね。

ん?

もの凄い憎しみが伝わってきます。

あぁ、先ほどまでの私のようです。

いえ、それ以上です。

駄目です。

あなた達が手を出しては主が悲しみます。

お願いします、伝わって下さい。

駄目です、伝わりません。

どうしたらいいのでしょうか。

『殺しては駄目です』

この声は、ロープ殿ですね。

あれ?

先ほどまで感じていた壁が消えたような気がします。

もしかしてロープ殿が力を貸してくれたのでしょうか?

あぁ、私の声が届きました。

ロープ殿、ありがとうございます。

『あれを殺しては駄目です』

いらない?

そうですね。

私も、あの神が必要だとは思いません。

ですが、殺すのは駄目です。

主が言っていました。

あなた達の苦しみを、あなた達をそうした神達はしっかりと知るべきだと。

つまり、あなた達の苦しみを神達も味わえと言う事ですよね。

主の望みは私の望みです。

あの神には、あなた達の苦しみをしっかりと味わわせるべきなんです。

『死は、一瞬の苦しみだけじゃないですか。もっともっと苦しまないと、あなた達が苦しんできたように』

私達僕達を認めるの、ですか?

主が大切な者達は、私にとっても大切な存在です。

光殿から、主が安定したと教えて頂きました。

ありがとうございます。

本当に、ありがとうございます。

そうですね。

落ち着いたら、皆で遊びましょう。

桜たちは特訓を希望するでしょうね。

今から、その時が楽しみです。

『主を好きな者達は、みんな仲間です!』

さぁ、主の下へ戻りましょう。