作品タイトル不明
マオリーンとの関係
マオリーンさんが俺から唇を離す
と、一瞬でそのマオリーンさんは連れ去られた……サローナ達に……
「……え~と」
サローナ達の勢いに傍観してしまったけど放置する訳にはいかないよな。マオリーンさんいいきなり口付けされた時は驚いて固まってしまったけど……これってそういう事だよな?けどマオリーンさんに気に入られる事した覚えないんだけど……
俺は1つ息を吐き、頭を掻きながらサローナ達の後を追った。
城の中にある一室にサローナ達は居た。マオリーンさんを取り囲むようにして逃げ道を塞いでいる。その部屋の中にはマオリーンさんのお父さんであるデイズも居た。腕を組んでその様子を見ている。いや、助けてやらないのかよ?俺はそのデイズへと近付いて行く。
「俺が言うのもなんだけど、見てるだけなのか?」
「娘の問題だ。婿殿」
……ん?
「……婿殿って俺の事か?」
「他に誰が居るのだ」
ぐるりと部屋の中を見てみる。うん、俺しか居ねえな。
「娘の事をよろしく頼む」
そう言ってデイズは深く頭を下げた。
「いやいやいや、何で既に納得済!!ていうか、父親的に俺でいいのかよ?他に嫁さん達が居るんだぞ?」
「問題ない。それに婿殿の嫁も強者ばかりだ。娘も喜んでいるよ」
デイズはそう言って満足気な顔でサムズアップを俺に向ける。俺はため息を吐くとサローナ達の方へと視線を向ける。そこではどうやらまだ話し合いの最中のようだ。
「やはり許せんな……私もまだなのに」
「許せませんね……まだしてもらってないのに」
「断固抗議します……まだなのに」
「まぁまぁ、彼女の気持ちも本気のようだし……」
「……私達は旦那様の寛容な嫁」
「獣耳ですよ!!獣耳!!ふぉ~!!もふもふなでなでさわさわしたいっす!!性格も問題ないですし、お兄ちゃんのお嫁さん同盟に入れても問題ないんじゃないですか?」
「この気持ちは本当なんだ!!どうか私もワズ殿のお嫁さん同盟に入れて頂きたい!!」
……なんか見事に2つに別れていた。俺と口付けを交わした事があるのとないので……というかカガネは俺の妹であって、お嫁さんとは認めてないんだけど……というかよくよく話を聴いているとサローナ、タタ、ナミニッサの3人は俺と口付けを交わしていないのにマオリーンさんが唐突とはいえ俺に口付けをしたのが納得していないように思える……だって3人の顔が修羅のようになっているから……正直怖い……
でも、俺が行かなきゃいけないんだろうなぁ……
ちらっとデイズの方を見ると「行ってこい婿殿」と言いたげに、立てた親指をサローナ達の方へと指し示す。俺は大きく息を吐くとサローナ達の方へ向かった。近付くとそこでようやく俺が来た事に気付いたのか、今度はサローナ達とマオリーンさんが俺を取り囲んできた。
「どうするつもりなのだ?」
「お嫁さんに迎えるのですか?」
「最終的に決めるのはワズ様ですけど……」
「私は別に構わないぞ」
「……旦那様しだい」
「お兄ちゃん獣耳ですよ!!獣耳!!」
「想う気持ちは本当だ。だから私もハーレムに……」
「「「「「「「決めて下さい!!」」」」」」」
うん、まぁそうだよね……はぁ……
「えっと……と、とりあえず、サローナとタタとナミニッサはその顔怖いからやめようか……」
「「「ですがっ!!」」」
あぁ、今度は泣きそうな顔になってるし!!わかってる!!わかってるから!!
「ちゃんと皆の事は好きだし……その……そういうのもちゃんとするから……だからいつものように笑顔を見せてくれないかな?」
俺の言葉に安心したのか、サローナ、タタ、ナミニッサの3人だけではなく、ナレリナ達も俺に笑顔を向ける。うん、可愛い可愛い。けど、カガネはまだ違うからね?マオリーンさんも違うからね?
「……それでえっと……マオリーンさんの事だけど……その……時間を貰えるかな?皆にも既に言ってるんだけど、ちゃんと結ばれるのはある事が終わってからって事で納得して貰ってて……それまでの間にマオリーンさんとの事も考えるから……まぁ、既にマオリーンさんの方は親が了承してるんだけどさ……」
そう言ってちらっとデイズを見ると、腕を組んで無言で頷いている。なにげに片方の手はサムズアップしていた。
「それでいい。先程の行動もまずは私の気持ちを知って欲しいがためにした事だ。大事なのはこれからだと私も思う。私の事を知ってもらえる時間を作ってくれるなら、申し分ない。拒絶される事も考えていたので、正直ほっとした……」
マオリーンさんが答え、安堵したのかほっと一息していると、デイズが娘に声を掛ける。
「マオリーンよ。強い子を産むのだぞ!!」
「はい、パパ!!」
はえ~よ!!気がはえ~よ!!まだそこまで至ってないから、とりあえず一緒に行動してお互いを知っていこうって話でしょ?なんでいきなりそこまで飛んでるの?怖いよ!!その思考の飛び方が怖いよ!!というか、デイズの発言に感化されてサローナ達も全員がおなかに手を当てて妄想してるし!!まだしてないからね!!そこに生命は宿ってませんからね!!
「……と、とりあえず、皆もそれでいいかな?お互いを知っていくために、これからマオリーンさんとも一緒に行動するって事で?」
俺がこれはこういう話なんだよ?と確認するように伝えると、全員が俺の方を一斉に見て頷いた。
「「「「「「「わかりました」」」」」」」
うん。とりあえず、既に呼吸は一致している事はわかったな……はぁ……
その後、マオリーンさんからは自分の事を愛称として「マオ」と呼んでくれと言われたのでそれを了承して、マオからは俺の事を「夫殿」と呼ぶ事を了承させられた……気が早いと思ったのだが、デイズは既に俺を「婿殿」と呼んでいる事から既に今更だと思い、もう諦めた……