軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

21 壁を超える

それからもほぼ毎日ダンジョンへと潜りゴブリンを倒して回った。

そして10日目には初期投資分を完全に回収することに成功した。

ある意味ここからがスタートだ。

「じゃあ、行ってきます」

「おお、今日も行くのか?」

「もちろん!」

今日は日曜日なので、この時間だけど父親も家にいる。

「無理するなよ」

「わかってるって」

俺の2大欲求。

戦いたいという戦闘欲は地上ではほとんど顔を覗かせることはない。

ダンジョンに潜りゴブリンを目にした瞬間スイッチが入る感覚だ。

一方の彼女が欲しいという欲求は、その逆に近い。

ダンジョンに潜っている間は感じないけど、地上に戻り平静になると常時湧いてくる感じだ。

つまりは、俺は起きている間常に2大欲求のどちらかに苛まれていると言っても過言ではない。

この2年間ほぼ無気力であったことを考えると、驚くべき変化だけど、これはこれで困ったものだ。

戦闘欲についてはまだいい。

ダンジョンに潜ってさえいれば満たされる。

もっともっとというのはあるけど、それでも一応満たされる。

問題は彼女が欲しいという恋愛欲だ。

ダンジョンシーカーになったとはいえ、それが地上での私生活に直結するわけではなく、基本トレーニング以外のルーティンもない。

つまりは女性と触れ合う機会は皆無だ。

ダンジョンに出会いを求めてはいけないのだろうか。

いや、そもそもFランクダンジョンでは出会いは期待できそうにない。

ダンジョンに女性に出会うことはないが、地上に出れば、歩いている人の半分は女性だ。

流石に道行く見知らぬ人に声をかけるなんてことは、強靭な意志でどうにか抑え込んではいる。

ただ、このままでは抑えきれる自信はない。

それほどに膨れ上がってきているのを感じる。

戦闘欲が満たされると、それに反比例するかの如く恋愛欲がわき溢れてくる。

俺も20歳。

そういうお店に行くことに法的な問題はない。

ただ、そういう事ではなく、きっとそれでは満たされることはないと心が訴えてくる。

そこに前世の抑圧された欲求が掛け算のように上乗せされている。

理性の限界。

ヤバイ。

外から見ればただのヤバい奴。

とにかくダンジョンに潜っている間は忘れられられる。

俺は日曜日であろうと休むことなくダンジョンへと潜る。

「ふ~~~っ。倒せました」

“日曜日もおつかれさん

“日曜だからか新規さんが2人増えてるぞ”

いつもの視聴者さんのコメントで気が付く。

視聴者数5。

おおおおお~っ。

3人の壁を破ってしまった。

ダンジョンに潜り始めて11日目。

3人の壁を破り視聴者の数が5人に!

「え~っと、初めての方は初めまして。初心者ダンジョンシーカーのショーゴです。まだ潜り始めたばかりなのでFランクダンジョンですが、飽きさせることのないようどんどん戦っていきますのでよろしくお願いします」

“よろ~”

“まじでこのチャンネルノンストップだから見て損はない”

やっぱり誰かに見てもらえるってモチベーションになる。

俺はゴブリンを探し即倒して回る。

「ギャギャ」

ゴブリンの攻撃を避け首下に刃を突き立てる。

いつも通りの動作でたおすことはできた。

“武器が小さくてスマホじゃ視づらい”

倒した後にショッキングなコメントが入ってきた。

おそらくは新規の視聴者さんだろう。