軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

隠れ家

このまま地下室で話しあう事もなんなので続きは上で話す事になった。地下室を出て階段を上がるとそこは普通の家屋の中だった。どうやら街の中にある1つの家屋の地下に繋がっていたようだ。そのままバーロさんに案内されるままリビングへと招かれると、そこにあったソファーに座る。メアルは俺の腕の中から再び定位置である頭の上へと移動した。その間もグレイブさんとイウラさんは腕を組んでイチャつきっぱなしである。羨ましくなんかないんだからね。そうして室内を見ていると、不意に目の前にあるテーブルに湯気がたっている淹れたての紅茶が運ばれてきた。紅茶を運んできた人物に目を向けると、そこには牛耳の獣人さんが居た。爆乳である。その爆乳に目を奪われている事に気付き、バッと視線を上に上げると牛耳の獣人さんと目が合い、微笑みを浮かべられた。は、恥ずかしい。顔を赤くして恥ずかしさを紛らわすように視線を室内へと向けると、もう1人見た事のない獣人さんが居た。壁に背を預け腕を組み、目を瞑っているが武人のような気配を漂わせる鳥の獣人さんである。組んでいる腕の中には槍が納められている。あれで戦うのであろうか?その間もグレイブさんは俺と同じようにソファーへと座りイウラさんとイチャついていた。そろそろやめましょ!周りの人の目も考えて下さい。お願いします。じゃないと武力介入しますよ。そうして時間がある程度潰れるとマーラオと先程地下で見た猿耳の獣人さんが一緒に部屋へと入って来た。マーラオは俺と対面するように反対側にあるソファーへ座り、それを確認したバーロさんが室内に居る者に聴こえるように声を出した。

「これで全員揃ったな」

「全員?」

バーロさんの言葉に思わず答えてしまったが……え?全員?これで全員?俺とグレイブさんを除くと6人しか居ませんが、これで全員なんですか?

「フッ、安心しろ。この場に居る全員と言う意味だ。この家の他にも穏健派の息のかかった場所はある。穏健派の大多数はそちらの方へ分散しているのだ」

思った事を見透かされて恥ずかしくなった。そうですよね。そんな訳ないですよね。

「ワズ坊が場を和ませた所悪いが、今の状況をきちんと聞きたいんだが」

グレイブさんが真面目な口調でバーロさんへと問いかける。あれ?いつの間にイチャつきが終わったんだ。さっきまでイウラさんとイチャついてましたよね?あれ?あれ?何このグレイブさんから感じる出来る大人感……悔しくなんかないんだからね!!

「そうだな。まずは助っ人達に俺達の自己紹介をしておこう。先程言ったように俺は元近衛兵長をしていたバーロだ。イウラもまぁ言わなくてもわかるか」

えぇ、グレイブさんの奥さんの1人ですね。言わなくてもわかります。先程のイチャつきっぷりで嫌って程分かりました。

「で、猿の獣人と鳥の獣人は俺の元部下でグンキとラウだ。牛の獣人は城のメイドだったリノだ。これからよろしく頼む」

「グレイブだ。これでもSランク冒険者だから期待してくれていいぜ」

「ワズです。それで俺の頭の上に居るのがメアルです」

「キュイ!」

そう言ってバーロさんは俺とグレイブさんに頭を軽く下げると、それぞれ他の獣人さん達も手を上げたり、頭を下げたりと俺達へ挨拶をしてくれたので俺もそれに応えるようにペコッと頭を下げておいた。

「それで今の我々穏健派の状況だが……ハッキリ言って良くない。強硬派に捕らえられている面々は王・ギオ=レガニール様を始め、穏健派の有力者、指導者であり、そのほぼ全員である20名程であり、そのため上を押さえられ穏健派の残りの面々はまとまった動きが出来んのだ。個別に挑んでも強硬派の方が戦力では圧倒的に上だからな。潰されて終わりだ」

バーロさんが悲痛な面持ちで話してくれた。どうやらかなり追い込まれているみたいだ。まぁ、だからこそハオスイに助けを求めたのだろうな。確かにハオスイの力ならどうにか出来るかもしれない。思いっきり力技だけど。まぁ俺も出来るけどね。ただそれも人質が居なければの話だ。まずは人質となっている穏健派の人達を助け出さなければならない。その事をグレイブさんもわかっているので話の続きを促していた。あれ?いつの間にかグレイブさんが主導になって俺がおまけになってない?まぁいいけどさ。

「なるほどな。それで人質となっているその穏健派の面々の居所はわかってるのか?」

「あぁ、現在城の地下牢に捕らえられている事が分かっている」

「ならまずは救い出さないと話にならないな」

「その通りだ。なので明日夜に、城に忍び込もうと思っている」

「地下牢なら道案内は任せて!!人目につかない道なら知ってるから!!」

マーラオが私に任せなさいとでも言うように自分の胸をトンッと叩く。だが、そんなマーラオの行動を見たバーロさんは頭を抱えると諭すようにマーラオへと言葉を発した。

「いえ、姫様にはこの家に残って貰います。地下牢へと赴くのは私と助っ人の2人で行くつもりですので」

「なんでよ!!私だってお父様達を助けに行くから!!」

「駄目です。危険すぎます。姫様は我々穏健派に残された最後の希望なのです。万が一があってはならないのです。ご理解下さい」

そう言ってバーロさんがマーラオに向け深々と頭を下げたままその姿勢で止まった。そんなバーロさんに相対するマーラオはぷるぷると震えながら天を仰ぐと大きくため息を吐いた。

「……はぁ……わかったわよ。ここで待ってればいいんでしょ!!その代わり絶対助けてきてよね!!」

「……お任せ下さい」

マーラオとバーロさんのやり取りが終わると1度この場は解散になった。ただ、獣人は匂いに敏感なので俺とグレイブさんは明日の夜までこの家から出る事を禁じられた。バーロさんが言うには現在この街には獣人しか居らず、普通の人族が出歩けば目立つためそれを避ける事と、街のほぼ全ては強硬派で固められているので念のためという事だ。そうしてこの家の自分達にあてがわれた部屋へ向かったのだが、やっぱりグレイブさんとイウラさんは同室だった。寂しくなんかないんだからね!!