軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

九十二話

クロードは古書店で入手した本を読み漁り各国の成り立ちや起きた問題などをわかりやすく紙にまとめていた。

「国が違えば同じ問題でも違う捉え方をしているところが面白いよな」

当事国同士だけだと双方の主張が真っ向から違っているのでそういう時は第三国の歴史書を見ると実際にはこうだったのではないかと予測が立てられる。

扉がノックされ使用人の一人が入ってくる。

「クロード様。鍛冶屋から頼まれていたものができたとの連絡が入りました」

「ありがとう」

切りのいいところまで終わらせてから本と広げていた紙をしまい出かける用意をする。

準備はすぐに整い鍛冶屋に向かって歩いていく。

鍛冶屋の扉をくぐると店員さんが対応してくれる。

「いらっしゃいませ。クロード様」

「頼んでいた剣ができたと聞いたんですけど」

「親方を呼びますので少しお待ちください」

親方は剣を手にやってきた。

「これが完成した剣だ。苦労はさせられたが現状で出来る最高傑作だと自信を持って言えるぜ」

剣は綺麗な装飾が施されており親方の気合の入れ方を思い知らされる。

「拝見します」

親方から剣を受け取り鞘から抜き放ち細部までチェックする。

刃は鋭くなんでも斬れそうであり硬いだけでなく柔軟性も十分併せ持っているように見える。

刀身を見つめれば吸い込まれそうな魅力に満ちている。

「親方。ありがとうございました」

「竜の牙にオリハルコンとミスリルの合金なんて普通の鍛冶じゃ使えんからな。お礼を言うのはこっちのほうだ」

オリハルコンとミスリルの合金は難易度が高く最近になって親方が最適解を見つけたのだ。

さらにそこにグリーンドラゴンの牙を溶かし込んだのが今回の剣である。

「その剣お前が使うわけじゃないんだろ」

「ええ。僕には洗礼の時にもらった装備がありますから」

「感想を聞けないのは残念だが喜んでもらえるといいな」

「しかし代金は本当にいいんですか」

「うちの鍛冶屋がここまで成長したのはお前のおかげだからな。貴重な剣を打てただけで満足だ」

「また何かあったらお願いに来ますね。それでは失礼します」

「おう。気軽に来てくれ」

剣をアイテムボックスに入れて鍛冶屋を後にする。

屋敷に戻ったクロードはファールハイト兄様と鉢合わせする。

「おや。クロード随分とご機嫌だね」

「頼んでいた剣が出来たんですよ」

「なるほど。それでか。どうにか間に合ったみたいだね」

「クラウス兄様の驚いた顔が今から楽しみです」

「ほどほどにしておくんだよ」

釘をさすのを忘れないファールハイト兄様だった。