作品タイトル不明
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「ラネル魔術院は確かにちょっとスパルタ気味かもしれません。学園長先生が戦闘部隊出身だからか、理解するより体で覚えろ方式の授業が多いです。魔獣と実際に戦わされたり、箒に乗る練習のときには高いところから突き落とされたりしたこともありました。魔獣退治の仕事を頼まれたこともあります」
「へぇ、噂は本当だったの!」
「すごいところね、ラネル魔術院! 信じられないわ……!」
「恐ろしいところね、ラネル魔術院!」
生徒たちは互いに顔を見合わせて驚いた顔をしている。
その後も私がラネル魔術院での体験について話すと、彼女たちは目を丸くしたり驚愕の悲鳴を上げたりしていた。
色々と認識の違いはあったけれど、体験入学は基本的に平穏に進んだ。
ルヴェーナ魔法学園に来てみて驚いたのが、安全面が徹底的に配慮されていることだ。授業で実践訓練をする際は、数人の教師に見守られながら安全性の高い道具を使って慎重に行うし、飼育している魔獣や栽培している魔法植物は授業以外のときは絶対に触れられないよう厳重に管理されている。
ラネル魔術院のように危険な授業を行ったり、魔獣が逃走している最中に平常通り授業を行うなんてことは、この学園ではあり得ないのだろう。
「メイベルさん、次は古代魔法研究の授業よ」
「この時期に来られるなんてラッキーね。ちょうど今、古代魔法の研究で有名なウッド先生が来てるのよ」
「わぁ、ウッド先生が? 楽しみです!」
私はわくわくしながら返事をした。古代魔法研究の授業を受けられるだけで嬉しいのに、有名なウッド先生から授業を受けられるなんて。
「行きましょう、メイベルさん」
「はい、今すぐ!」
教科書を持って、軽い足取りで彼女たちについていった。
それから、数日間ルヴェーナ魔法学園で過ごした。
王国で一番の学園だけあって、本当にルヴェーナ魔法学園の授業は充実している。豊富な設備をたっぷり使って、魔導書でよく名前を見かけるような有名な先生たちから高度な授業を学べるのだ。
ここでなら、きっと魔法省に行くための知識も技術もどんどん身に着けていけるだろう。
……けれど、これだけ恵まれた環境にいるのに、私は何か物足りない気持ちを感じていた。
授業は安全かつ有益で、ほかではなかなか得られない知識を得られる夢のような環境だ。
なのに、ラネル魔術院のスパルタ式な授業が恋しくなってしまう。それに……。
(……レナード様も一緒だったらいいのにな)
しんみりした気分でそんなことを思った。
ルヴェーナ魔法学園で今まで聞いたこともない魔法を習い、見たことのない魔獣を見ている時、レナード様とこの感動を分かち合えたらいいのにと思ってしまう。
こんなことを考えても意味がないとわかっていても、その気持ちは拭いきれなかった。