作品タイトル不明
別話7 ヒロイン達の想いは一緒
女神様?が帰られました。
なんというか、女神様と言われてもピンときませんが、ワズ様がそう言うのなら信じましょう。
私はパンと手を打つとワズ様の方へ向きます。
「さて、今後の事ですがワズ様の事ですから、ここから南にある国に連れ去られた獣人を助けに向かうのでしょう?」
「そのつもりだけど?あれ?不味かった?助けようかなぁって思ったんだけど?」
「いえ、事情は昨夜マーラオ様の父上であるギオ国王様から聞きましたので、問題ありません。むしろ、助け出す事には私達は大賛成です」
「あぁ、エルフもよく狙われるし、気持ちはわかる」
「えぇ、とても許せる事ではありません」
「同じ人族と思いたくない程、恥ずかしい奴等だな」
「……友達を泣かした……殺す……」
皆様とても殺る気満々です。勿論、私もですが。まぁ正直、ワズ様とハオスイを敵に回した時点でもう詰んでいますけどね。非道な行いをする報いを受けるがいいです……
「み、皆顔が怖いよ?」
おっと、いけない。ワズ様にはいつでも私達の笑顔を見て貰わなければ。アナタの事が大好きですと伝わるように……皆様もそれが分かっていますので、すぐに笑顔をワズ様に向けます。ワズ様は毛布に包まり、相変わらず少し体が震えていますが、その小動物のような姿が……か、可愛い……じゅる……
駄目駄目。今は自重しないと……
「では、その後にアリアの所へ向かうのですか?」
「……そ、それなんだけど、ア、アリアって今どこに居るんだろう……」
ワズ様が困った顔で悩んでいます。あれ?
「ワズ様はあの時の話を聞いておられなかったのですか?」
「……あの時?」
「王国のギルドマスター室でニアミスした時です」
「………………覚えてません」
ワズ様が恥ずかしそうに視線を逸らします。あの時の隠れて気絶するという事を思い出して恥ずかしくなったのでしょうか?別にそんな事はありませんよ。むしろその事があったから、ワズ様が会いに行こうとしているのが、アリアであると思ったのですから。
「そうですね、あの時のワズ様はそれどころではありませんでしたからね。でも問題ありませんよ。アリアの友達である私がちゃんと覚えてますので。アリアは現在ワズ様の故郷でもある、大陸南の王国に居るそうです」
「そ、そうなんだ……」
「ですので、まずは南の国に獣人達を助けに向かい、そのまま王国へと向かうのがよろしいかと思います」
「そうだね……そうしよっか」
そこでサローナが手を上げ、声をかけてくる。
「それはわかったのだが1つ聞いてもいいか?」
「なんでしょう?」
「先程から気になってはいたのだが、何故ナミニッサ達は呼び捨てなのに、私とタタは「さん」付けなのだろうか?」
あっ、それは私も気になっていました。タタもうんうんと頷いています。
「……え、えっと……」
ワズ様が困ったように答えます。
「……な、なんとなく……かなぁ」
気持ちは分かります。私達姉妹とワズ様は同い歳で呼び捨てでいいと言っているし、ハオスイは明らかに年下。でも、サローナとタタはどう見ても年う……あまり、女性の年齢についてとやかく言うものではありませんね。
「なんとなくなら、私達も呼び捨てにして欲しい。駄目だろうか?」
「お願いします」
サローナとタタがワズ様に頭を下げます。
「……うぅ……わ、わかった……えっと……サローナ、タタ……これでいい?」
ワズ様が震えながらそう答えます。ワズ様のその答えにサローナとタタは嬉しそうに微笑み合います。ふふ、よかったですね。
「では、一度私達は退出しましょうか?どうもワズ様は寝ずに私達の事を考えていたようですし、少し休ませましょう」
「そうだな」
姉様が私の提案に賛同すると私達は頷きあい、この部屋を出て行きます。もちろん、退出する際に全員一声かけていきます。
「ワズさん、ゆっくり休んでくれ。大好きだ」
「ワズさん、おやすみなさいませ。大好きです」
「ワズ様、ごゆるりと。大好きです」
「ワズ、ちゃんと寝ろよ。大好きだぞ」
「……旦那様、おやすみ。大好き」
綺麗に皆大好きと言って出て行きました。
部屋を出た私達は、とりあえず私の部屋に集まります。部屋の中央に置かれている2つの大型のソファーへと座り、紅茶を飲んで一息ついています。
「……ふぅ……とりあえず、1歩前進と言った所だろうか?」
「そうですね、未だ震えられるのは寂しいですが、それはこれから改善すれば」
「えぇ、ハーレム目指して頑張っていきましょう」
「そうだな、今はワズの傍に居る事を喜ぼうじゃないか」
「……大丈夫。旦那様ならきっと私達の気持ちを分かってくれる」
私達は互いに頷き合う。
「頑張ろう。ワズさんのお嫁さんになるために」
「そうですね。互いにフォローして」
「ワズ様の素敵な奥様達になりましょう」
「足手まといにも成りたくないしな」
「……皆でお互いを鍛える」
私達は1つの目標のために再度意識を固めていく。
「「「「「そして、皆一緒に初夜を迎えましょう!!!!!」」」」」
フフ……今からその日が楽しみです。