軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

151.35層

翌日。

溢れる寝汗を拭き取り、僕は頬を叩いて起床する。

妙な夢を見た。脈絡もなければ、現実味もない夢だ。夢の内容は曖昧にしか覚えていないが、それでも悪夢だったのはわかる。

陰鬱とした気持ちのせいか、体が妙にけだるい。

しかし、気持ちを切り替えていかないといけない。再度、強く頬を叩いて自室を出る。

今日も迷宮探索だ。いままでと違い、シア・レガシィパーティーという探索のライバルが露見した以上、より一層と力を入れなければならない。

迷宮探索へと向かうため、朝早くから甲板にみんなが集まる。色々とペースを乱されたものの、毎日の迷宮探索を停滞させるわけにはいかない。

出発前にレベルアップの作業を行う。レベルボーナスは全て魔力に注ぎ込んだ。

――名前 相川渦波 HP369/370 MP520/920-400 クラス 探索者

レベル 20

筋力11.55 体力13.12 技量17.11 速さ20.86 賢さ17.12 魔力46.44 素質7.00――

ようやく、 20レベル台(トップクラス) に入った――。

異世界に召喚された頃と比べれば、雲泥の差だ。人類最弱のレベル1だったのに、いまや人間の限界域と言われる20レベルの大台だ。これで『 天上の七騎士(セレスティアル・ナイツ) 』や各国の英雄たちと肩を並べることができる。

もちろん、これで満足するつもりはない。

僕は20レベルの先――人間の限界の先を目指さないといけない立場だ。迷宮が百層もある以上、ここからが本番といったところだろう。

「よし、順調だ」

手に入れた力を確かめるように、手を握り締める。

おそらく、ここにいる仲間たち全員が、いずれ30レベルを超えるだろう。

僕たちは強くなっている。成長していると確信している。

順調のはず、なのに――

なのに、握り締めるこぶしが緩む。

昨日のハイリの言葉が影を落とす。「私はそう思いません」という声が、耳の中に反響する。

そのせいか、強くなったというのに言い様のない不安を感じてしまう。

レベルアップが成長ではないような――もっと違う『何か』のような気がしてくる。

その感覚の正体を突き止めようと、スキル『並列思考』が動き出す。

少しでも思考に余裕があると、『並列思考』は容赦なく回転し出すので困ったものだ。僕は意識してその思考を抑えた。

レベルアップが成長でないわけがない。

そう自分に言い聞かせていると、リーパーが海を見ながら報告してくる。

「航海は順調順調! ただ本土へ近づいたせいか、すれ違う船も増えてきたねー!」

地図を広げ、本土までの距離を確認していた。

確かに、海の質が変わってきているのは僕も思っていたことだ。気候が安定してきて、商船と思わしき船をちらほら見かけるようになった。

「そうだな。こっちに接触しようとする船が出てきているから、居残り組は注意してくれ」

マリアに注意を促して、迷宮探索のメンバーを集める。

今回は三十五層の水中エリア突破が主眼に置かれている。なので、水と相性の悪いマリアは留守番だ。

船を任されたマリアは全身に力を漲らせて答える。

「大丈夫です、カナミさん。この船は私が絶対に守ります。どんな敵が相手だろうと、今度こそ失いはしません――!」

「い、いや、そうじゃなくて。この船の心配だけじゃなくて、接触してきた相手を穏便に返すことも考えてね……」

マリアがいて海戦で遅れを取る心配はしていない。このリヴィングレジェンド号が失われるという状況は、うちの誰かが暴走したときだけだろう。むしろ、リヴィングレジェンド号 君(くん) の敵はマリアたちのほうだ。

