作品タイトル不明
探し出して決せよ4
それで言えば、眼前で動く人形のような信者は教祖の意思を100%反映してるって言えるのか?
操られていることだけは確実。
ただ・・・このアンデッドみてぇな挙動は狙ってやってんのか? なんのために?
いや、恐ろしくはある。北大陸から逃げ出す連中がいるぐらいには恐怖を煽る。
けど、だ。
これほど人間らしさから、かけ離れた動きにする理由があるか?
自動で動かすとそうなるのか? とも思ったが、兵士の姿をした敵は確か、もっと機敏に、兵隊らしく規則正しい動きをしてた。
弓を射ることも、その狙いが外れないことも、身をもって経験した。
何が違う?
操られている側の筋力? それだけか?
そんな理由ならむしろ、鎧を身に着けた兵士達の方がおかしな挙動になる気がする。
教祖への信仰度合で変わるなら、今この場にいる信者の方がいい動きをしそうなもんだ。戦士や兵隊はなんでもかんでも神頼みにはしないからな。
だとすると、
「ははは‼‼ どうしたッ! いくらか拘束したところで意味などないわ‼ そいつらは何度でも起き上がる! 代わりはいくらでもいるッ! いつまでもつか、見ものだよ‼‼」
ありそうな違いは指示役か。
魔法はどこまで行っても想像の具現化。
存在しない理想を、幻想を、嘘を形にする力だ。
精神を操る都合上、指示役の内面がより顕著になって出てるのかもな。
精神を操る魔法の原理はなんとなくわかってる。
頭を整理できたおかげで、その性質や、それに寄る弊害も。
だから、そのまま真似ても使えねぇ。
どうにも癪だが、今の俺は。どこぞの教祖と似たような立場にある。
信奉者を持ち、それを動かし、結果を求められる立場に。
狙ったわけじゃねぇが、結果的に宗教を媒介にしている点も同じくして。
僅かな差は、信奉者の数やそれを自ら求めたか、後は加護の有無ぐらい。
これでやり口まで真似し出したら、いよいよだ。
つっても、他に方法がねぇんじゃな。
いや、無いかどうかさえわからねぇ俺が悪いんだろうさ。
例え同じ程度まで堕ちようとも、負けるわけにはいかねぇ。
ここで負ければ、失うものが多すぎる。
国の行く末だとか、王の権威だとか、俺の面子だとか、それ以前に。
人の命を消費する。
望まざる誰かの。
それを見過ごして、偉そうなことが言えるか?
同じような存在になりたくなかったから、やりませんでした!
なんてのは、口が裂けても言いたかねぇ。
だったら腹を据えよう。
やり方はもう気付いてる。
魔力を与える時と同じだ。
あの繋がってる感覚を、全員に。