軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

別話17 港町モタンペ防衛戦 1

「それでこれからどう行動する?」

港町モタンペを守るため、行動を開始しようとする前にサローナはナミニッサへと問いかける。

ワズのハーレムメンバーの中でナミニッサはその王族としての生まれ故なのか性格上なのかはわからないが、実質リーダーのような立ち位置になっている。ナレリナはその自慢の妹を補佐するようぬ動いている。

そして全員で行動する際は大抵ナミニッサがその指針を示していた。

「そうですね……どれほどの魔物がここに襲いかかってくるかはわかりませんが、想定以上の数が間違いなく来るでしょう……」

ナミニッサは不安げな顔でそう断言した。

こういう時ほどワズの規格外の強さが必要になってくるが、ワズは他に行くべき場所がある。だからこそ、ここは自分達でどうにかしなければならない。そしてワズが悲しまない様に誰も死んではならないのだ。

その決意と覚悟がナミニッサの視野を狭めていく。

だが、決してナミニッサが間違える事は無い。

なぜなら、ナミニッサには生まれてからずっと傍に居る双子の姉が居るからだ。

「……こら、また難しい顔になってるぞ!!いつも言ってるだろう、1人で考えすぎだ。周りをよく見ろ。ナミニッサの周りには誰が居る?」

「……姉様含め、ワズ様のハーレムメンバーです」

「そうだ!!それも最強のな!!そんな私達じゃ頼りないか?」

ナレリナはナミニッサに向けてそう言うと、ハーレムメンバーを自慢するように不敵な笑みを浮かべた。その笑みを見て、ナミニッサは緊張感を少し緩め、肩の荷を下ろすように少し下がる。

「……そうですね、私達は誰にも負けない、どんなものにも負けないワズ様のハーレムメンバー……そんな私達が魔物如きに遅れをとる訳がありませんね……」

「そうそう、どーんと構えて、ばーんとやっちまえばいいんだよ!!」

「……私達がここに居る時点で過剰戦力」

「ハオスイの言う通りです、ナミニッサお姉ちゃん!!どーんと私達に頼って下さい!!そして、見事に町を守って、戻って来たお兄ちゃんに存分に褒めてもらいましょうよ!!」

ナレリナの言葉に追随するようにハオスイとカガネがナミニッサへと安心させるように声を掛け、サローナ、タタ、マオもその通りだと頷く。

「では、皆に存分に頼って、この町を救いましょう」

ナミニッサも安心したのか笑みを浮かべた。

そこからのナミニッサの行動は速かった。瞬時に魔物達に対してどう行動するかを決め、それをハーレムメンバーへと伝えると、各自動きだした……

この港町モタンペには3つの入り口がある。陸地にある東門と西門、それと海に隣接している港だ。それ以外は王都イスコアに比べると低いが頑丈な壁が町を守っている。

その全ての出入り口から魔物が押し寄せてくると判断したナミニッサは、まずは町の住人と騎士達を一ヶ所に集め、今からこの町で起こるであろう事態を簡単に説明した。

「……と、いう訳でこれから直ぐにでも魔物がここへと押し寄せて来るでしょう。ですが心配はありません。私達が必ずこの町を守ってみせます」

だが、ナミニッサのその言葉を聞いた住民、騎士達に怯える様子は一切無かった。

それもそのはず、今やこの町に居る人々のそのほとんどは元マーンボンド王国の人達なのだから。例えマーンボンド家が王家で無くなったとしても、この町の人々はマーンボンド家の面々が大好きであり、慕っているのだ。

そんなマーンボンド家の姫であるナミニッサが……そのナミニッサと共に生きていくワズのハーレムメンバーが町を守るために戦うというのなら、自分達も加勢するという思いに駆られるのは当然の帰結といえる。

そこかしこから「俺も戦う」と立ち上がる者から始まり、それはこの場に集まっている全ての者達がナミニッサ達と共に戦う意思を示した瞬間であった。

その光景にナミニッサ達ハーレムメンバーは深く一礼する事で応えた。

ナミニッサの考えた作戦は単純だ。

町の各入口に戦える者達を集め、ハーレムメンバーも分けた。

まず東門にはサローナ、タタ、マオと、この町の戦える者の約6割を割いた人員で固め、西門にはナミニッサ、ナレリナと、残りの4割を集めた。

そして港側にはカガネ1人を配置し、町を覆う壁の上にはハオスイを。

この配置を選んだのは至ってシンプルな戦力比と、この場において過剰戦力と言ってもいいハオスイとカガネを自由に動けるようにしたためだ。

東門の指示はサローナへと一任し、西門の指示はナミニッサが行う。

そして、海から来る魔物はカガネの魔法で一掃し、超遠距離からの魔法による援護も考慮している。そして、ハオスイは一ヶ所に留める事はせず、遊撃に徹してもらう事にした。

そうして其々がこの町を守るため、担当する場所へと移動し終わった時、その視界から見える地平線の先から、その地平線を塗り潰す程の、視界を埋め尽くすような魔物達が一斉に押し寄せて来た。