軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

探し出して決せよ15

「どうしたんだ?」

人形もどきを連れ出す作業から戻ると、キューティーとヨハンは2人して見えない天井を見上げていた。

「いえ、この歪んだ空はどこに繋がっているのでしょう・・・? なんて、思ってしまいまして・・・」

「今は私の結界で塞いでしまっていますから、どこにも繋がってはいません。大丈夫です! 危険はありません」

「だ、そうだ。終わりも見えてきたんだ集中しろよ?」

「そう・・・ですわね。失礼いたしましたわ! 不気味だなどと・・・少々、怖がり過ぎだったかもしれませんわ」

何事もなかったように歩き出すキューティーを見て、ヨハンも。

「そうですね。それでいいなら僕も」

特別、気にする素振りも見せず。

粛々と作業を再開させる。

さらに数回、同じように人形もどきを連れ出すと。

「いよいよ最後ですね」

ヨハンの言う通り、人の壁。その最後尾までやってきた。

最後であることを教えているのは外側から合図を送るジェイド。

身振り手振りからも恥ずかしさが抜け、効率良く手も抜き始めていた所で、新しくそれらしい動きだったからな。まぁ間違いねぇだろう。

「一旦、全員で戻るぞ」

「全員で――ですの?」

「ここまでは敵も大人しくしてたが、それももう終わりだ。人の壁を崩しきるまでに増援はこれなかった。そうなれば当然、ここで何かしらの動きは見せるだろう。身を護るためにな」

「冒険者にもしはない。万が一を起こさないため、ですね?」

「そういうことだ。成長したな。ヨハン」

「何度も聞きましたからね。先生と離れてからも」

安全のため。

そう言っておけば、疑われることもなく従ってくれる。

いい子であることを利用させてもらうが、まぁ嘘は言ってねぇからな。

全員で歪んだ景色から離れていく。

そして、人形もどきの最後の1人を引っ張り出したところで。

「―――ぅっ⁉」

胸を突かれたように声を出したのはユノ。

「どうしました⁉」

「中の結界が――‼‼」

すぐに振り返ると、歪んだ景色がさらに捻じれ、今まさに形を変えようとしているのがわかった。

「どういたしますの?」

迫真の問と共に。ジェイド、エイラ、ケイトが集まってきていた。

「お前らの仕事はコイツらを死なせないこと・・・だったよな?」

ここまで連れ出してきた人形のようになってしまった人達を指差す。

「それが―――」

どうしたんだよ? ジェイドが訊くより早く、

「アンタ達‼ 気合い入れて門を押さえな‼‼」

遠くからケイの号令が轟く。

「俺が離れれば、コイツらもすぐに動き出す。どういう動きをするかの予想は伝えたよな?」

「私達が助けようとしたから、その逆でしょ? ええ、なんとかするわ」

「外から通路の移動順は指示できるか?」

「そこまで手は回らないと思ってたから・・・コレ」

ケイトが1冊の本を開いて渡す。

その項には移動順が文字と地図が焦げ跡で描かれている。

「杖と本で2つの魔法は見せられないけど、こういう使い方もできるようになったって・・・見せれてよかった」

ケイトは杖の先端を雷魔法で光らせながら笑う。

「後のことは、任せてもいいんだな?」

「当たり前だろうが‼ だから、さっさと片付けて来いよ‼‼」

「ジェイド様ッ⁉ それでは長くは保たせられないと言っているようなものではありませんか⁉」

あ! という顔をして、そこから何か言おうとしていたが。

「ユノ! 行くぞ‼」

「ッ‼ はい! ゼネス様‼」

釈明の機会は訪れない。