軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

腕試し

「どうした? そんなんじゃ、なにが変わったのか、わからねぇままだぞ‼」

俺はヨハンの闇魔法を弾き飛ばしながら距離を詰める。

あと2歩。というところで、足を止める。

すると、目の前をレーザーのような水流が走り抜ける!

「油断はしていないようですね‼」

「これなら‼」

リミアの魔法に合わせて足が止まったところに、ヨハンが罠を投げ込んでくる。

地面に刺さった罠は、カシュ‼ と音を立てて起動し、同時に発動する。

発動した魔法は、蟻用に俺が設定した魔法だ。影が伸び、対象を捉えようとする。

だが、

「言い忘れてたが、罠を使うんなら注意しろ?」

その対象は俺ではなく、

「うわっ!」

罠を投げた張本人であるはずのヨハンだ。

「中身を知ってる奴には利用されるぜ!」

「そういうのは先に言っててくださいよ‼」

「言ったろ? 忘れてたってな!」

慌てて距離を取るヨハン。

同じく、それを見てそこそこ近い位置にいたリミアも離れる。

対象を見失った魔法は効果を終了し、罠が閉じる。

さっきはああいったが、たったこれだけの動きでも成長は感じられた。

攻撃を躊躇うそぶりはなかったし、突き出されたダガーの狙いも悪くなかった。

仕掛けた攻撃が避けられて、直ぐに回避に移ったのもいい判断だったと言える。

追撃してくる敵に対して、魔法による牽制と連携。罠まで使った逆襲など、ちゃんと実践してきたんだろうとわかる分、嬉しくなる。

とりあえずは合格点だ。

ここから先となると、見つけた隙が相手の誘いかを見極めれるようになることだとか、隙のない相手に戦って、自ら隙を作らせるやり方だとか。

一人では難しかったり、わからないことだろうからな。

それより、問題なのは・・・

「これでどうですの‼」

ヨハンとリミアの撤退から間隔が空いての追撃。

キューティーがレイピアを突き出す。

小さい構えから素早い突き出し。迫力はないが、堅実な攻撃ではある。貴族の淑女としてなら100点と言えるだろうが、

「っきゃあぁぁ‼」

生憎、冒険者として見ればお遊びもいいところだ。

突き出しを軽くかわして蹴り飛ばす。

足の裏が身体に当たるより前に、なにかを蹴った感触があった。

おそらくは魔法盾か。

金を掛けられる分、良い装備は持ってるんだがな。

キューティーが離れたタイミングで、空から雷が降る。

受けても避けても良かったが・・・ここはあえて、罠を使う。

魔力補充状態にし、属性を設定することで、俺に当たるはずだった雷は直前でねじ曲がり、罠が雷を吸収する。

罠の許容魔力量の関係で、ほとんど使えない小技だが、知ってればこんな風に使い道もあるんだってのをヨハンに見せておく。

驚いている面々を尻目に、雷魔法を放ったであろうケイトと側に控えるエイラに詰め寄る。

これには当然ジェイドが割って入ってくる。

騎士よろしくロングソードとミドルシールドを両手に、魔法も使って戦うというクライフのような戦い方だが、

「高望みし過ぎだ・・・」

エイラによる支援か、そうでなければ自前の強化魔法で動いてるんだろうが、服に着られているとでもいうか、剣も盾も鎧でさえも、持て余しているような状態だ。

であれば、

「ぐぅっ‼」

バンッ‼ と、適当に叩くだけで勝手にバランスを崩す。

ジェイドを抜ければ後衛の2人だ。

ケイトの装備は片手に持つ短い杖と魔導書。

エイラはなんと素手だ。

そんな装備じゃ、なにが出来るわけでもなく、仕方がないのでぶん投げた。

「違う! それじゃぁダメだ! 誰かが張り付いて動きを止めるんだ‼」

その現状を見て、黙っていられなかったのかサンが指示を飛ばし始めた。

「そこで、なにしてる?」

「今日は休みなんだ! ここにいても悪い事なんてないだろ!」

「言葉だけでわかるかよ」

「だったらいいじゃないか! 居ても居なくても変わらないはずだ!」

「それじゃぁ意味ねぇだろ?」

「なら、どうしろっていうんだ⁉」

「言っただろ? そこで、なにしてる? 言葉だけでわかるかよ。ってなぁ?」

憤るサンにかかってこいと挑発のポーズをくれてやる。

「・・・だけど⁉」

こぶしを握りしめて、まるで我がことのように声援を送ってるぐらいなら、参加して、どうすりゃいいのかを見せてやればいいさ。

「ひよこ共に半人前が混じったところで、大した違いはねぇだろう?」

出来るもんならな?

「その言葉、後悔させてやりますよ!」

パーティーはA級といえど、個人はB級。

一般的にはB級からが一人前と言われちゃいるが、元とはいえ俺は個人A級。

D級数人とB級相手に負けるわけにはいかねぇよな?