軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

20 ガッシュチャンネル

「ギャギャギャ」

たとえ複数のゴブリンが出現したとしても、もう問題とはならない。

間合いさえ見切れば、あとはナイフを突き立てるだけ。

視られていても全く問題ない。

ダンジョンチューバー ガッシュチャンネル。

視聴者数は僅かに3。

たった3人だけど俺にとっては大事な視聴者さんだ。

最下級のFランクダンジョンでゴブリンを倒すだけのチャンネルに来てくれた視聴者さん。

「上手く倒せました」

戦闘が終われば視聴者さんとのコミュニケーションタイムだ。

周りにモンスターがいないのを確認しつつ端末を取り出し画面に目をやる。

“これで何匹目?”

「あ~大体ですけど30くらいですかね」

“倒しすぎ”

「そうですか?」

“いくらレベル3って言ってもおかしいぜ”

「そんなことはないと思いますけど」

“ふつうレベル3でそんなに倒せないんだって”

“確かに普通じゃない”

”レベル詐欺か?”

「レベル詐欺って、低く伝える意味ってないでしょ」

”確かに”

ヤバイ。

普通に楽しい。

黙々とゴブリンを倒すのも楽しいけど、視聴者さんとやり取りしながらだと、より楽しい。

おそらく2年間も誰とも喋ってなかった反動なのかもしれないけど、誰かと繋がってるって素晴らしい。

俺がゴブリンを倒すたびに反応がある。

同じことの繰り返しで飽きられるんじゃないかと思ったりもしたけど杞憂だった。

「またゴブリンです。サクッと倒してきますね」

一応、ゴブリンを倒す時は映えを意識したりはしてみているが、ナイフではそう派手なアクションがあるわけでもなく、かなり地味目になっている自覚はある。

ただ、今の俺に出来るのはこれしかないので、どんどんゴブリンを倒して回る。

どうやら俺のようにゴブリンを淡々と狩るのはレアらしく、みてくれた3人はしっかり登録してくれたようだ。

”ゴブリン雑魚”

”ショーゴ強い。絶対Fランカーの強さは超えている。もしかして逸材・”

”逸材の配信に視聴者3人ってそれはない”

”確かに”

ゴブリンを倒し終える度に端末を取り出して視聴者さんのコメントを確認してしまう。

「もっと視てもらえるよう頑張ります」

配信始めてからゴブリンを倒すのが楽しすぎる。

これは、配信する人が増えるのも無理はない。

未知の世界に踏み込んでしまったような、ワクワク感。

自分一人だった世界が一気に広がったような快感。

その後も配信を続けつつゴブリンを狩って周り、時間となったのでダンジョンを切り上げることにした。

「お願いします」

「ゴブリンの魔石が65ですね」

「なんか、ダンジョンのゴブリン多くないですか?」

「Fランクダンジョンが不人気なもので、桐谷さんのような方は助かります」

「それならよかったです」

「それよりレベル3のソロでゴブリン65匹ですか。配信の方はいかがですか?」

「配信ですか? 今登録者さんは3人だけですけど楽しいです」

「配信は積み重ねと運的要素がありますから、ゆっくりとやるのがいいかもしれません。何かをきっかけに突然跳ねることもありますから」

「わかりました」

まあ、今でも十分楽しいから今の視聴者さんが居なくならないようにだけ気を付けないとな。

それにしても6万5千円か。

配信も楽しいし、ゴブリンを倒すのも楽しい。おまけにこんなに稼げるって、もしかしなくてもダンジョンシーカーって最高じゃないのか?