なので心配しているのは、接触してきた船のほうだ。もし、相手が友好的な商船だったとしても、マリアの機嫌によってはどうなるかわからない。

「しかし、戦地も近いので、このあたりは賊の船も出ると思います。そのときは全力で相手しますよ? 問答無用で焼き落とします」

「いや、海賊が相手でも手加減してあげてくれ……。死人はできるだけ出さないように……」

「甘いです、カナミさん。悪人相手に遠慮してどうするんですか」

マリアに手を汚して欲しくないという気持ちが強いのだが、異世界生まれのタフな彼女は殺人に対しての抵抗感が薄い。

ここで食い下がっては、また甘いと連呼されるのは間違いないだろう。

僕は仕方なく反論を止めて、『コネクション』へと向かい合う。

「それじゃあ、今日は僕とスノウとリーパーとディア、この四人で行けるとこまで行ってくる」

「はい。いってらっしゃいです」

マリアは笑顔で僕を見送ってくれた。

そして、僕たちは縛り上げたスノウをひきずって、『コネクション』をくぐった。

スノウは最後まで「行きたくないっ」と反抗していたが、誰も彼女を助けることはなかった。

なにせ、水中戦闘では彼女が一番強いのだから仕方ない。

泳ぎを全員に教えたあと、よく観察していると明らかにスノウだけ抜きん出て上手いことが発覚した。そして話を聞いて見ると「水竜の血が混ざっているせいかも」という答えが返ってきたのだ。

その後、満場一致で、水中エリアの担当はスノウと決まったのだった。

最後まで泳ぎの上手さを隠そうとしていたスノウに、情状酌量の余地はなかった。

『コネクション』をくぐり、30層に出る。

今回の探索も無駄な戦闘は避ける方針だ。

通常のモンスター相手なら楽勝なのだから、無理にレベルを上げる必要性はない。もしレベルを上げるとすれば、最も経験値の高い39層で戦いやすい敵を相手にする。それが現状で望める最も効率的なレベル上げの方法だろう。

リーパーの闇の魔法を使ってモンスターとの遭遇を減らし、水に沈んだ階段の前へと辿りつく。

予定通り、上の衣服を脱ぎ捨てて、最低限の武具と水着だけとなる。

水が濁ってきたり、小型の水棲生物が湧くまでは、このスタイルで挑戦するつもりだ。

35層突入前、最後の確認を取る。

「――よし、準備万端だ。基本的には僕が先頭で、リーパーが 殿(しんがり) 。ディアは常にスノウと手をつないでいること。……スノウ、おまえがディアを守りきれるかが鍵だ。サボるなよ?」

スノウは暗い顔でディアの手を握る。

ちなみに握っているのは、生身の腕ではない。木を削って作った異形の義手だ。今回の探索に合わせて、スノウと手を繋ぐためだけの一品を作ったのだ。

スノウの手にフィットする鉤状となっているので、ちょっとやそっとで手を離すことはできない。

「サボろうにも、このポジション、サボりようがない……」

手を抜けば、ディアの生死に直結する。

それがわかっているので、スノウは心底嫌がっていた。しかし、任された以上は役目を果たそうとしてるのは確かだ。

それがわかっているので僕はこういう配置にした。何が何でもスノウには働いてもらう。

しかしディアは守られている立場のため、ひどく申し訳なさそうだった。

「悪い、スノウ。俺がもっと泳ぐのが上手かったら……」

「い、いいい、いや、構わないよ! ディアのためなら、私がんばるから!」

「ありがとう、スノウ」

ディアへ恩を売ることに考えをシフトさせたようだ。スノウはディアへ媚を売り始める。

やはり、連れて来さえすればスノウはちゃんと働く。怠け癖のせいで連れて来るのに一苦労だが、責任感だけは人一倍ある。そうでなければ、ああも貴族のしがらみに囚われはしなかっただろう。

