軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

伯父さんがやってきたよ!

私が孤児院学校から帰ってきた日のことです。

家の前にたくさんの立派な服を着た『これぞ騎士』という格好をした人達が大勢いたのです!

「何かがおきた!」と、家に飛び込もうとしたら、騎士?に止められました(物理)。

私は暴れました!

「お母さん!助けて!」と。

はい、そうです。

幼児です。

何故か1年前の靴を今だに履ける私です。

不思議……?

そして、家の中からお母さんが飛び出してきて「私の子供に乱暴しないで!」と、騎士から私を奪い返してくれました。

私は物理的に害されると無力です。

だって、私のスキルには攻撃系や守護系等のスキルは一つも無いからです。

ぷるぷると震えて、お母さんに抱きついていると、家の中から身なりの良い男性がお母さんの後ろに立ち、私を覗き込んできたのです!

「暴漢だ!」と思い、アイテムボックスに死蔵されていた金槌(武器)を取り出そうとしたら「女の子か?ソフィアの子供か」と何故か親しみのある話し方でお母さんに言います。

状況がわからないので、情報収集に努めます。

「お兄様、今日はお帰りください。私の娘に乱暴をする人についてはいけません」

!お母さんのお兄さんだそうです!元貴族令嬢のお母さんは、お父さんとの駆け落ち(妄想)をして居場所を隠していたのに、ついに見つかってしまいました!(妄想)

大変です!引越しですか!?(ワクワク)

お兄様?が家の前にいる騎士達をぐるりと見回します。

「どいつだ!?私の姪に乱暴をしたのは!?」

どうやら私の存在を認めてくれるようです!

「普通の貴族」なら、私の存在は忌々しいはずなのです。

道ならぬ恋(妄想)をお父さんと貫いたお母さんには。

私を捕まえていた(痛くない)騎士が前に出ます。

「はっ!私でございます。申し訳ありませんでした」

「帰ったら謹慎を言い渡す」

えっ!?私を捕まえただけで?痛くないようにしてくれていたよ?

「はっ!承りました」

騎士は諾と認め、言い訳はしません。

私は声を上げます。

「痛くなかったです!」

何故だか、その場にいた全員の視線が私に集まりました!

お母さんの慎ましやかな胸に隠れます。

「小さいな。4・5歳か?」

「6歳です」

ここは私も譲れませんよ?

「ん?」

お兄様が悩んでいます。

私から見たら伯父ですね。

「お前!?ソフィア!成人してすぐに子作りしたのか!」

大声で何言っとるんじゃ、この伯父さんは!お母さんが破廉恥みたいでしょ!

「蜜月でした」

お母さんも答えんでよろし!子供に「蜜月」とか聞かせんな!

「アンドチヤはどうした?」

すぐに答えないお母さんの顔を見ると、唇を噛み締めていました。

「まあ、オババ様から聞いているがな。壮絶な最期だったのだな」

何だかお父さんは酷い死に方をしたようです。

お母さんの目に涙が溜まってきました。

「お母さん……」

「チヤ」

伯父さんがピクリとします。

「娘は、『チヤ』と言うのか……」

私の名前がお父さんの名前から貰った事は何となく推測していました。

伯父さんが、ヒョイっと私を抱き上げました!

お母さんが手を伸ばします。

「チヤ!」

「娘を返して欲しければ、ついてくるんだな」

何か、悪役のセリフのようなことを言っています。

私を抱っこする手は優しいので、悪い人ではない気がします。

お母さんは声を絞り出すように話します。

「……お父様もお母様も私をお許しにならないわ!」

「お前はアンドチヤの被害者だという事になっているから大丈夫だ」

伯父さんが平然と答えますが、お父さんは悪い人だったのでしょうか?

「アンドチヤは悪くありません!」

「いや悪いね。里でもお前と暮らせたはずだが、お前を攫う選択をしたのはアンドチヤだ」

「っ!運命だったのです!」

「知っている。オババ様に聞いたからな。だが、手段が問題だったのだ。お前を私達から奪ったのだからな」

お母さんは何も話さなくなりました。

伯父さんは私を抱っこして歩き出します。

「伯父さん、下ろしてください。お母さんのところに行きます」

伯父さんは私が話しかけた事に驚いたようですが、キチンと答えてくれます。

「お前を連れて行けばソフィアはついてくるさ。アンドチヤとの大事な娘だからな」

私はお母さんを見ますが、本当に私達の後ろを歩いてついてくるお母さんがいました。

騎士達に囲まれています。

何だか連行される犯罪者のようです。

「……お母さんが、可哀想です」

私がポツリと呟くと、伯父さんが反応してくれました。

「そうだな。お母さんは可哀想だな」

「お母さんは私を見て、泣いたのです」

「……多分、髪がアンドチヤに似たんだな」

「アンドチヤ、は、私のお父さんですか?」

「そうだろうな」

私と話をしながらも、歩くのはやめません。

この方角は職人街に向かっているのでしょう。

「私の、名前は、チヤです」

「……そうか。……亡くなったお父さんから名前を貰ったんだな」

「あなたは、私の、伯父さん、です?」

「そうだ。伯父さんでいいぞ」

「お母さんは、怒られませんか?責められませんか?」

「いや、お父様とお母様に大歓迎されるはずだ」

「じゃあ、私は、怒られますか?」

「誰もチヤを叱らないぞ。孫が出来たと嬉しがるはずだ」

私は少し考えてから言います。

「私は明日用事があるので、教会前に行かなくてはいけません」

「ダメだ。多分、家から出してもらえないぞ」

「大事な商談があるのです。行かなければ相手に迷惑をかけます」

バッと、私の顔をマジマジと見つめられた。

何?

「お前は小さいのに、働いているのか?」

「そうです。働かなくては、また、ゴブリンがゆに戻ってしまいます」

貯金はいっぱいあるけど、インベルト商会に用事があるのは本当だ。

ゴブリンがゆには戻らないと思うけど。

同情を誘うのだ。

待遇が良くなるように。

「ご!ゴブリンがゆ!? 食べていたのか!?」

「1年前まで、お母さんは病気で死にそうだったのです。近所のおばさんが毎日、作りに来てくれました」

「……そうか……ゴブリン肉は、栄養があると、聞くからな……」

さて、同情は買えたでしょうか?