軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

32

先に攻撃を仕掛けるつもりのようだ。でも……

「く……うわっ!」

私はそれを軽々と避け、そのついでに王太子の足を払った。

するとバランスを崩した王太子の体の側面ががら空きに。

そこを剣で打ち込めば……しかしギリギリのところで王太子は体勢を立て直し、私の攻撃を防いだ。

「あら、やりますね」

「はぁはぁ……全く本気じゃないあなたに言われても嬉しくないな」

「ふふっ。たしかに本気は出してませんけど、なかなかの腕だと思いますよ?」

「お褒めいただけるなんて光栄だ、なっ!」

王太子は力ずくで剣を弾いてきた。

さすがに力は強い。魔法無しでは力で男性に勝つのは難しそう。

じゃあこれならどうだ。

「はっ!」

得意のスピードを活かした連続攻撃。

「くっ……」

王太子は攻撃を受け止めるだけで精一杯のようだ。

「じゃあ終わらさせてもらいますね」

「な……まだまだっ!」

勢い良く突いてきた剣をいなして背後をとる。そして王太子が振り向くよりも速く、剣を首に触れる寸前で止めた。

試合終了だ。

会場には歓声と悲鳴が飛び交っている。

……ありゃ、王太子ファンに嫌われちゃったね。

これはさっさと退場した方がよさそうだ。

「それじゃあ私はこれで」

「待ってくれ!」

ねぇ空気を読んで?

そもそも話すことなんてないのに、呼び止めるのはやめてくれ。

「……何でしょう?」

しかし残念なことに、ここには大勢の人の目がある。無視することはできませんでした。

「……」

「……あの」

「……」

話さないのならもう行くよ?

「何もないのでしたら失礼しま」

「ま、また!」

「はい?」

「……また私とこうして手合わせをしてくれないか?」

は?手合わせ?

……あ、もしかして剣の指導をしてほしいってこと?前に国王から頼まれて断ったから。

たしかにS級冒険者に指導してもらえれば、それだけで箔付けになるだろう。

だから 私(リア) に指導してもらいたい気持ちは分かる。

でもね、私はそんなことに利用されるつもりはありません。

周囲に声が聞こえないように、そっと魔法を発動する。そして満面の笑みで答えた。

「お断りします」

「っ……どうしてもダメか?」

「ええ、どうしても」

謝罪は受け入れた。でもこれ以上関わるつもりはないの。

「い、一度だけで構わない!だから」

なんでそんなに必死なのかは分からないけど、これだけははっきり言っておいてあげよう。

「しつこい男性は嫌われますよ?」

イケメンだったらなんでも許されるなんて大間違い。

女性はね、しつこい男は嫌いなの。

「なっ」

「それでは失礼します」

私は優雅に一礼をして、会場をあとにしたのだった。

残すは決勝だけ。対戦相手はランドルフだ。

ランドルフとは魔法を教えるついでに何度か手合わせをしたけど、回数を重ねるごとにメキメキと腕を上げていた。さすが剣担当なだけはある。

だから順当に行けば、優勝するのはランドルフだったはずだけど……

ごめんね。優勝するのは私なの。

それだけは変わらない。

さぁ、準備はできた。そろそろ始めようか。

「それでは決勝戦……始め!」