「よし、行こう」

四人で最後の確認を行ったあと、大きく息を吸い込んで水中へと飛び込む。

下へ下へと潜っていき、三十五層に進入する。

まず『ディメンション』をゆっくりと水へ浸透させて、周囲の状況を把握する。もちろん、水中での魔力の通りは悪い。索敵できる範囲は十分の一以下だ。

『ディメンション』で周囲の安全を確認して、次に目を開く。次元魔法の効力が薄い以上、視覚に頼る場面は多くなるだろう。

三十五層は水中という悪条件だったが、それ以上に特別なところはなかった。

いつもの石の回廊に水が溜まっているだけにしか見えない。特別広くも狭くもなく、三次元的に道がいりくんでいるというわけでもなかった。なので、泳ぐだけでなく、無重力空間を進むかのように地面を蹴って道を進むこともできる。

『ディメンション』で道を把握しながら、奥へ進む。

水中の探索では、仲間の状態把握が何よりも大切だ。一人でも息がもたなくなれば、陣形が崩れてしまう。『ディメンション』で全員が乱れなくついてきているのを常に把握しなければならない。

そして定期的に、『持ち物』から空気を詰めた皮袋を取り出して息継ぎを行う。戦闘になれば、そんな時間はなくなるのだから、余裕を持ってこまめに行う。

息継ぎを繰り返し、探索が進んでいくうちに、スノウの肺活量の異常さが目立ってくる。

僕たちが三度息継ぎ必要なところを、スノウは一度で十分なのだ。表情を見る限り、決して無理をしているわけでもない。僕がこまめな息継ぎを薦めているから、とりあえずしているといった感じだ。

現在、僕たちの呼吸なしでの活動限界時間は10分前後だ。無呼吸で泳ぎながら10分なのだから、これでも人間離れしていると言っても過言ではない。

しかし、スノウは別次元だ。

下手をすれば数時間でも泳いでいそうなほど余裕がある。

溶岩地帯でも痛感していたことだが、やはり 竜人(ドラゴニュート) という種族は、人間と根本的に作りが違う。

僕たち人間は水中に適応できないが、スノウならば火山だろうが氷山だろうが――極論空中でも水中でも生きていける気がする。

やはりスノウは水中戦での要ということが確定する。そして、明日からの迷宮探索は皆勤してもらわなければいけないことも確定してしまった。

今日頑張れば明日は怠けられると信じている哀れなスノウを中心に迷宮を進んでいくと、とうとうモンスターを避けられなくなる。

すぐさま、迂回できる道はないかと周囲を見渡す。しかし、道を変えても別のモンスターと戦闘は発生しそうだった。仕方なく、僕たちは臨戦態勢に入る。

声を出して説明はできない。

身振り手振りを使って、敵の数を後方へ通達する。

同時に、回廊の奥から異形の魚たちが接近してくる。

昨日戦ったガルフラッドジェリーの眷属と違い、まるでエイのように平べったい魚だ。ただ、横ビレが刃物のように鋭くなっている。もし直撃すれば、すれ違い様に胴体を真っ二つにされるのは想像に容易い。

『ディメンション』でなく視覚で敵を確認したと同時に、戦闘は始まる。

敵影は四匹。数にすれば同等だが、水中という不利がある。

絶対に後ろへ通さないと心に決め、剣を構えたところで――

『――魔法『インパルス』』

――水中だというのに、轟音が鼓膜を叩いた。

続いて振動が全身を打つ。

すぐに『ディメンション』を広げ、振動の原因が後方のスノウの魔法であることを確認する。以前、スノウは振動魔法が得意だと言った。しかし、規格外の魔法使いであるディアとマリアがいるため、彼女を魔法使いの 専門家(スペシャリスト) として見てはいなかった。

だが、その評価を改める光景が、網膜に映る。

迷宮が震えていた。ぼやけた写真のように、視界が歪む。

そして、威勢よく泳いでいた魚たちの動きが乱れる。

大地震の中を歩く人のように、バランス感覚と速度を失っている。

しかし、なぜかその近くにいる僕は何の影響もない。少々視界が悪くなったものの、それだけだ。

スノウの振動魔法の精度の高さに、僕は感嘆する。

そして僕は、動きの鈍くなった敵を四匹とも剣で斬る。

自由の利かない相手を切断するのは容易かった。

二枚におろされ、モンスターは光となって消えていく。

予定よりも楽な戦闘に驚きつつ、落ちた魔石を拾い集める。

後方のスノウを褒めようとしたところで、『ディメンション』が新たな敵を察知する。ここのモンスターも助けを呼ぶタイプの敵だったのかもしれない。四方からこちらへ向かってきている。

