作品タイトル不明
6-7
「ダレル先生、何してるんですか?」
「あの子は誰? 転校生?」
ダレルさんの周りに、生徒たちが集まってくる。ダレルさんはドラゴンの人形を抱えながら、胸を張って言った。
「彼女はメイベル・ホワイトさん。すごい魔法の才能を持っているんだ。なんといったって、あのパデールを一瞬で眠らせてしまったんだからね」
「へぇ、すごい!」
「そんな子が転校してくるの?」
「いや、転校してきたわけではない。今日はまだ見学だ。ちょうどいい、君たちにも彼女の腕を見てもらおう」
ダレルさんはにこやかにそう言う。私は突然のことに戸惑ってしまった。みんなの前で実演するなんて聞いてない。
生徒たちは興味津々の様子で集まってくる。
「メイベル君、この人形を攻撃してみてくれ」
ダレルさんはそう言うと、ドラゴンの人形の顔に手をかざしながら呪文を唱えた。途端に人形は羽根をパタパタさせながら動きだす。
滑らかな動きは本物のドラゴンのようだ。技術の高さに、思わず見惚れてしまう。
ドラゴンの人形は私の方に体を向けたかと思うと、すごい勢いでこちらへ向かって飛んできた。
「ひっ!! さっき見ていた人形より素早くありませんか!?」
「メイベル君なら大丈夫だ! 遠慮なくやってしまってくれ!」
ダレルさんは明るい声で言う。私は困惑しながら、向かってくるドラゴンの人形に向かって杖を向けた。ドラゴン人形は口から炎まで吹きながら飛びかかってくる。
これは何の魔法を使って攻撃すればいいのだろう。そもそも壊していいのだろうか。ダメージを与えにくい魔法にするなら……。私は杖を構えながら頭をフル回転させる。
「えいっ!」
ドラゴン人形に向かって杖を振った。
その瞬間、地面から木が生えてきて、枝が触手のようにうねりながら人形に絡みついた。人形はまだバタバタ動いていたので、もう一度杖を振って拘束する力を強める。
やがて、暴れていたドラゴン人形の動きが止まった。
「えーと、これでよかったのでしょうか……?」
私は杖を降ろしてダレルさんを見た。
すると、ダレルさんは目を輝かせてこちらへ飛んできた。ダレルさんは私の手を両手でぎゅっと握りしめながら、興奮気味に言う。
「さすがメイベル君! 思っていた以上だ!! 一瞬でドラゴン人形の動きを封じ込めるなんて!!」
「あ、ありがとうございます」
「やっぱり君はラネル魔術院にはもったいないよ! ルヴェーナ魔法学園で学んでその才能を高めよう!」
ダレルさんは勢い込んで言う。
すると、訓練場にいた生徒たちも集まってきた。
「君、すごいよ! 一番攻撃力の高いドラゴンの魔獣型人形を倒すなんて!」
「木をあんなに自然に動かす魔導士初めて見た!」
「どうして最初からルヴェーナ魔法学園に入らなかったの? あなたなら簡単に入学出来たでしょう!?」
生徒たちは次々と質問を投げかけてくる。私は生徒たちに囲まれ、もみくちゃになってしまった。