軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

白魔導師、魔法を教える

食事を終え、森へと到着した俺達は、さっそく収納魔法の練習をすることとなった。

ユイ達には森で拾った木の枝を渡しておいた。

最初から大きなものの収納は出来ないため、小さなものから初めていかなければならない。

木の枝は練習にぴったりなサイズだし、これならばそこまで痛くないしな。

「ねぇ、ロイド。この木の枝をどうすれば収納出来るの?」

「そうだな……簡単に言えば、魔力で圧縮するようなイメージなんだが……」

「分かったわ……圧縮すればいいのね!」

「いや、まだ説明は終わっていないのだが……」

ユイが説明を聞かずに、木の枝を圧縮しようとする。

枝へと魔力が集まっていき、枝の形が変形していく。

あっ……これ、不味い奴だな。

ユイの木の枝が圧縮したかと思った、次の瞬間。

木の枝が粉々に砕け、木片が様々な方向へと飛び散った。

「うわっ!」

飛び散った木片が、ユイの肌にかすり傷をつけた。

避けようとしたユイがバランスを崩し、尻餅をつく。

まぁ、最初はこうなるわな……

「あくまでも圧縮するイメージをするだけだ。圧縮したものを取り込むような感じでやるんだ」

とは言え、そこが難しいんだがな。

収納魔法を習得する上で、俺も何度も経験したことだ。

実際に、圧縮するイメージをすると、自然とそうなってしまう。

やはり手本を見せた方がいいか。

俺は地面に落ちていた枝を右手で拾い上げた。

「ストレージ……」

詠唱し、収納魔法を発動する。

まるで、右手に吸い込まれるかのように、木の枝が消えて無くなった。

あえて詠唱した見せたのは、その方が多少難易度が下がると思ったからだ。

無詠唱は慣れてからでもいいだろう。

「とまぁ、こんな感じだ。やってみてくれ」

「よし、分かった……ストレージでいいんだよな?」

ダッガスの問いに、俺は無言で頷いた。

それを確認したダッガスが、収納魔法を発動しようと、詠唱した。

しかし、

「っ……ダメか」

ユイの時と同じく、圧縮された木の枝が砕け散ってしまう。

だが、ユイに比べれば魔力の扱いが上手くいっていた気がする。

「よし、私も……ストレージ!」

シリカが詠唱する。

すると、手の平に置かれていた木の枝が消えて無くなった。

それを見たシリカが、嬉しそうにこちらを見てくる。

「ロイドさん、やりましたよ! 私……」

「ちょっ、上! 上!」

俺よりも先に、違和感に気がついたクロスが叫んだ。

少し遅れて、俺も止めに入ろうとするが、その時にはもう遅かった。

「ん? 上……」

シリカが顔を上へと上げた瞬間、落下してきた木の枝が、顔面へと命中する。

「痛たぁ……」

木の枝が砕けることなく、上へと飛んだのだろう。

砕けることなく上に飛んだと言うことは、ユイ達に比べてイメージが弱かったのだようだ。

まぁ、どちらとも違うけど……

「大丈夫か?」

顔を両手で覆っているシリカのもとへと足を進めた。

ヒールをかけ、痛みを和らげる。

「あ、ありがとうございます……」

「気にするな。まぁ……繰り返しやれば、そのうちコツが掴めるさ」

「は、はい……頑張ります」

「念のため、防御力上昇の強化魔法をかけておく」

これで木の枝が当たっても、ダメージを和らげることが出来るだろう。

さて、誰が最初に出来るようになるか……

「おっ、出来た!」

「「えっ……」」

目を向けると、そこにはクロスの姿があった。

意外だな。

まさかクロスが、それも一回でやってのけるなんて……

「ユイ達の失敗みてたんだけど、こうすれば出きるかなって思ってさ」

クロスが落ちている枝を拾い、再び収納してみせた。

詠唱ありだが、確かに収納魔法を発動出来ていた。

「それで、収納した枝ってどうなるんだ?」

「それなら、収納の逆をイメージすればいい。魔法を放出するのに近いと思う。取り出したい枝をイメージしながらな」

「そうか……やってみる」

クロスが収納した枝を、放出しようと試みる。

また、そんなクロスの様子をユイが悔しそうにしながら見ていた。

「私もクロスに負けてられないわ。絶対にやってみせるんだから!」