軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

看破

「あんなやり方・・・見てられねぇすよ」

「そいつは悪かったな」

あまりの痛みに気絶した傭兵もどきを回復だけして路地を出た。

「だが意味はあっただろ?」

「他にいくらでもやり方はあったでしょう?」

「まぁ・・・そうだな」

「なのに、なんであんなやり方を・・・」

なんで? と言われてもな。

手っ取り早かったから、以外に理由なんて―――。

あぁ、いや。

「中てられたのかもな」

「中てられた?」

「この国には根強い差別意識が残ってるからな」

「それになんの関係が?」

「俺の生まれた地域もそうだったんだよ。亜人差別じゃ、なかったけどな」

そこにある狂気に知らず感化されちまってたらしい。

だからって軍の暗部みてぇな拷問まがいをやるとは。俺もまだ未熟が過ぎるってことか。

「なんでそこを強調するんで? 俺には関係ない」

「本当に関係ねぇのか? 俺達は仲間のはずだろ?」

「俺にとってアンタは敵だ。それに、別に隠してなんか――」

「ハーフエルフ。確かに、さぞ生き辛かったんだろう。隠すのも無理はねぇよ」

「ッ⁉」

飛び退くようにして構えを取るホウ。

その顔にはわかりやすく、どうして? と書かれている。

「驚いたか? つっても、そこまでのことじゃねぇだろ。見た目が人間に近い亜人で人間嫌い、となりゃぁ自然と出てくるさ」

ホウは俺を敵だと言った。

その理由はパーティー内の雰囲気やパワーバランスを変化させるから。

だが、意見を押し殺して馴れ合いをするのはおかしいことだと言ったなら、そんなことはわかっていると返さんばかりの態度でもあった。

つまり、それがわかっていて尚、ホウは現状維持を望んでいるということ。

それは今のパーティー以外に寄る辺がないことを意味していて。

そこまでして縋りつくということは、過去になにかあったと見るべきだ。

じゃぁなにがあったのか・・・だが。

このパーティーには隠し事があった。

それはメンバーに亜人がいるということ。

ガルドナットという国においては結構な問題だが、それ以外、南の霊峰や冒険者ギルド本部のある国にいけば珍しくもない事だ。そこにいた俺にとってはどうでもいいことに過ぎない。

にもかかわらず、なぜかそれを隠したがる。

と、なれば・・・後は個人的な理由。

迫害。

わかりやすいのはその辺りだろう。

後はホウの特徴を見れば、長くはないが尖った耳に目がいく。

ハーフエルフ。

人間とエルフ間に生まれ、双方の特徴を持つ亜人。

エルフは魔法の扱いに秀で長い時を生きる種族。反面、欲求が薄く潔癖である。

欲深く、生きる時間も合わない人間を嫌う場合が多い。

そして、その血が混じっているハーフをも嫌うことがほとんどだ。

冒険者になったのも仕方なくなんだろう。

「けどな。そんなことはどうでもいいんだよ‼」

「ッ⁉ そんなこと⁉」

「お前のみじめな過去に興味はねぇっつってんだよ‼ それともなにか? 仲間より、てめぇの秘密の方が大事だってのか⁉」

「そんなはずねぇでしょうが‼」

「だったら‼ 俺のことを敵だとか言ってる場合か⁉」

「それは・・・ッ⁉」

「さっきの話‼ 聞いてなかったわけじゃねぇだろ⁉」

「けど、ありゃぁ嘘かも――ッ⁉」

「本当に、そう思うか?」

「・・・・・・・・・・・・」

「協力しろ。最悪、狙われるぞ」

「・・・協力すると言やぁ、俺達を守ってくれるんで? 依頼にはなんの関係もありませんぜ?」

「当たり前だ。仲間だからな」