軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side――カーナ・Y・ヨーギフリード1

「お義父様、お義母様。本当に他の方法はないのですか? 私が王だなんて―――・・・・・・」

「来るべき時が来たのだ。君の願いだったはずだ。努力する人間に報われて欲しい。戦争は嫌だと。君自身が王位につけば、皇国との関係もよくなる」

「そうよ。お兄様達のことは残念だったかもしれないけれど、これはチャンスなのよ? 真っ直ぐ頑張って来たのに、誰にも評価されないことを・・・それどころか馬鹿にされていることを嘆いていたでしょう? それを変えられる。たった一度のチャンスなの」

「でも・・・・・・」

南端戦線指揮総司令官なんていう肩書がただの飾りだということは、就任直後にフリードリヒから聞かされた。

幼いころからなにかと顔を合わせることのあった彼が、将軍だったと知ったのはその日のこと。

なぜ飾りなのか?

その答えは単純なもので『帝王様が攻めよとおっしゃれば、それで軍が動くからです』という身も蓋もない事実。

アタシに出来るのはただ座っておくことだけ。

どこを攻めるか、どう攻めるかさえ、帝王が言葉にすれば翻す手段はない。

だから飾りなのだと、フリードリヒは言った。

アタシはこの国の歴史が嫌いだ。

戦争ばかりの歴史だから。

機を見て攻めるのはまだいい。それはなにか欲しいものでもあったんだと思うから。そのための交渉もしたんでしょうし、それが失敗した末の決断なら仕方ない。

でも、非を作って攻めるのは違う。あってないような理由を旗のように掲げ、大儀を語る姿には虫唾が走る。あんなのは人の醜悪さが滲み出る行為よ。

それはまるで。皆が間違っている中、頑張って正しく生きていた人を吊るし上げるような行為。同じ罪を持たない人は仲間じゃないなんて、そんなのおかしいでしょ⁉

だから平和が欲しかった。

話し合いに意味のある国がよかった。

正しいことを誇れる人生にしたかった。

それで先走って処刑されそうになってたんだから、いい笑いものではあるんだけどね。

後悔は・・・・・・うん。したけど、もうない。

結局は死ななかったしね。

それからどうしようって時に、この暗殺事件からの王位争奪戦。

どう考えたっておかしいわ。

「ミレ様のことだな? あの方は確かに君の姉にあたる方だ。けど、気にすることはない。彼女も彼女で王位を望んでいる。その理由まではわからないが、そうでなければ争奪戦になどなっていない。そうだろう?」

「それに彼女。変な宗教に入れ込んでるって言うでしょ? それが本当に危ないものだったらどうするの? それこそ貴方が嫌がってた戦争になっちゃうかもしれないのよ?」

お義父様も、お義母様も。聞いてもいないのにお姉様の話をする。

対抗相手だから当然? アタシはそうは思わない。

だって、そんな話してないでしょ? 他の方法について聞いたのに、どうして王位争奪戦の話に戻そうとするの? 他に方法がないにしても、まずは他の方法がどうして取れないのかを話べきじゃないの?

そうやって、疑問に思うたびに囚われる邪な考え。

お姉様の陣営が使うという精神操作魔法。

完全に、思い通りに動かせる代物じゃないとは聞いた。聞いた・・・けど。

疑ってしまう。

もしかしたらそれは―――お義父様とお義母様が裏からやっていること、なんじゃないかって・・・・・・。