作品タイトル不明
レベルアップ
「おい。それ壊れてねぇか?」
「壊れるほど使ってねぇよ」
ちょっと貸せよというジェイドに鑑定機を渡して、他と話を続ける。
「ステータスレベルは自分の身体を完璧に使いこなせるようになったら100になるんでしたよね?」
「ああ。より正確に言うなら、潜在能力を全部引き出せれば・・・って言われてるな。まぁ実際どうなのかは知らねぇけどな」
「だからレベルが下がるっていうのは――」
「なにかしら・・・身体が成長したとか、そういうことだろうな」
そうやって会話するヨハンをまじまじと見つめてみるが・・・よくわからねぇな。『男子3日会わざれば刮目してみよ』とは言うが、ここ1カ月は顔を会わせっぱなしだし、変化が緩やかであれば、連続して観察すると見逃しがちだ。
最初にあったころを隣に並べられりゃ、簡単にわかるんだろうが。生憎そんなのは不可能だ。
ヨハンとリミアは13歳から14歳へとなる年。となれば、この場でわからねぇだけで、身長も伸びるてるだろうし、他にも色々と変わってることだろう。
ジェイド達は―――鑑定機をいろんな角度から見ているジェイドにはあんまり成長を感じねぇが、他3人については大丈夫だろう。ヨハンやリミアほど身体の変化はないかもしれないが、目に見えない部分の成長もある。魔力量とかな。
各々が自分や互いを見比べて成長を確かめている中、1人鑑定機をつぶさに見つめていたジェイドが。見たこともねぇもんが壊れてるかどうかなんか、見たところでわからねぇって答えにたどり着いたらしく、鑑定機を投げて寄こしながら、
「ようは俺様達の成長がそれだけ凄まじかったってことでいいんだろ?」
どうにも自慢気に言い放つ。
「まぁそうだが・・・」
「だったら! もっと褒めてもいいんだぜ? 確か珍しいことなんだろ?」
「調子に乗るな! どっかしらが成長したのは間違いねぇが、レベルが下がったのも事実だ。だいたいレベル15前後。今までと全く同じやり方じゃ、その差は埋まらねぇんだぞ! より一層意識しておけ!」
ジェイドの態度につい厳しいことを言ってしまう。
「・・・・・・たまにはもっと素直に褒めてもいいじゃねぇか」
それにジェイドが小さく愚痴り、
「自分がその差を埋められなかったのに、言ってくれますねぇ~」
出会った当初のような言葉遣いで煽る。
エイラがすかさず『ちょっと!』と止めに入るが、ジェイドはまだ少々不満げだ。
確かに、それだけ珍しいことを引き起こしたんだ。いい顔ぐらいはしたくなるし、教育係の俺にとっても名誉なことだとも思ったか。だからふざけて切り出したとか、そんなとこだったんだろう。
大人として、それぐらい笑って許してやるのが器量じゃないのか? と言われればそうかもしれねぇが、そうやって調子に乗って痛い目を見るのは俺じゃなく、他でもない本人だ。冒険者としては―――なんざ、前にも似たようなことを考えた気がするな。
その時はどうだったか、今はどうするか。
もしくは俺の成長を見たいとか、そういうことか?
まさかな。
さて・・・と考えているうちに。
「折角だから先生のカードも鑑定してくださいよ!」
間を取り持つようにヨハンが1つの提案をする。
「いや俺のは――」
「記念ですよ、記念! ね! 駄目ですか?」
そこまでして流さなきゃならねぇような空気だったか? 多少、沈黙は長かったかもしれねぇが。
それに、俺のカードは鑑定したところで何にも変わらねぇんだから、それこそ鑑定機が壊れてるんじゃ? って話にならねぇか?
まぁいい。
手早くカードを取り出して、鑑定機を鑑定機をかざす。
以上なく動作が終われば――。
ステータスLv100 筋力A- 魔力C+ 体力A+ 判断力S 想像力S 瞬発力A 運命力EX
スキル 器用 危機回避 装備錬成 支援強化 加護の 恩寵(ギフト)
加護
レベルが・・・・・・上がってる?
「やっぱそれ、壊れてるんじゃねぇのか?」