軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

73.魔力の暴走は、吸引で!

広場を歩き回り、魔力の暴走でついた跡を確認していく。

「凄いな、まるで巨大な刃で切られたみたいだ」

しかも、かなり深くまで切られている。

あの一瞬でここまでとは。

「こっちは、巨大な塊が上から落ちてきたみたいだ」

広場全体に付いた跡に、ため息が出る。

まさか、魔力の揺れでこんな結果になるなんて思わなかった。

核を探すのを止めた方がいいのかな?

でも、自分の魔力については知っておかないと駄目だと思う。

何より、核の有無を確認したい。

そして核が確認できたら、安全な方法で魔力を使いたい。

今のように、魔力を使い切っていたらいつか命に関わりそうだからな。

だが、今の状態で核を探せば、周辺に被害が出そうだ。

魔力の暴走を抑える方法があればいいが……駄目だな、何も思いつかない。

今できるのは、結界を強くする事か。

「でも、どれだけ強固な結界を作ったらいいんだ?」

内側に入り込んだほんの一瞬で、このありさまだ。

予想だが、魔力を溜めている場所はかなり広いはず。

魔力を大量に必要とする魔法を、簡単に使えるぐらいだからな。

空間の広さは、想像するだけで恐ろしい。

その空間の中を核を探して回ると、間違いなく魔力は揺れてしまうだろう。

魔力の暴走は、考えたくもないな。

その暴走を受け止める結界。

「かなり強くしないと役に立たないよな」

飛びトカゲが言っていたが、今の結界もかなり強いらしい。

まぁ、頑張って全てを防げるようなイメージを作ったからな。

その結界の数十倍、強い結界が必要となるかもしれない。

「イメージが難しいな」

広場の中心に戻り、結界のイメージを考える。

何がいいだろう?

とりあえず、俺を中心にして周りにいつも通り結界を張るイメージを作って……。

魔力の暴走がどんなに強くても、それを外に出さないぐらいの結界。

「あれ? 暴れている魔力を集めてどこかに閉じ込めたら、今までの結界でも十分なんじゃないか?」

暴走しているから制御は無理でも、無理やり集めてしまう魔法を使えば何とかなるはず。

集めた魔力は……魔石に閉じ込めるか。

闇の魔力も閉じ込められたんだ。

暴走した魔力ぐらい大丈夫だろう。

……きっと。

「やってみるしかないな。吸引と言えば掃除機だよな。ゴミが溜まるイメージも作りやすいし」

ボタン1つで、周辺のゴミが吸い寄せられるすごい吸引力を持った掃除機をイメージして。

集めたゴミが一ヵ所に集まって……闇の魔力のように暴走したら困るから固めて……。

掃除機に水分は天敵だな。

水じゃなくて固めるイメージが作りやすい……あっ、コンクリート!

「コンクリート?」

不意に思い浮かんだんだが……まぁ、いいか。

コンクリートのように固めて、魔石に閉じ込める。

あっでも、コンクリートって強いイメージないな……何があっても割れないコンクリートをイメージするか。

よしっ、最初から通してイメージして……、

「出来た!」

やっぱり馴染みのある家電だとイメージが簡単だな。

特に掃除機。

前も活躍してくれたから、今回も頼む!

後は……本当に大丈夫なのか試すだけなんだが、今回はちょっと怖いな。

失敗したら被害が……自分を信じるしかないな。

「魔石は、とりあえず5個でいいか……魔力が暴走したら閉じ込める」

5個の魔石が一瞬白く光ると、空中に浮いた。

これで、魔力が暴走しても魔石に施した魔法が対処してくれるだろう。

「頑張ってくれよ。あとは、魔力の中から核を探すか」

目を閉じて、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

魔力が溜まっている場所をイメージすると、不思議な場所に立っている感覚がした。

今まではこれがどこなのか分からなかったが、コアの話からここが魔力が作った空間なのだろう。

そう思うと、自分がすごい場所にいる気がするな。

周りには自分の魔力が満ちていて……すごい濃い魔力だな。

さっきは気付かなかったが、いつもより濃度が濃すぎるような気がする。

それに、何だろう。

魔力が今までと微かに違うような……見えたら、違いが分かるかな?

