軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

72.魔力と核

広場に着き、すぐに闇の魔力を再現した。

魔石5個分。

2回目なので、特に問題なく完成。

再現し終わって、魔石をコアに預けようとしたら震えていた。

結界の中で再現はしているが、闇の魔力のあの毒々しい力を完璧には防げていないのかもしれないな。

次に再現する時に、結界を強化しよう。

「あとは、自分の力の現状把握だな」

どうしようかな。

俺は、飛びトカゲやコアたちのように核のある場所を把握していない。

魔力を動かしても、大量に使っても核の存在を感じなかった。

ただコアが、「命ある者は、核をもって生まれる」と言っていたからどこかに核はあるはずだ。

ただ、

「俺の存在が、想定外だからな」

勇者数人分のギフトをギュッと1人に詰め込んでいる。

その事が影響して核が壊れたとかないよな。

「探すしかないか。核さえあれば、現状把握は出来るらしいからな」

1回、ロープが教えてくれた方法を試してみるか。

確か「手で核に触れるイメージを作れば、内側に意識を持っていく事が出来る」と、言っていたな。

俺の中に核があると思い込んで、手を伸ばすイメージを作ってみよう。

実際に、核に触れる必要はない。

まずは、ロープが言っていた俺の内側と言う場所に意識を飛ばせたらいいんだから。

そう言えば、俺の内側ってどこを指すんだろう?

心の中? それとも体の中?

「核に手を伸ばす……核がある場所か」

それって、どこになるんだ?

「主、大丈夫か?」

ん?

声に視線を向けると、コアが傍まで来ていた。

「何かあったのか?」

なんで、心配をされているんだ?

「大丈夫だけど……」

「いや、何もせず突っ立っているから何かあったのかと思って」

それは心配になるな。

「ありがとう、ちょっと考え込んでいただけなんだ。あっ、核がある場所ってどんな所なんだ?」

俺の言葉に、首を傾げるコア。

「核が感じられないから、手を伸ばす先が分からなくて」

「そういう事か。核は魔力が作った空間に守られている。魔力が溜まっている場所を探せば核があるはずだ」

魔力が、溜まっている場所?

「核の中に、魔力が溜められているんじゃないのか? 核の周辺にも魔力があるのか?」

魔法を使う時に、核から魔力を引き出すと言ったよな?

「魔力は生きる力なんだ。命の維持にも体を動かす時にも、こうやって話をする時にも魔力が必要となる」

そうなんだ。

「日常で使う魔力を核から引き出すのは、我々には簡単だ。だが、生まれたばかりの赤子には無理だ」

それはそうだろうな。

特訓が出来ない赤ちゃんが出来るわけがない。

「だから日常を維持するのに必要な魔力は、核から自然と溢れ出るようになっている。ただ魔法を使用する際に、その溢れた魔力を使うと、魔法の大きさによって使い切ってしまう事がある。通常、空間の魔力が1割を切ると命を落とす。使い切った魔力がすぐに戻ればいいが、核からは決まった量しか魔力が出ない。つまり、空間の魔力を使い切った時点で死ぬ。それを防ぐために、魔法に使用する魔力は核から直接引き出すんだ」

命を守りつつ、魔法を使うための方法か。

それより核からはゆっくりしか魔力が出ないのか?

俺は、一気にもとに戻るけど。

ここでも俺は、普通とは違うんだな。

んっ?

核を感じないのって、核から魔力を引き出してないからじゃないのか?

溢れた魔力を使用しているとしたら……。

魔力が膨大に必要な魔法を使った時に、魔力が無くなった感覚がするのは空間に溜まった魔力を使い切っているから。

核から引き出していたら、そんな感覚はしないはずだ。

なるほど、俺は溢れた魔力を使って魔法を使っているのか……。

「説明をありがとう。魔力の重要性が分かったよ。それに核を感じられない原因が分かったかもしれない」

しかし魔力が、そんなに重要な役目を持っているとは思わなかった。

もう少し魔力を大切に使った方がいいよな。

と言うか、核から魔力を引き出す特訓が必要か?

……必要だろうな。

ワザとではないが、空間の魔力を一気に使い切った事があるんだから。

もしあの時、魔力が一気に戻らなかったら死んでいたんだよな。

考えたら、恐ろしい事をしてるよ。

核が普通じゃなくて良かった。

普通だったら、俺は死んでるな。

核から魔力が引き出せるまで、魔力の減り具合をしっかり見ていこう。

「あっ、魔力が溜まっている場所が分かったかも」

俺が魔力を感じている場所だ。

何処にあるのかは不明だが、でも確実に俺の中にある。

そうか。

あの場所を探せば核があるはずなのか。

「主?」

「コア、ありがとう。核のある場所が分かったかもしれない。これから探ってみるよ」

「分かった。探す時はゆっくり探した方がいい。魔力が揺れると暴走することがあるから」

暴走?

制御できなくなるのか?

「分かった。ゆっくりだな」

「あぁ、離れた所にいるから、何か手伝う事があったら言ってくれ」

コアは本当にいい奴だよな。

頭を撫でる。

「いつもありがとうな」

俺の言葉に、目を細めるコア。

どんどん可愛くなるな。

コアがある程度離れたのを確認すると、周辺を守るために結界を張る。

魔力が暴走するかもしれないと言っていたな。

3重に結界を張っておいたら、大丈夫かな?

「さて、始めるか」

まずは魔力を感じて……あぁ、いつもの場所にあるな。

揺れてはいないが、ゆっくり流れているような気がする。

この中を探すんだよな。

「どう探せばいいかな?」

いつもは、外から眺めている感覚だよな。

探すとなると、魔力の中を泳ぐ感じかな?

……魔力の中を潜る感覚でいいか。

「よしっ。……魔力の重要度が分かったからかな? 何か緊張する」

深呼吸を繰り返し、目を閉じいつものように魔力を感じる。

いつもはここまでなんだよな。

今日は、目の前にある魔力の奥に潜っていくイメージを……。

「うわっ」

なんだ?

潜っていくイメージを作って……上手くいったような気がしたんだが。

すごい力で追い返されたような……。

「もう1回」

前に魔力があるのは感じる。

その魔力の奥に、奥に、潜り込んで……。

すごい反発がある。

それに魔力が揺れているのを感じる。

暴走するかな?

……戻るか?

いや、もう少し奥に……あっ、駄目だ。

魔力の揺れが激しくなってく。

戻ろう。

ふっと意識が戻る感覚がした。

ため息を吐き、周りを見る。

「うわ~。マジか」

広場の地面が、あちこち抉れている。

魔力の奥に潜り込んだのは、一瞬といえる時間だ。

その一瞬で、ここまでひどい事になるとは。

これ、続けて大丈夫か?