軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

迷宮攻略2

「はぁ・・・はぁ・・・、ったく・・・そっちはどうだった?」

「はぁ・・・駄目、ですね。・・・はぁ、見当たりません」

俺の問いに返すヨハンもかなり疲れている。

いや、無理もないか。

「こっちにも、なかったわ・・・。そっちは?」

「こちらにもありませんでしたわ・・・」

「残念ながらこちらにも・・・」

エイラ、キューティー、リミアもハズレとなると、

「あったぞ‼ こっちだ‼」

残ったジェイドが声を上げる。

走り寄って確認すると、確かに赤いライトが正面奥に。

集合地点の目印として残っていたユノと疲れ、倒れ伏したケイトを引きずって先に進む。

先頭を走りながら、

「いつまでこんなことをやらせるつもりだ⁉」

「さぁな」

「モンスターは本当に居るんだろうな⁉」

「いる・・・とは思うが、どうだろうな? 最悪、最後までこのままかもな・・・」

「ふざけるなよ⁉ だったら俺様達はなんのために来たんだよ‼」

「俺の依頼で来たんだろ。内容は迷宮攻略。嘘はねぇはずだが?」

ジェイドがもう嫌だと文句をたれる。

その気持ちはわかる。

わかるが・・・それを俺に言われたところで、どうすることも出来ねぇ。

だが、それ程。嫌になる程。

この迷路は長すぎた。

最初の予想通り。通路奥、中央の赤いライトは正解の道を示すものだったらしい。それは、序盤の調べでほぼ確実だとわかった。なにもない通路は全て行き止まりだったし、扉の可能性も調べたが、そんなことはなかった。

だから、迷路の踏破は時間の問題だと思った。

しかしながら・・・進んでも、進んでも、終りは見えず。

さらには分岐の数が増え、魔法を制限している都合上、運動量も増えた。

罠を考慮していた動きも次第に緩慢になっていき、今ではここまでなにもなかったんだから、そんなもんはないと考えて走り回っている始末だ。

ケイトはその道中で体力切れでぶっ倒れた。

その穴を埋めるべく、そして、あいつらに魔法を使わせねぇ代わりに、俺が索敵魔法を使って、より広い範囲を調べながら進んでいるが・・・。

それでも尚、未だに終りが見えて来ねぇ。

だからこそ、さっきのジェイドとのやり取り。その不機嫌さも理解できる。

走り回って1時間以上が経ってる。

俺も魔力を使い切って1度丸薬も割ってるし、その回復した魔力さえ、もう半分以下だ。

次に使い切れば最後の回復。万が一を考えれば、その後は魔法を使えねぇ。

そうなったら探索はさらに遅れて・・・・・・ったく考えたくもねぇ。

どうする?

一応、ユノに魔法を使わせるって手はあるが・・・開始前の爺さんの言葉が気になる。手出し無用に引っ掛かる、か?

だとしたら、ジェイドにやらせることになるわけだが・・・。

あんまり、そういうのが得意なようには見えねぇんだよなぁ。

そうなるとキューティーか?

だが、あいつは魔法盾で魔力を消費する。

ヨハンは俺と同じで魔力量に余裕はねぇし、後の3人は論外だ。

時期尚早だったか・・・?

そんな考えが頭をよぎった瞬間、

「見つけたぞ‼ この先だ‼」

先ほど見つけた赤いライトの下、ジェイドと別れた先で、索敵魔法にアタリの反応が出る。

パッと見はハズレの道と同じ、なんの目印もないが・・・通路の奥には壁がなく、その先には広い空間がある。

だが・・・、

「おい‼ なにしてるんだ⁉ 早く行くぞ‼」

先ほど反対側に行ったはずのジェイドがあっという間に戻ってきて、立ち止まってる俺を無視して先に進もうとするが・・・その首根っこを掴んで止める。

「なにしやがる⁉」

「仲間を待てよ。パーティーだろ?」

「ぐっ・・・。お前ら‼ なにしてるんだ⁉ 早く来いよ!」

少し遅れて、ヨハン、リミア、ユノが。そして、ケイトを引きずったエイラとキューティーも到着する。

俺やジェイドほどではないが、それなりに広い範囲を調べていたヨハンは肩で息をしてる。

範囲こそそれほどではなかったが、エイラとキューティーは人一人引きずっていた割には元気だと言えるか。

リミアは汗を拭うぐらい。

全体的に、思ってたよりは鍛えられてるのか元気そうだな。一人を除いて。

「これで揃ったんだから、もういいだろ⁉」

「だから待てって言ってんだろ? お前は左だ」

逸るジェイドを抑え、壁を指差す。

「キューティーが右。ヨハンはその後ろ。エイラはジェイドの後ろだ。リミアは水と他の属性を合わせて両側の壁に色を付けてくれ。ケイトは・・・動けるか?」

それぞれに指示を出しながら聞く。

ケイトはどうにか立ち上がろうと、四つん這いにまではなるんだが・・・どうも無理そうだな。

まぁこの通路でなら居なくても問題ねぇか。

「わかった。ケイトとユノは俺の後ろだ」

「いったいなにが――」

したいんだよ‼ とでも言いたかったか。けれど、

「――いきます!」

魔法の準備が終わったリミアの声でかき消される。

黒い水のようなものが両側の壁を撫でる。

白く、一見真っ直ぐなだけだった通路の壁は黒く変色し、左右に3つずつ、脇道が姿を露にする。

そう。ここには脇道があった。

そして脇道には、

「来るぞ‼ 集中しろ‼」

小さいながら、敵性反応があった。