作品タイトル不明
side―――???
捕まった⁉⁉
そんな馬鹿なことがあるものか――ッ⁉⁉
今にも爆発しそうなほどに膨れ上がった魔力を見て、我が精神は傀儡を捨てた。
明らかな殺意を感じた故だ。
だというのに・・・。
『精神はちゃんと、ドラゴンの形なんだな?』
目に映らぬはずの我を確かに捉えて言葉にする。
まさか我が精神だけを閉じ込める檻だとでもいうのか⁉⁉
そのようなあり得ない状況に、無いはずの身体が強張る。
何故だ?
なぜこう何度も―――。
そう、何度もだ。
どれだけ時間をかけ、人間を観察し、どれほどの計画を立てたと・・・。
「・・・・・・何度。何度、邪魔をすれば‼‼」
このような物言いに意味などない。
わかっている。
しかし、声として出てしまっていた。
それほどまでに、追い詰められているのだと自覚する。
『そう何度も、上手くいくかよ』
「汝が言えたことか‼‼」
自覚するが故に、つい口走ってしまう本音。
この者は弱い。
敵を殺すことを躊躇するぐらいに。
あの時も、姉妹が揃っていただけで手を下せなかった。
今回でさえ、見せかけだった。
それがわかっていたからこそ、あの者を使い捨てに、その娘へ乗り移る策を考えたのだ。その準備も怠らなかった‼‼
であるのに、何故ッ‼‼
何故こうなった⁉⁉
忌々しい‼‼
身体がここにあれば、こんな人間など‼‼
『ユノに乗り移ろうと考えてたんだろ? そうすれば勝てると思ったか?』
今にも嚙み千切ってくれるのに―――そう思っていたところへ、抉り討つような矢が刺さる。
どうやって気付いたというのか⁉
「―――ッ⁉⁉ 勝ち負けなど、些細なことだ。これは生死を掛けた――」
咄嗟に返すも。
『掛けてねぇだろ?』
有無を言わさぬ返答と砲撃。
視界が真っ白に染まったかと思えば、悪夢から覚めたかのようにビクリッと身体が跳ねる。
死んでいた。
アレが防御を抜けて生身当たれば・・・あの者は急所を外さないだろう。
そうであれば・・・・・・。
首筋を伝う雫が現実だと囁く。
そして、忘れられぬ言葉が浮かぶ。
『そこで、首洗って待ってろ』
来るというのか?
ここへ―――・・・・。
本当に?
のそりと体を動かし、暗がりから外を覗く。
晒された岩肌と、白が混じるだけの風景。
柔肌を切り裂くような冷たい風が踊るだけのこの地まで。
わざわざ赴くというのか?
そのようなことが可能か・・・?
何もなければ鼻で笑うところだ。
我が居所など探れるわけもなく、このような地を進めるはずもなく、なにより我は成り損なったとはいえ、龍王に近い存在だ。
人が挑むなど―――・・・・・・。
ただ、喉奥が干上がる実感だけが未来を予測していた。