僕は背後のスノウへ新たな敵の接近を知らせようとして、

『――ん、わかってる。向こうから三匹』

スノウは先んじてそれに答えた。水中だというのに、スノウは普通に言葉を発したのだ。

もちろん喋っているのは口でない。振動魔法で直接鼓膜に音を響かせるという方法を使っている。

僕は口を開いて呆ける。

『ん、ん……? あっ、えっと、なんでわかるかっていうと……、水中だと振動の返りでどこに誰がいるのかわかるみたい。あと、魔法もすっごい通りやすいかな?』

いや、僕が聞きたいのはそういうことじゃない。

水中で喋られるのなら、それを先に言っておけということだ。

急に一人だけ喋り始めたので、こっちはびっくりだ。

『さっきと同じやつみたいだから、また振動魔法で邪魔するね』

だが僕の不満はスノウへと伝わってくれない。伝わっているのは『繋がり』のあるリーパーだけだ。スノウの後ろで苦笑いをしている。

仕方なく、僕はスノウの援護を中心に敵の援軍を迎撃する。

スノウが自分で言っていた通り、水中での振動魔法の援護は絶大だった。

迫りくる多種多様の魚型のモンスターが、次々と二枚におろされていく。

全く相手になっていなかった。

ほぼ一瞬で倒すことができるので、全く進行の邪魔にもなっていない。あっさりと敵の包囲を抜けることに成功する。

ときおり、後ろからも敵が現れるものの、それはリーパーとディアの魔法で対処できる。

リーパーの闇で敵を惑わせ、ディアの神聖魔法の結界で敵を遠ざける。こと敵との遭遇回避において、二人の右に出るものはいなかった。

とんとん拍子で、三十五層を進んでいく。

その途中、後ろから奇妙な笑い声が聞こえてくる。

『えへ、えへへ、知らなかった……。もしかして私って、水中が得意……!?』

スノウだ。

まるで人魚のように軽やかな動きで泳ぎ、にたにたと笑っている。彼女の竜の尾が、魚のヒレと似た役割を果たしている。そのため、泳ぎのレベルが僕たちと段違いだ。

確かに、水中戦においてスノウは誰よりも優秀だ。単純な泳ぎの上手さだけでなく、振動魔法による応用力も強みだ。

振り向いた僕は、スノウの言葉に頷いて見せた。

『……えへへ、やっぱり?』

得意げに、スノウは胸を張る。

物臭な彼女が調子に乗ってくれるのは嬉しい。僕は「うんうん」と何度も頷き、照れるスノウをおだて続ける。

そして最後に、ジェスチャーで「じゃあおまえが先頭」と伝える。

すると途端にスノウは弱気となる。

『……い、いやぁ、やっぱり水中は駄目、かな? すごい動きにくいし、息も苦しくなってきた気がする。うん、全然戦えない、不得意不得意!』

おだてて働かせる作戦は失敗した。

それだけ言い訳できる余裕があるのならば大丈夫だと言いたいが、頑なになったスノウをジェスチャーだけで説得する自信はない。なにより労力がもったいないので諦める。

大人しくなったスノウを引き連れて、さらに奥へと進む。

このメンバーは意思疎通する能力が高く、水中での探索はスムーズだった。

そして、三十五層の中心あたりで、回廊に妙な横穴を見つける。『ディメンション』で確認する限り、その先の空間には水が溜まっていなかった。

ボスが生息する特殊なエリアかと思ったが、どれだけ『ディメンション』で調べても危険を見つけられなかったので、僕たちはその横穴の中に入ってみる。

その空間は袋小路だった。

だというのに、見えない壁が遮っているかのように水を弾いている。僕たちはその中へ難なく入ることができる。

子供の頃の懐かしい記憶を思い出す。お風呂で逆さまの桶を沈めても、空気が漏れない現象だ。いま、この空間はそれと同じ状況となっている。

確か水圧と気圧の関係で、水の中に空気の塊が保たれると聞いた気がする。

しかし、こうも都合よく息のできる空間があることに違和感を覚える。こんな特殊な空間で、水圧と気圧のバランスが合うなんて、まるで『誰か』の手が入っているとしか思えない。

