軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

もくし

しっかりと息を吐きだし、目を開ける。

生憎、未だに視界は埋まったまま。

赤だか緑だか、もしくはただ暗くて見えてねぇだけか。

けどまぁ、今は好都合だ。

余計なことを考えなくていい。

目は開いたままだったか、閉じたんだったかさえ忘れるほど、意識を集中する。

自分の中にある力を感じるために内側へ。そこから繋がる外側の力へ。

魔力は地面を通って仲間に繋がっている。

空中を進まないのは伝導効率のせいか。

おかげで立っている場所が浮かび上がる。

暗き海に佇む灯台の如く。

だが、まだだ。

まだ終わりじゃねぇ。

近くに燃え盛る魔力。

溶岩の如く煮え滾るソレは、その湧き上がる激情のために揮発する。

なにかを成すことのない大きな魔力。

この焦げ付くほどの執念は土竜のものか。

最初に避けたのも土竜の尻尾だったわけだ。

魔力の流れが歪なのはエリックの魔法で体表が焼けたせい。

それでも尚、追ってくるか。

それに。

背後から気配。

空中を移動する魔力は小刻みに上下する。

その内側に溜まる魔力は大きさと密度に偉く差がある。

砲竜の増援。

どこから来たのかは・・・・・・気にするだけ無駄か。

遠く。壁際で逃げ、迫る魔力はイーター。

決められた道をただ進むかのように。

なんのためか・・・? 決まってるな。

圧倒的な魔力量と存在感。

常人でさえ、目を閉じてても分かるだろう気配。

確かに居る。

そこに。

だが、魔力が繋がることはない。

土竜、砲竜、イーターとは違う。

一線を画す。

文字通り、壁がある。

例えこの目が正常であっても、碌に映らねぇだろう壁が。

高みの見物のつもりか。

しかし、それさえ―――いいや、余計なことは考えなくていい。

イーターも無視できる。

なら、まずは砲竜からだ。

俺の後ろってことは仲間の後ろでもあるからな。

こんなことなら石弾を節約するか、補充でもしてりゃ良かったと思う。

そうすりゃ近付く必要もなかったのにな。

足元に残る魔力の残滓を踏まねぇように、蹴らねぇように走る。

『ちょ――っ⁉ どこ行くんだい⁉』

そっちを頼む・・・なんて言ったところで聞こえねぇか。

仕方なしに、ただ指を差す。

『文句は後で嫌と言うほど聞いてもらうからね‼』

意味は伝わっただろうか、そもそも指差した姿が見えたのか。

それを確認することすら叶わねぇが、今はただ。

できることをできると、証明しなきゃならなかった。