軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

新たなる旅立ち2

「本当に・・・もう、終りなんですか? 本当に! もう何もないんですか⁉ 僕はまだ――」

言葉の途中で詰まるヨハン。

「まだ1年と経ってねぇんだ。それをいきなり卒業って言われたって、実感がわかねぇんだよ」

ジェイドも頭をガリガリしながら零す。

「つってもな・・・最初から言ってきたと思うが、冒険者は実力社会だ。時間はそれほど関係ねぇんだよ。そのための等級だ。そこへ冒険者になってからの時間が~なんて言ってらんねぇだろ?」

「とはいえ、ですわ。実力者だからと言って、先達に教え説いて貰ってはいけない・・・という決まりもありませんわよね?」

「そりゃぁそうだが、生活費はどうするつもりだ? 実家があるお前らはいいだろうが――」

「それこそ、依頼で・・・」

「皇都にB級指名の依頼なんざねぇぞ? あっても報酬が見合わねぇ依頼ばっかだ」

「だったらC級の依頼を受けてもいいんじゃない? 駄目ってことはないはずよね?」

「一応はな。だが、B級になったにもかかわらず皇都に居座って、それなりに払いのいい格下依頼ばっか攫って行くパーティーについて、お前らならどう思う?」

「そう言われると・・・あまりいい印象ではありませんね。ですが、皇都にはB級以上の、それこそA級パーティーも滞在しているはず。それはどういうことなのでしょうか?」

「蒸気の騎乗者のことか? じゃぁ聞くが、あいつらがギルドで依頼を受けてるとこ・・・見たことあるか?」

全員が思い出そうと首を捻ったり、顔を見合わせたりして数秒。

「そういわれりゃ・・・」

「見たこと、ない」

「・・・ですわね?」

思い当たらないと首を振る。

まぁ当然だ。

「そうだろうな。今皇都にいるB級以上のパーティーについても、過去には必ず旅に出てる。あるいは、旅を経て皇都にたどり着いてるんだ。その過程で作った繋がりで特別依頼を受けて生活してるんだよ」

皇都には高難易度の依頼など出ない。

理由は単純。人が多すぎるんだ。

強いモンスターほど縄張りから出ねぇ。そして、ほとんどのモンスターは人通りの多い場所を縄張りに選ばねぇ。だから、皇都のような人の集まる街には脅威的なモンスターは出現しねぇんだ。

仮に。脅威になりそうなモンスターが皇都の近くに現れても、今度は軍が動く。当たり前だ。皇都とは、皇王様の住む皇城を囲むように出来た街だぞ? なにかあれば皇王様に危機が迫るっつーことだ。それを放置する軍なんざ存在しねぇ。

そのおかげで、民は平穏に過ごすことが出来るんだ。

平穏な生活。となれば、出される依頼も平凡なものになる。稀によさそうなものが出たとしても、その倍率から受けられるとは限らねぇ。

「それなら、最低限の生活費分だけ依頼を受けて、残りは先生に鍛えてもらうとか!」

「カードの更新はどうする? 都度5万だぞ? 折角鍛えた成果を確認したくはならねぇか?」

「それは―――・・・なります」

苦し紛れの言い分すら完封されて、ガックリとうなだれるヨハン。

どうにかして俺とまだ一緒に居たいというその思いは嬉しいんだけどな。俺の下に残って訓練するぐらいなら、同じ時間。南の霊峰へ行って実戦した方が圧倒的な成長の糧になる。

と、成果で思い出いした。

「ついでだ。これまでの成果・・・確認しとくか?」

俺はサンパダに頼んで制作を協力してもらった道具を取り出ながら聞いてみた。