作品タイトル不明
いつの間にか隣に立つ少女
どーも私です。
そうそう、言い忘れてたんだけどね。私の超越者としての扱える力が増えたんだよ。
何度もゲームをやって、能力を得て来た成果だね。
セットできる能力スロットを増やしてもいいけど、領域の外に携帯ゲームを持ち出せるようにもしたい。
悩みどころだねぇ。
とりあえず保留にしとこ。
ところで今は、領主館の散策中なんだけどさ。
「なんか見回りが多くね?」
おい、何だコレ……。部屋を出てから既に5回も職員とすれ違ったぞ。
なんだ? 豚貴族が見回りの増員でもしたか?
ん〜、見回りの話を盗み聞きしてみたんだけど、そう言う訳じゃ無さそう。
これが通常なんだ。今までは豚貴族が見回りの人数を少なくしてたんだね。
理由としては、暗殺者に出会って一般の職員が危険にならないようにかな? もう一つの理由は豚貴族の死にたがりのせいだろう。
まぁ暗殺者騒ぎがなくなって通常シフトに戻ったって所だね。
「私としては動きづらくなったわ……」
豚貴族が言ってたんだけど、豚貴族の暗殺命令は解除されたらしい。まぁバカ息子が豚貴族の手に落ちたからね。解除させることも可能だろう。
「う〜ん、しかしどうする?」
正直、この警戒の目を掻い潜って行動するのは骨だぞ。
まぁ気をつけて行動すれば、いいだけなんだけど……
「そろそろ別の場所に目を向けてもいいんじゃないかな?」
正確には領主館以外の区画か、
「もしくは街か……」
領主館はあらかた散策し終わった感がある。ならば行動範囲を広げてみるのも手だね。
「よし、決めた! 今日は街まで繋がる道を見つける事にしよう!」
街まで行けたら、もしかしたら金を手に入れる手段も有るやもしれん。
それならば、さっそく行動だ。
この領主館から向かえる場所で、私が見つけた道が四ヶ所ある。
一つは兵舎に繋がる、あの石橋だ。現在復旧作業中で通れないが、今回は用がないのでいいだろう。
二つ目と三つ目は道が伸びてるだけで先に進んだ事がないから何とも言えない。
四つ目は領主館の玄関前から続く道だ。前に服を作るために街に行った時はここから出たから、街に出るなら正面玄関だろう。
コソコソと玄関ホールまでやってくる。
玄関扉にスキマを作成してニュルっと入り込み、外に脱出。慣れたもんよ。
「……ッ!」
「やべ……」
え〜はい。やっちまいましたね……。
玄関脇に門番みたいなのが立ってたわ。
道路とスキマは、飛び出す前に確認しようね。
「……」
「……」
今さぁ、扉の前に門番さんと並んで立ってる状態なんだぁ……。
なんで並んでるかって言うと、門番って外から来る人を見張るために前向いてるのよ。
内側から出て来た私と並ぶ事になるのは当たり前だよね。
「……」
「……」
何も言わないね……。き、気づいてないのかな?
そろ〜っと横目で門番を覗いてみる。もしかして居眠りしてるのやもしれん。
あ、ダメだわ……。バッチリ私に気づいてる。
こっちは向いてないけど、変な汗かいて眼球がバイブレーションしとるわ。
幽霊騒ぎってこれかぁ……。
そうよね。真夜中にいつの間にか知らない幼女が、隣に立ってたらビビるよね。
「……ハァ」
「ッ!」
軽くため息をついたらビクッとしてる。
幽霊に出会った時のリアルな反応って、こんな感じなんだろうな。
幽霊に気づいてないフリをする。幽霊に気づいたことを悟られないようにする。
あ〜分かる分かる。幽霊って自分の姿が見えていると思われると、興味を引かれて付いてくるって言うし。
だったら気づいていても、気づいていないフリをするのも本能だろうね。
いや〜すまんけど、利用させて貰いますわ。
私は、そのままニュルっと扉のスキマに戻り込んだ。
そのまま観察していたけど、門番さんは動かない。
しばらくして、背中に定規でも差し込んでいるかのような動きで、歩いて行った。
「どっか行っちゃったよ……。持ち場とかいいのかな?」
まぁ今回は私のミスだ。何も馬鹿正直に正面玄関から出なくても、いくらでも私なら脱出できるんだし。
私は倉庫の窓から抜け出して、領主館を抜け出した。
そして舗装された下り坂をジェットブーツで下って行く。
「おお! 屋敷の中と違って気持ち良く走れるわぁ」
シュゴー、シュゴーと緩やかな坂を下りながら、自然公園のような風景を眺める。
ふむ、人もいないし、適度に道がライトアップされてるから走りやすいね。
いいストレス発散にもなりそう。
しばらく走っていると前方に、高速道路のキップ売り場みたいな所がみえた。
木の裏に隠れて様子を窺う。
「あ〜アソコからが敷地外ってことか……」
この先を行けば街に出られるって寸法ね。
ふ〜む、一応アソコにも門番みたいな兵士が見えるけど、いくらでも脱出できそうだなぁ。
さっきも言ったが、何もわざわざ正面から抜ける必要はない。
道路から離れて壁際に向かうと、金網みたいな物で仕切られてるが、スリットの能力なら簡単に脱出できる。
「う〜ん、これで一応は目的達成かな?」
街に繋がる道を確認出来たんだしね。でも……
「少しくらい、街の様子見てみる?」