軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

置き土産の女性はどなたですか?

自分の正体?を言った光の女神様が何やら頬を膨らませて俺の背中をぽかぽかと叩いているが、俺はシロの置き土産だと言って残していった女性の状態を確認する。口元に手を当てれば、小さくだが呼吸をしている事から生きてはいるようだ。

黄金のような長い金髪に、少し幼い印象だが整った顔立ち、身なりは先程も確認したが高貴な身分の人が着そうな仕立てのよいドレスを着ていた。

ただやはり見た事がない人だ。何故この人が置き土産として残されたのだろうか?俺がそうして疑問に思っていると、闇の女神が居なくなった事で動けるようになったサローナ達が近付いてきたので、俺は女性をそっと寝かして、まずはサローナ達に俺とシロとの会話の内容を伝える。

「あの者がエルフの里に起こった事の元凶であったのか……それはまぁいいが、あんな者とワズさんが似ているなど断じてない!!潰す!!」

「領主の裏にはあの者が……ただそのおかげでワズさんからの告白を聞けた訳だし、その事には感謝しますが、放置は出来ませんね……全く似てませんが」

「この世界に住まう者の1人として邪神の復活など認められませんね……しかしそれ以上に許せないのはワズ様と自分が似ていると言った事……さくっと殺しましょう」

「ふむ……この事は世界に広く広めた方がいいだろう……そのためには王族を招集し、その場で今起こっている事を伝えた方がいいだろう……ワズの方が圧倒的に魅力的だ」

「……邪神だろうが関係ない……全て駆逐するだけ……あいつには闇の女神だけ……だけど旦那様には私達がついている」

「うちのお兄ちゃんが一番なんじゃ~!!ふぉ~!!燃えてきたぁ~!!アイツと闇の女神、おまけに邪神もまとめて泣かせてやるぅ~!!」

「父上の変貌もあの者の手によるという事か……なら娘として相応の借りを返さねばならんな……それに夫殿に対しての物言いにも我慢ならん!!」

「ワズさんの私への態度を改める事を提案します!!」

若干1柱関係無い事を言っているが、これがサローナ達の率直な反応だった。若干1柱様は、そうして欲しいのであれば、もう少し自分の行動を鑑みて下さい。世界がどうなってもいいのだろうか……サローナ達のなんとも頼もしい発言とこそばゆい発言に俺もぽろっと零してしまった

サローナ達が住んでいる世界を守りたいと―――

その言葉はいうなればサローナ達のために戦うという風にもとれる訳で……まぁ間違ってはいませんけど……その事を逃さず耳に入れたサローナ達は嬉しそうに頬を染め破顔し、自分達の愛情を俺へと伝えるためにぎゅうっと抱き着いてきた。

すいません、若干1柱どさくさに紛れて俺に抱き着いてきています!!

このままこうしているのはさすがにマズイし、俺の理性的にも影響があるので一旦離れるように言うと、皆渋々ながら応じてくれた。はいはい、光の女神様も離れましょうねぇ……

俺はほっと一息つくと改めて皆を見回し、眠っている女性をの方へと視線を向けながら尋ねる。

「それで皆に聞きたいんだ……この人が、シロが置き土産として置いていった女性なんだけど、誰かこの人の事知っている人は居る?俺は見た事無い人なんだけど……」

俺は皆に女性の顔が見えるように少しずれて確認させたのだが、サローナ達の表情を見る限りだと誰もわからないようだ。ただ、服装から貴族ではないか?との意見はあった。しかし、それだけだとどうしようもないな……これは女性が起きるまで待たないといけないか?そんな事を考えていると、最後まで女性を眺めていたカガネが何かを思い出したかのように「あっ」と小さく口を開いた。

「カガネ?何かわかったのか?」

「……私も1度しか会ってないから絶対じゃないんだけど……もしかして……この国の王様の1人娘であるエリス姫様かもしれない……」

……え?姫様?いやいやいや、嘘でしょ?カガネ、よく思い出して?どう?違うでしょ?というか違うと言って欲しい……

「……」

俺は言葉を発する事が出来ず、確認するように同じ王族であったナミニッサ、ナレリナに顔を向けるが……

「すいません、この国の王様とは会った事はありますが、姫とは会った事はないのです……」

「妹と同じく……」

もちろん、俺もこの国に住んではいたが、王族の顔を見た事なんてない……だって俺普通の平民だし……というか今も平民だけど。

これは本当にどうしようかと思う。このまま連れて歩くのは論外だし、攫われてましたよとお城へ連れていく訳にもいかない……これはどうする……と皆と一緒に考えていると「んうぅ……」と呟きが聴こえると共に女性が目覚めた。

目覚めた女性はまだ半覚醒の寝ぼけ眼で俺達をぐるっと見渡すと、徐々に自分の置かれている状況を理解していく……ってこの状況ってまるで俺達が攫ってきたかのように見えるんじゃないか?

その事に気付くと同時に女性は叫ぶためなのか大きく息を吸い込んだ。反射的にマズイと思った俺は即座に行動に移る。

「光の女神様!!」

「はいっ!!」

俺の意図を正しく理解した光の女神様が右手を高々と掲げ、神のオーラを身に纏う。そのポーズに意味はあるのだろうか……だが、女性は神のオーラに当てられ、叫び声を上げる前に跪いた。サローナ達はもう慣れたのか平然としていた。しかし、この構図もヤバイ。1人だけ跪いて、その1人を囲うように立っている俺達……

俺はこほんと咳払いをすると、光の女神様に神のオーラを静めてもらい、顔を上げた女性と視線を合わせるように腰を下ろす。

「……えっと……エリス姫様でよろしいのでしょうか?」

「はい……それで一体私はどのような状況なのでしょうか?」

本当にこの国の姫様だったのか……なんというかシロが関わってるし、嫌な予感がひしひしと感じるのだが、まずは事情説明からか……

そして俺達は簡単に自己紹介した後にこの場で起こった事を話した。シロと闇の女神、エリス姫様も王族である以上、今後の協力の事も考えて邪神の復活の事も伝えておいた。

全てを聞いたエリス姫様は何やら思案するように考えだし、1つ頷くとこちらへと顔を向ける。

「このまま私を連れて、この城下街の外へと連れ出して貰えないでしょうか?」

……はぁ?