『誰か』が35層を挑戦する探索者のためにわざわざ空間を――

――いや、その予測通り、『誰か』の手が入っているのだろう。

『並列思考』が僕の推測を肯定する。

異世界の迷宮だからという理由で無理やり納得することもできる。けれど、過去にローウェンと話した言葉が、『誰か』の存在を確信させる。あのとき、ローウェンは「人間に優しい『誰か』が、らしくない真似をして迷宮を作った」と言った。

結局、ルールだからとその『誰か』を教えてくれることはなかったが、あの口ぶりからすると迷宮を作った人間がいることは確かだろう。

その『誰か』が、この三十五層をクリアしやすいように、この『休憩地点』を作った。そう思うと、この空間の理由が説明できる。

ローウェンの言ったとおり、その『誰か』は人間に優しいのだろう。

そして、その『誰か』とは――

―― 誰でもいい(・・・・・) 。その『誰か』が誰であれ、いまの僕のやることは関係ない。

ここで重要なのはローウェンが保障したことだけだ。

迷宮の最深部に大いなる力――『奇跡』が待っていること。迷宮の作り手は優しく、迷宮そのものも優しいこと。進めば進むほど、探索者は強くなれること。

それだけあれば、僕には十分過ぎる。

「――なあ、カナミ。休憩するなら、ここで焚き火でもするか?」

思考に没頭していると、横からディアが話しかけてくる。

ぼうっとしていた僕は、びくりと肩を震わせる。

迷宮探索の途中だというのに、気をそらしてしまっていた。もしこれが敵の奇襲ならば、遅れをとっていた。

昨日油断して後悔したばかりだというのに、僕は何をしているんだ。

考えても仕方ないことを考えこんで死んでしまっては馬鹿らしい。

僕は意識を迷宮攻略へと集中させ直す。

「……いや、息を整えて、袋に空気を詰め直して、すぐに出発しよう。出入り口が一つしかないここだと、モンスターに襲われたとき逃げ場がないからね」

「わかった。それじゃあ、早めに休憩は切り上げよう」

ディアは頷き返し、『持ち物』から取り出した皮袋に空気を詰める手伝いをしてくれる。

そして、すぐに僕たちは休憩を終えて、また水中へと飛び込む。

陣形は少しだけ変えてある。

リーパーと僕の位置を逆にして、索敵の負担を分散させた。一人だけMPが極端に少なくなるという状況を避けるためだ。

正直なところ、敵を避けるだけならリーパーが先頭の方が優秀なのだ。

リーパーの闇の魔法を上手く使うことで、僕たちは寄り道することなく次の階層へとまっすぐ向かう。

もちろん、全ての敵を避けることはできず、たまに戦闘は起きる。しかし、予想以上にスノウが水中戦に強かったため、梃子摺るということはなかった。魚のモンスターに対し、振動魔法は弱点と言ってもよかった。その容易さから、元の世界では禁止されている岩を打って魚を捕る漁法を思い出す。もしかしたら、昨日のガルフラッド戦もスノウがいれば圧勝だったかもしれない。

しかし、どれだけ優勢だろうと、ボス戦だけは絶対にするつもりはない。昨日は痛い目に遭い過ぎた。よっぽどのことがない限り、初めての層でボス戦を行うことはないだろう。

こうして、最後まで油断なく35層を探索した結果、36層への階段を見つけたのだった。