あ~、ダメだ。

まずは、やる事をやってしまおう。

気にしだすと、止まらなくなる。

よしっ、核を探すぞ。

これに集中!

あっ、しまった魔力が揺れてしまった。

なんで揺れたんだ?

もしかして、俺の感情にリンクしてるのか?

その可能性があるなら、とりあえず深呼吸して……。

本当に感情にリンクしているのか?

魔力の揺れが落ち着いた。

平常心か……難しいな。

必要なら頑張るしかないけど……。

気持ちをゆっくり落ち着けた後、魔力の中をゆっくりと下に移動する。

本当に予想が当たったのか、魔力の揺れはかなり抑えられている。

この状態が続けばいいが。

いや、続けられるように頑張ろう。

「マジか……」

ずっと下に移動を続けているが、いつになったら止まるんだ?

あっ、魔力が揺れた。

落ち着け。

深呼吸……深呼吸。

駄目だ、揺れが落ち着かない。

イラついているせいなのは分かっているんが……。

仕方ない、完全に揺れが落ち着くのは諦めよう。

魔力の暴走は……きっと何とかなっているはず。

と言うか内側にいると、外の様子が分からないのが厄介だ。

何とか外の様子が分かるように出来ないかな?

これは俺の中なんだから、外も見られそうなのに。

あ~、それより核はどこなんだ?

それより、いつまで下に落ち続けるんだ?

「まだ、下があるのか……」

この空間、デカすぎないか?

いや、大量の魔力がある事は分かっていた。

だからそれなりの広さだと覚悟はしていた。

でも、これは……想像以上だ。

ん?

魔力の流れが変わったような気がする。

何かが魔力の流れを変えているのか?

「えっ? 足に何か……」

あぁ、移動が止まった。

と言う事は、魔力が作った空間の壁に触れたのか?

「ようやくだな。なんか下に移動しただけなのに疲れた」

さて、ここからはどうしようかな?

核を見つける必要があるんだけど……どこを探せばいいのか……。

真っすぐ下に移動しただけで、結構な時間が掛かった。

この空間から核を探す?

ははっ、気が遠くなりそうだ。

この空間、視界が当てにならないしな。

ずっと、同じ。

俺の魔力が詰まっているんだから、違いがあるわけがないんだけど。

「あれ?」

目に手を当てる。

いつの間に、見えてるんだ?

この空間に来た時は、立っている事は理解したが見えてなかったよな?

「何かあったっけ?」

駄目だ。

なぜ見えだしたのか、分からない。

まぁ、見えても見えなくてもここでは役に立たないが。

なんせ俺の周りを囲むのは、メルヘンな世界だ。

淡い様々な色。

なんて言うんだっけ……優しい色合いの、パステルカラーだ。

そう、パステルカラーの赤や青や緑が混ざることなくゆっくり流れている。

魔力の溜まっている空間が、まさかメルヘンな世界だなんて……。

その中に俺がいるのかと思うと、ちょっと引く。

「でもおかしいな。外ではこんな色じゃないのに……」

それにしても、この空間が落ち着かない。

もう少し、落ち着いた色合いになってくれたらいいのに。

ここでぐちぐち言っていても、えっ?

あれ?

今までのメルヘンな色の世界が、なんだか変わった。

俺が願ったように落ち着いた色合いに。

……願った?

もしかして願ったから、魔力の色が変わったのか?

「もう少し暗い色に」

あっ、正解だ。

そして暗くなると薄気味悪い空間になった。

「明るく」

眩しい!

「もう少し暗く、目に優しく!」

微調整が難しいな。

とりあえず、落ち着いた色になったかな?

あれ?

そうなると、あのパステルカラーも俺の願った色になるのか?

……メルヘンチックが俺の希望?

「あれはきっと、初期設定だ」

そうに違いない。