軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

番外編ー8.伯爵邸

領主隊員に案内された部屋の中を見ると……

「うわ……何これ……」

「これは酷いですね……」

「ね……これってみんな正気なのかな?」

「さあ、どうでしょう? 目はヤバイですね」

ビックリだぜ。部屋の中で黒いモヤモヤが渦巻いていたんだ。

「よくこの中に入ったね」

「まあ、気合いですかね? アハハ」

アハハ、じゃねーよ。マジ、無事で良かったよ。てか、本当に無事なのか?

「殿下、お忘れかも知れませんが、我々は殿下に頂いた防御に特化した魔道具を身につけていますから」

「ああ、そっか! 忘れてたよ!」

なるほど! だからみんな無事なのか! え? 本当に? それもビックリだぜ? 自分で作っておいて何だけどさ。アレッて、確かに防御に特化しているけど、シールドと、物理攻撃に魔法攻撃の防御じゃなかったか? たしか、精神耐性や防御は付与してないぞ?

「あれ? そうでしたか? アハハハ」

いやいや、怖いわ! いかん、帰ったらバージョンアップしたのを作ろう! マジ、作ろう! ソールにまた魔石をもらおう。とにかく、浄化だ。

『ピュリフィケーション』

どーよ! 部屋中、浄化してやったぜ! ふふん!

「殿下、また大胆な……」

「え? オク、そう?」

ちょびっとだけりんごジュースを飲もう。コクコクコクン。

「はい。部屋中1度になど聞いた事もありませんよ」

「あらら……」

まあ、いいじゃん。できたんだしさ。ついでに全員バインドだぜ。

「リリアス殿下、隣の部屋もお願いします」

オクソールと一緒に隣の部屋を見る……

「げ……」

「…………」

オクソール、無言じゃねーか!

「ねえ、オク。あの馬鹿子息、マジで大馬鹿だよね」

「ええ、稀に見る馬鹿ですね」

その部屋は武器庫の代わりの様だった。だが、部屋にあるライフルも短銃もすべて呪詛が込められていた。真っ黒黒だよ。

「本当に何考えてんだか!」

『ディスエンチャント』

部屋中に白い光が広がり消えて行った。

「これさぁ、オク」

「はい?」

「弾丸は全部クリスタルなの?」

「みたいですね」

解呪したライフルや弾を見ながらオクソールが答えた。

「それってさぁ、お金もかなり掛かっているよね?」

「ですね……」

「すべて押収して帰りましょう!」

あら、凄いじゃん。辺境伯領金持ちだね。

「殿下、それは違うかと」

「え? そう?」

「はい。陛下がだと……」

「あぁ、そっか。でもこれいいね。なんか付与してみんなに配ろっか?」

「アハハハ、再利用ですか」

「うん。だってもったいないじゃん」

なんて、馬鹿な話はいいんだ。

念の為、サーチしてみる。1階はもう問題ないな。でもさ……

「ねぇ、奥の厨房とかに使用人達が集まっているみたいなんだ。もう大丈夫だよ、て知らせてあげて。もし体調の悪い人がいたら集まってもらっておいて」

「は、殿下。了解しました!」

領主隊員が2人、俺が言った方へかけていく。

2階はどうだ? ああ、1部屋何か変だな。

「オク、2階に行くよ」

「はい、殿下。何かありましたか?」

「まだ分かんない。何か嫌な感じなんだ」

「了解です」

オクソールと階段を上り目的の部屋についた。

「殿下、開けます」

「うん」

オクソールがドアを開け用心しながら中を見渡す……なんだ?

「あの馬鹿子息が使っていたのでしょうか」

「みたいだね……でも、オク」

「はい。殿下、とにかく……」

「うん。そうだね」

『ディスエンチャント』

また部屋丸ごと解呪だ。あの馬鹿子息も危ないな。絶対に穢れてるよな。いかんね。

サーチで確認してから3階に上がる。

「兄さま、終わりました」

「そう。リリ、あいつもだね」

「ですね。皆、穢れは大丈夫でしたか?」

ま、とにかく……

『ピュリフィケーション』

白い光が部屋中に広がり消えていった。

「リリ、部屋全部か?」

「はい、兄さま。もう面倒で。セイン、大丈夫?」

「はい、殿下。何ともありません」

そっか。馬鹿子息の1番近くにいたのに平気か。辺境伯領の皆って、もしかしたら精神耐性が高いのかな?

そこにユキが、タクラート伯爵の子息と、馬鹿子息の父親を連れて転移してきた。

馬鹿子息の父親は、子息を見るなりズカズカと近寄って思いっきり張り倒した。馬鹿子息が吹っ飛んだよ。ビックリしたわ。

「お前は何て馬鹿な事をしたんだ!!」

「ち、父上! タクラート伯爵が悪いんだ! 魔物をちゃんと討伐しないからだ!!」

「馬鹿もんッ!!」

また、叩いたよ。この年代の人って熱いよね。ニルズといいさ。タクラート伯爵もだしさ。

そう思いながら、りんごジュース飲もうかな……と、マジックバッグから出そうとしたらオクソールに止められちゃったぜ。無言でさ。首を横にフルフルと振られてしまった。我慢しよう。

そして、馬鹿子息の父親が振り向きざまに土下座だ。見事に流れるような土下座だった。今度はビックリする間もなかったぜ。

「神獣様から話は聞きました。大変ご迷惑をお掛けしてしまい誠に申し訳ございません! 私は隣の領地を治めておりました、パドレス・グラークと申します。伯爵位を拝命しております。既に隠居しておりまして、息子がこの様な馬鹿な事をしておりました事に気付けませんでした。申し訳ございません!」

馬鹿子息は、ピエーク・グラークと言うのだそうだ。本当なら王都にいる筈なんだそうだよ。文官なんだってさ。なのに、こんな馬鹿な事をしたんだ。理由があるんだろ?

「あの、こんな事をするのにこれは関係ありますか?」

俺は、馬鹿子息が使っていた部屋で見つけた女性用の髪飾りとハンカチを出した。

「そ、それ! なんで!?」

馬鹿子息は奪い返そうとしたが、バインドしているので動けない。