軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

side-リミア2

「えぇ? でも依頼は出来ないよ?」

「それで構いません。私の先生が言っていたんです。悩みの種や問題の原因は、知らべてみたら意外なところでつながっているかもしれないから、と」

「どういうことだい?」

「例えば、街道でのモンスターによる襲撃と畑への被害が同じモンスターの仕業だったというものや。家畜が騒ぐのもモンスターが近くで活動していて、それに怯えていたというもの。同じように野生の動物や昆虫が避難した結果、庭や洗い物が荒らされていたということがあったそうです」

「はぁ~・・・なるほどねぇ」

「そういう背景があれば、同じように悩みを持っている人を集め、1つの依頼として出して貰え・・・と言うのが先生の言葉でした。なので、出来ればどういう問題があって、原因についてどのように考えているか、などの予測を詳しくお聞かせ頂けないでしょうか?」

正直に言えば。交渉力、などというものに自信はない。

私は自分の父親相手にすら、ちゃんと話をできなかったのだから。

けれど、この場においてこの話が出来るのは私だけ。なぜなら、先生が私を一番だと言って選んだのだから。

そうであれば! 私がしっかりしていなければ‼

強い気持ちで。先生の言葉を思い出しながら提案してみた。

「・・・話は分かったよ。でも、この場では話せないねぇ」

「そう、ですか・・・わかりました。出過ぎたことを――」

「ちょっと! 話はちゃんと最後まで聞くもんだよ!」

てっきり私達に事情までは話せない。そう言われたものかと思っていたのですが、

「そういうことなら近所の人達も集めて全員に聞いてみようじゃないか。もしかすれば、出せる依頼も1つじゃないかもしれないよ?」

お婆さんはもっと気前よく、快活に 溌溂(はつらつ) に微笑んでくださいました。

そうして、結果的に。

「まさか2つも同時に依頼を受けることになるなんてね」

「私達に加えてジェイド様までいるのですから当然ですわ‼」

と、お2人が言うように。私達はあの後、お婆さんの家に招待されることとなり、そこで近所の方々を集めて情報交換がなされ、最終的に2つの依頼を任されるに至りました。

「それにしても、モンスターの討伐はわかるんですけど・・・木の調査ってどうするんでしょう?」

「それは、任せて。私とエイラで調べてみるから」

「え? 私も?」

「うん。健康状態を調べるのに回復魔法は役に立つから・・・」

「わかったわ。ケイトの言う通りにすればいいのよね?」

「ありがとう。それで、いい」

ようやく、しかも2つの依頼を同時にもらえたからでしょうか? 皆さんの機嫌がいいというか、気安い感じがします。

一方で、私はと言えば。

「・・・・・・慣れないことをするのは疲れますね」

大きな疲労感に見舞われながら、さりとて。これからを思えば、出来なければならないこと。

で、あれば。泣き言を言っている場合などではないのでしょう。

1人大きく息をついて胸を撫で下ろし、新たな成果に胸を張ろうと前を向いたところで、

「さっきの話・・・あいつから言われたのか?」

今まで、あまり私には話しかけてこなかったジェイドさんが窺ってきます。

一体どんな心境の変化でしょうか?

「さっきの話、というのは?」

「悩みを持ってる奴らを集めて1つの依頼にしろってのだ!」

「それは・・・そうですが」

「俺様はそんな話聞いてねぇぞ‼」

なにを怒っているのか、なにに怒っているのか、わからないのですが。ジェイドさんの突然の声に驚いていると、

「私だって聞いてないわよ!」

エイラさんがポカッ! とジェイドさんの頭を叩く。

「なにすんだ!」

「それはこっちの台詞。いきなり叫んだらびっくりするでしょ‼」

「それは――ッ‼ あいつが、試験の秘訣を俺様に教えてなかったから‼」

「だから、それは私も知らなかったって言ってるじゃない! それともジェイド‼ アンタはゼネスさんとそういう会話をしてたの⁉」

「いや、俺は・・・‼」

「どうせアンタのことだから、楽勝に決まってるんだから黙って見ておけとか言ったんでしょ⁉」

「別にそこまでは言ってねぇよ‼」

「そこまでってことは、似たようなことは言ってるんじゃない‼ それでいて、自分は教えてもらってない! なんて言って騒ぐのはみっともないからやめなさい‼」

その後もなにかと言い合いながら、けれど結局はエイラさんがジェイドさんの襟首を掴んで、引きずる形で離れていく。

その離れ際、

「ごめんね? あんまり気にしないでね! こいつはこういう訳わかんない理由で騒ぐ奴だから」

本当にごめんね? と断って男性1人を引きずっていく様はどことなく貫禄に溢れているようでした。

あれこそがパーティーの姿だというなら、私は馴染めないかもしれないと。

これからの自分にこれまで以上の不安を抱くのでした。