軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第15話 町の入口

「よおよお、そこの兄ちゃん! 見ねえ顔だが迷子にでもなったのか? へっへっへ」

いかにも小物感あふれる悪党が声をかけてきた。

背はミズトよりだいぶ高いが、身体の線は細く顔も腕も傷だらけ。

ステータスを見るとレベル25の盗賊だった。

「迷子ではありませんが、この町に来たのは今日が初めてです」

(汚ねえ顔でこっち見るんじゃねえよ)

ミズトは悪党に答えた。

「は? なんだコイツ。普通に返しやがった」

細身の悪党は、一緒にいる小太りの悪党に視線を向けながらミズトに指をさすと、

「ひっひっひ、このガキ、自分が絡まれてることも分かってねえんじゃね?」

と、小太りの悪党が笑った。こっちも盗賊で、レベル24。

「だよな! どうする? 分かりやすく脅しとく? なあ兄ちゃん、変なの背負ってるが何だそれ? お前は新人の冒険者か?」

「これは薬草です。ポーションの材料なので、もしかしたら売れるのではないかと思いまして。冒険者ではありません」

(冒険者ギルドってのには登録してないしな)

「なんだ、冒険者じゃないのか! 小っこくて弱そうだから来たのによ、金持ってないハズレかよ!」

「新しいカモかと思ったのに、使えねえガキだ!」

悪党の二人は、そう言って離れていった。

(俺から見れば、てめえらの方がガキなんだけどな)

嘘でも冒険者だと言って、わざと 煽(あお) ってみるのも面白かったかも、とミズトは思ったりしていた。

「おっと、ごめんよ!」

突然、誰かがぶつかってきた。

ミズトは避けようと思えば避けられたのだろうが、殺意がないものは必要以上に身体が反応しない。

しかし、軽い敵意はあり、何をしようとしたのかは分かった。

「痛ててててっ!? このガキ、何しやがんだ!!」

(またガキ扱いか……)

ミズトはぶつかってきた男の腕をひねり上げていた。

ステータスを見ると、レベル18の盗賊。

「失礼。あなたが私の持ち物を盗ろうとしたので。このまま警察に引き渡しましょうか?」

「は? そんなことしてねえよ! それに警察なんて聞いたことねえし!」

(あれ? なあエデンさん。警察じゃなくて何て言うんだ?)

【この世界に、ミズトさんが住んでいた世界の警察に該当する組織は存在しません。犯罪の取り締まりや秩序の維持は、国の騎士団が 担(にな) うか、各領主が衛兵を雇いその役割を果たすこともあります。ドゥーラのような小さな町では、自分たちで自警団を組織していれば良い方でしょう】

(なるほど……)

ミズトは男の腕を、突き放すように離した。

「痛てえな! ガキが、調子に乗ってんじゃねえぞ? 覚えてろよ!」

男は痛そうに腕をさすりながら走り去る。

(ガキガキうるさい奴だな)

周りを見ると、敵意のある視線をまだ何人か向けてくる。

見かけない弱そうな若者から、何か搾取できないか値踏みしているようだった。

「世界が違うんだし、日本のように治安がいいとは限らないってことだな」

ミズトは周辺を意識しながら町中を進んだ。

(で、さっきからクエスト発生のマークが出てるけど、何でエデンさんは何にも言わないんだ?)

【重要なクエスト以外は、わたしからお伝えすることはありません】

(いちいち細かいことは知らせないってことか)

ミズトは歩きながらクエストマークに触ると、クエストが三つ現れた。

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◆クエスト発生◆

クエスト名:ならず者との勝負

町中で絡んでくるならず者と戦ってください。

報酬:経験値10

金10G

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◆クエスト発生◆

クエスト名:盗っ人の撃退

荷物を盗もうとする者を冒険者ギルドへ突き出してください。

報酬:経験値10

金10G

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◆クエスト発生◆

クエスト名:町の有名人

ドゥーラの町で知名度を上げてください。

報酬:経験値10

金10G

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(内容も報酬もしょうもな……。ところで、町に着いたはいいが、これからどうすればいいんだ? RPGなら町の人に話しかけまくるんだろうけど)

【ミズトさんがこれからすべきことは、住処の確保、収入手段の検討、町や周辺の情報収集、町民との交流を考える必要があります】

(住処って、宿屋ってことか?)

【町には旅人や冒険者がテントを張って寝泊りするエリアを設けていることが一般的です。しかしミズトさんの場合は間違いなく強盗に襲われますので、多少の出費はあっても宿屋をお勧めします】

(キャンプ場みたいな場所があるってことか。宿屋が無難だな……。収入の手段は、ポーション作って売るつもりなんだけど、冒険者ギルドでも稼げるんだったよな?)

【はい、冒険者の主な収入源です。なお、ここドゥーラの町にも支部があるようです】

(ふむ、ちょっと覗いてみるか)

会社員だったミズトは、自分で何かを売って直接お金を稼ぐより、雇われたり依頼されたりする方が仕事としてしっくりくるので、冒険者ギルドに興味が湧いていた。